一週間ほど前のこと、裏庭に敷いてある砂利の一つが地上から30センチくらいの高さで宙に浮いていることに気づきました。その時は「クモの糸が小石に絡まってしまったのだろう。」と、さらり見過ごしていました。
ところが昨日、小石が私の背丈近くまで持ち上がり、目の前で宙ぶらりんになっているではありませんか。
宙に浮いた小石をよく見ると、安定感のある三点法を駆使して、バランスよくクモ糸で支えられていました。
クモ糸をたどると、軒下に不規則な網が張られていました。
ここには外灯があり、夜には小さな虫たちが集まってくることや軒下は雨に当たりにくいという好条件の場所を選んだものの、垂直に網を張るには縦糸を固定するものがないために、地上の小石を道具として使ったのでしょう。
軒下から地上までは2m30cm程あり、かなりの高さまで小石を釣り上げ、Y字型の縦糸を基本に、三点法の安定した網を張ったと思われます。道具を使うオニグモの知恵に驚きました。
夜、網を見上げると昼間隠れていたオニグモの姿がありました。
クモは、縦糸、横糸、足場糸、危険が迫った時に使うしおり糸、その他、獲物を包む糸や卵のうを包む糸などお腹に糸を作る分泌腺を複数持っていて、用途によって使い分けているそうです。
クモの世界は、驚きがいっぱいです。