公営競技はどこへ行く

元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

見解を述べる

2005-12-08 00:56:53 | オートレース

当掲示板において、「T社長」の意見に対しての「見解」を述べている(というか「コンドル叩き」というのが専らだが。いや、意見が合う場合は大いに評価してるよ。)が、日本小型自動車振興会の瀬戸比呂志理事が廃止表明寸前の浜松オートレースに対する存続案を述べているので、それについて考えてみよう。


浜松オートレース事業については、現在まで、浜松市民からの税金で赤字を補填していただいたことはありません。そして、今後もそのようなことが起こらないよう、全ての経営リスクを負う形での民間委託により事業を存続いただけないかとのお願いをしております。


大方の話、つまり「存続派」が主張する民間委託なんだが、とどのつまり、日動振としても日本トーターに「丸投げ」する形による救済策をもって、浜松市側に擦り寄っている気もするんだが、それでいいの?

その日本トーターの件だけど、こんな厳しい意見もあるんだが。

トーターは船橋オートレース場の全面民間委託を引き受けることになったが、一方で現在従事している場内従事者を「全員解雇」する方向にあるというではないか。

となれば、船橋と「同じやり方」をするとなると、仮に浜松オートレースが存続したとしても、現在従事する職員の「整理」は避けて通れないといえまいか。

さらに、全競労評議会は日本トーターについての見解はこうも記しているんだが。

これまで日本トータは岸和田競輪場において業務運営のトータルシステムを実施した経験はあるが、競走場経営に携わっていたわけではない。包括的民間委託によっても、ファンの拡大=売上げの向上を含めた企画については依然として施行者の経営姿勢・経営能力が問われるわけで、船橋市・千葉県の経営姿勢が変わらない限り、赤字体質からの脱却は不可能である。

となると、果たして日本トーターは経営リスクを全て負うのか?ということになりかねない。結局は浜松市側としても、このまま継続していくとしてもいつトーターに「逃げられる」か分からないという「恐怖心」があるだけではないか。

その点については、「浜松市議会の行財政改革推進特別委員会」も大いに「懸念」している。2005年11月17日付の静岡新聞より。

廃止を避け、仮に公設民営を選択したとしても、日本トーターは従業員解雇(一部は優先的に再契約)やオート場借地料の減額案を示していて、従業員や地権者との調整も必要となる。委員からは「関係者が『ノー』と言ったらどうするのか。審議の組み立てがお粗末ではないか」という指摘も出た。


やっぱり、全競労が「懸念している」懸案材料が顔を出している。

唯一「得をする」のは選手。トーターにはさすがに選手の解雇権はないからね。そりゃ選手側からすればトーターにいち早く出てきてもらいたいところだろう。

前にも述べたが、私が元従事者の女性に、

「浜松市がやる気がないのなら、例えば近隣の磐田だとか、掛川だとかいった市に代替主催者になってもらうよう何らかの話はしているのか?」とたずねたら、

「してないし、しても受けてもらえないだろう。」

とのこと。一自治体というだけではなく、例えば5市相乗りで「組合」を作って主催者になるところもあるわけだが、そうした形もムリというわけか・・・

私見として、もし浜松市がそれなりの覚悟、例えば、選手会や日動振からの民事訴訟があることも想定されるが、それに耐え切れるということであるならば「やめてもかまわない」と述べた。

しかしオートレース問題以前の問題としてザザシティやアクトタワーの経営不振問題が表面化していること。さらにフラワーパークやフルーツパークなんてものは大阪市のデタラメ3セクと同様の赤字の垂れ流しと化していることをどうして「無視」できるというのか?ということもいえるわけである。加えて、破産した松菱の新たなるスポンサー探しに市が相当に関与しているというが・・・ザザがダメなのに果たして大丈夫なのか?

そういった「包括的な」問題を無視してオートレースだけを悪者にできるのか?ということもいえるわけだが、その点については浜松市はうまくやっていく自信があるんだろ???

私自身、ホームとしていた西宮・甲子園競輪を廃止するという話がでたとき、本当に「困った」。なぜなら、その2場しかほとんど行ったことがなかったからね。ところが、1場存続案が出たときに

「甲子園だけは存続できるやろ。西宮はええわ。」

という「甘い言葉」に踊らされて一瞬、甲子園だけは生き残れるのか?という方向で進めたが、開催最終年度、西宮は「黒」だったが、甲子園は「やっぱり」赤だった。結局西宮の存続案が一切なかったことで2場とも失った。もちろん、専用場外の道もない。地方競馬場も確かに廃止になったところは多いが、完全に競馬の「匂いがなくなった」のは足利だけ。三条、益田、上山といったところは建屋さえ残っている。門司競輪にしたって、専用場外としていまだ残っている。

ところが浜松オートの場合、まさに西宮・甲子園と同じ運命となるというではないか。

これは浜松市の問題を越えた、オートレース全体の問題ではないか。なのにどうしてトーターにおんぶにだっことしようとするのか。

トーターは所詮、「お手伝い」をするだけの存在。条件が折り合わねばさっさと逃げていく可能性が高い。しかもトーター参入で「トクをする」のは選手だけ。果たしていいの?といえるわけ。

それよりも浜松市がやる気がないということであれば、何回か言っているように「代替地」の候補地を見つけるとか、はたまた浜松市内に専用場外を設けられないかといったもっと「前向き」な考え方を日動振はして欲しいものである。

そして浜松オートには代替地が見つかるまでの間、開催は継続して欲しいというほうがいいのではないか。

そういう条件ならば、トーターも従業員の整理などやっても仕方あるまい。やったとしてもせいぜい5年ぐらいが限度だろうから、船橋とは様相が違ってくる。

問題はその5年後。

「代替地など受けるところなどありえない」

と考えていたらそれこそ西宮・甲子園と「同じ運命」を辿りかねない。それよりも、3年後には伊勢崎も廃止を示唆している。山陽もどうなるか分からない。船橋はトーターに逃げられたら「終わり」だろ。つまり浜松に「固執」しすぎると他もみーんな「やめかねない」のである。

とどのつまりはオートレース「消滅」だ。ま、政府の参与会議はそれを「狙っていた」みたいだが、そんなことは許されるはずがあるまい。

ま、オートレースを消滅させたいのであれば「野放し」にしておいてもよかろうが、浜松市自身が「やる気がない」「税金は投入できない」の一点張りならば、はっきりいってそんなところ、無視する他ないのである。

もっとアグレッシブに、さらにトーターなどの民間委託についてはあくまでもオートレース界がイニシアティブを取って進めなければならない。はっきりいってその点が最も「欠如」している。

ま、私とすれば、大阪に浜松の代替地としてやってもらい、あたらな気持ちで「5年後」を迎えてもらいたいんだけど。浜松は専用場外(とはいってもオートレース場は解体せざるを得ないか)としての生き残りを考えたほうがいいような気もするんだが。

でも大概のオートレースファンは納得しないだろうね。


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