趣味は読書。

気ままな読書記録と日々思うこと、備忘録

「風の中のマリア」 百田尚樹

2009年07月08日 | 
前作「BOX!」がとても良かったので
新作「風の中のマリア」を楽しみにしていました。
「BOX!」の評判が良く、知名度も上がり
図書館の予約数も増えてようやく順番が回ってきたのです。

今度の小説はオオススメバチのお話。
主人公マリアは、大帝国に生まれたワーカー、
つまり働き蜂なのです。
オオスズメバチの生態が詳しく語られ
その一生というものを初めて知りました。
さながら『昆虫記』。

読みながら、著者はこの本で何を一番伝えたいのかな、
とずっと考えていました。
‘運命’?‘遺伝子’?‘昆虫の世界’?
そう考えてみると、一番‘運命’を受け入れないのは
人間かも。
自然や運命に抗って生きようとする人間に対し
自然界の掟、運命に従いつき進んでいくマリア。
物語に人間は登場しないのですが
オオスズメバチの不思議な生態を知るにつれ
わが身人間の生態に思い巡らせてしまいました。

物語の中で多くの虫たちが登場するのですが
できればオオスズメバチを筆頭に、
写真か挿絵があると良かったです。

読みやすいので、小・中・高生たちにもオススメです。
夏休みに親子でも読めそうです。。