「WWE」の 元社長・松本大輔 (2023年11月17日午前、大阪市中央区で)=大塚直樹撮影 🄫読売新聞
“大麻グミ” 製造会社元社長ら逮捕 指定薬物含む商品保管か NHK 2024年4月26日 18時07分
大麻に近い成分の名前が表示されたグミを食べた人が相次いで体調不良を訴えた問題をめぐり、近畿厚生局麻薬取締部はグミを製造した大阪の会社が指定薬物の「HHC」=ヘキサヒドロカンナビノールを含む商品、およそ7.7キロを神奈川県内の倉庫で保管していたとして、元社長ら2人を医薬品医療機器法違反の疑いで逮捕しました。
逮捕されたのは、大阪 北区の会社「WWE」の
▽元社長、松本大輔容疑者(39)と、
▽元従業員で商品の開発を担当していた高田浩司容疑者(38)の2人です。
東京や大阪では去年、この会社が製造しているグミを食べた人が病院に搬送されるなど、体調不良を訴えるケースが相次ぎ、近畿厚生局麻薬取締部は去年11月、グミの製造工場などを立ち入り検査しました。
その結果、神奈川県厚木市にある倉庫に法律で規制された指定薬物の「HHC」=ヘキサヒドロカンナビノールを含む商品、合わせておよそ7.7キロを保管していたことが分かり、麻薬取締部は松本元社長らを26日までに医薬品医療機器法違反の疑いで逮捕しました。
今後、指定薬物の入手ルートや商品の製造が行われたいきさつなどを詳しく調べることにしています。
2人の認否については明らかにしていません。
体調不良の訴えが相次いだグミをめぐっては、「HHCH」=ヘキサヒドロカンナビヘキソールという、当時法律で規制されていなかった大麻に近い成分の名前が書かれていて、厚生労働省は去年11月、「HHCH」について指定薬物に追加し、現在は所持や販売が禁止されています。
大麻に近い成分の規制 いたちごっこ続く
大麻に近い成分をめぐっては、法律で規制されると未規制の類似の成分が作られ、商品化されて出回るといういたちごっこの状態が続いていました。
今回、麻薬取締部の立ち入り検査で一部の商品に含まれていることが分かった「HHC」はおととし3月から指定薬物として規制の対象になっていましたが、グミに入っていた「HHCH」については、食べた人が相次いで体調不良を訴えた去年の秋の時点では法律で規制されていませんでした。
このため、厚生労働省は去年11月、「HHCH」についても健康被害を引き起こすおそれがあるとして、医薬品医療機器法に基づいて指定薬物に追加しました。
しかしその後、各地の店舗では「HHCP」などの類似した成分を含む商品が販売され、摂取した人が救急搬送されるケースが相次いだということです。
こうしたことから、厚生労働省は、すでに規制対象となっていた「HHC」と「HHCH」、それに、構造が似た「HHCP」など新たな4種類の合わせて6種類について、去年12月、まとめて指定薬物として規制対象にする「包括指定」を行いました。
これらの成分を含む製品は、ことし1月6日から所持や販売が禁止されています。
厚生労働省は今後、大麻に似た別の系統の成分についても規制対象にすることを検討しているということです。