公営競技はどこへ行く

元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

民間委託について

2005-12-14 00:04:08 | 公営競技論

昨年、ライブドアが高崎競馬と笠松競馬に対し、業務委託の話をもっていったことで話題となった。結局両方とも「蹴られてしまった」挙句、高崎は廃止、笠松はほとんど廃止決定にまで追い込まれたが。またライブドアは高知競馬と業務提携を結んだ「はず」だったよな。

しかしながら、ライブドアにいまだそのような気配が見られないんだが。

公営競技を民間主導で推し進めていくというのはやっぱり難しいもんなんか。

昔、公営競技ってレース以外のイベントなるものはほとんどなかった。今は逆でイベント花盛りといった様相。しかし・・・

イベントをやったところで、それが公営競技全体の人気高揚策にはどうも繋がっていないような気もするんだが。

競艇が魔裟斗を呼んできたり、はたまたプロレスをやるようになったことで他もそれに倣うようになってきているんだが、その場限りで終わっているんではなかろうか。

大井競馬も昔はナイター開催時には毎日ミニステージライブとかやってたけど、やがて廃止された。

今、民間委託でできることといえばイベント性を高めることぐらいだと思うが、やっぱりそれだけでは「ダメ」なんだろうね。

かといって一部には頑張っているところはあれど、廃止をちらつかせているようなところほど、職員にやる気がなかったり、はたまた廃止されたところで在職期間を「全う」できれば問題なしなんていう考えが跋扈しているところが目立つ。

しかしながら、今や公務員であっても「大量首切り」の危機にさらされる状況となっている。つまり公務員とて休まず、ヘマをせずだけではダメなような気がするんだが。

ヘマといえば、今の地方自治体の中には、ムダに税金をつぎ込んで「巨大な空き地」だとか、「廃墟と化したハコモノ」を林立させているところがあるな。

ところがそんな「大ヘマ」は見過ごされているのが現状。

諸悪の根源と誰もが感じている「第三セクター」。はっきりいって成功している例などほとんどない。しかしながら、鉄道事業については第三セクター化されたところが結構多い。

3セクの鉄道会社の中で、ダメなところはやっぱり役所的というのか、トップが役所から「天下ってきて」、3年ぐらい経てば「交替」なんていうところばかり。反面うまくいっているところもあって、そういったところは民間出身者を登用したり、はたまたイベントをうまく活用して集客力を高めているところである。

公営競技はまだ残念ながら第三セクターとはなっていない。主催者はあくまでも自治体。したがって最終意思決定機関もまた自治体。

だが第三セクターの場合だとやっぱり最終意思決定機関は自治体が負うケースがほとんどだが、民間出身者を登用できるし、また民間の考え方がフルに活用できる。

しかし民間オンリーというのは「八百長」の危険性があるから踏み込めまい。

世界的に見てもギャンブルで「民間オンリー」というものは「アングラ」にとどまっている。アングラとは言うまでもなく「違法ビジネス」。ほとんど民間のようなところであっても自治体が厳しく取り締まっているケースばかりだ。また、違法が発覚すると即営業停止に追い込まれるケースがほとんど。

ただ「民間委託」するだけで後は知らんよではすまないし、かといって全て自治体が抱え込むというのは限界があろう。

やはり公営競技こそ第三セクター化が望ましいところ。今一度、官と民の「融合」というものを図るべく、公営競技にはもってこいだと思う。

それに3セクの場合、「経営者がダメ」だと違う経営者に替えることも可能。融通性も利く。

今年競馬法が改正されたが、どうせ改正するんだったらもう少し「踏み込んだ」やり方をして欲しかったもの。

さらに、船橋オートの件にかかる民間委託問題で日本トーターがほとんどの現職員を解雇するという条件を出し、それを千葉県や船橋市が承諾する方向にあるみたいだが、今の「民間委託」というやり方ではそれも「あり」となってしまう。でも、労働基準法が改正されて解雇については容易にできなくなっている。





全競労のホームページより、

合理性のない整理解雇は無効である

 整理解雇は、一昨年(2003年)6月の労働基準法改正によって新たに新設された条文=「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」(労基法第18条の2)が該当し、判例で確定している「整理解雇の4要件」を満たしていない解雇は解雇権の濫用に当り無効であるということになっている。

判例で確定している「整理解雇4要件」

① 整理解雇の必要性

人員整理をしなければ、どうしても企業が破産するなど経営危機が差し迫っているのか

② 解雇回避努力

新規採用をやめるとか希望退職を募るなど会社が経営上の努力をしたか

③ 解雇手続きの適正

労働組合や労働者に十分説明をし、労働者の納得を得る努力をしたか

④ 人選の適正 ……誰を解雇するのかの基準がはっきりしていて、その基準が適正で、基準の適用が正しくされているか

 四つの要件を満たしていない場合、その整理解雇は無効。

    1979年10月29日  東京高裁判決・東洋酸素事件

それを「許す」となれば千葉県や船橋市が解雇された職員から訴えられる可能性が高い。ということは民間委託をしたがために「マイナス要素」だって十分考えられるわけである。しかも最近の判決例については原告側が大概「勝利」している事実は否めない。やはり、法令改正となって昔とは立場が逆転しているのである。

こうした労使問題も第三セクター化すれば解消される。痛みは経営者にも「もちろん」与えられるからだ。

ということはまだ法令の改正がされていない以上、自治体がイニシアティブを取ってしばらくは「頑張る」他ないのである。民間委託というのはできるところはやってもらわねばならないが、「丸投げ」では確実に失敗するし、かえって大きな傷口を広げてしまう。

ひいては納税者に多大な迷惑をかける結果となるということだ。

コメント (2)
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