きょう(10/31)、下記の本を買って読んでみた。
なかなか分かりやすい。経済学部1年次の学生は「必読」。この本を「マスター」すれば、経済学のあらましはだいたい分かる。
経済原論ならぬ、「経済通論」として大いに役立ててほしい。
ということは、これも下記に挙げた、「数学的思考の技術」という本は少々難しい内容。数式はなくとも、数学的な話が書いてあるから。ま、これも1年次にマスターしておきたいところ。
学生時代にこの2冊があれば、もっと経済学を「楽しく学べた」かもしれないなぁ?
日刊ゲンダイ|経済学が不得意な人の絶好のガイドブック
2015年10月25日
刺激的なタイトルの本だが、言っていること自体は正しいと思う。経済学者はすぐにむずかしい専門用語や数式を使ってけむに巻くが、それは自分を科学者のように権威づけるためだ。そのため経済学者は、自らの科学である分析ツールを経済以外の森羅万象に適用しようとする。しかし、それは経済学でも何でもない。経済学は、経済そのものを分析対象にすべき、というのが著者の主張だ。
著者が本書でやっているのは、特定の経済理論にとらわれるのではなく、生産、所得、金融、労働、貿易などの経済事象を丁寧に解説することだ。そこには余計な方程式だとか数学の類いは一切登場しない。世界で本当に何が起きているのかを淡々と描き続けているのだ。
正直に言うと、この本に書かれていることの大部分を私は知っていた。だから、新しい発見というのはほとんどなかった。その意味で経済の常識を読んでいるだけという感想を持ったのだが、冷静に考えてみると、私のように経済をなりわいにしている者にとっては常識でも、普通の市民にとってはまったく常識になっていない。すごく単純なことなのに、偉そうな経済学者が市民の理解を妨げてきたからだ。だから、この本のように常識を丁寧に書くということには重要な意味があるのだ。
そうした観点で本書をみると、経済学の教科書では決して学べない経済の本当の姿が、生き生きと描かれていて、経済学が不得意だと思っている人にとって、本書は絶好のガイドブックになっている。
時間がない読者は、1章と2章と「終わりに」を読んでほしいと著者は書いているが、私は本書の見どころは8章の金融、9章の格差、10章の仕事だと思う。
カネを右から左に動かすことで巨万の富を稼ぎ出す投機家が幅を利かせる一方で、まじめに一生懸命働いても貧困から抜け出せない人がいる。その原因の一つは、経済学が「仕事」をまともに分析してこなかったからだ。もし、きちんと分析していたら、「楽しい仕事」をエリートが独占するような事態は起きなかっただろう。インチキ経済学者にだまされないためにも、サラリーマンは経済の常識を身につけるべきだろう。★★半(選者/森永卓郎)
経済学と言うと、
・偏微分方程式
・常微分方程式(線形微分方程式)
・差分方程式(漸化式)
・エルミート行列、ユニタリ行列(基本となるのは行列、行列式、平面・空間ベクトル)
・ベクトル解析
・多変量解析(回帰分析)
などを知らないと理解できない、と言われているが、これって、大学で習う数学ばかりじゃないか。
経済学はいつから「理系」になったのか?
しかしながら、こういった、「高等数学」など知らなくとも、日ごろから、経済の動向を追っかけている人は少なくないはず。
GDPの伸びがどうなったとか、為替動向は?、日経平均の動きは?、てな話に至っては、今やごく日常的となっている。
つまりは、経済学が日常では「常識」だということは、言うまでもない話だ。
でも、上記の数学を知らなければ経済学が「分からない」なんてことになったら困った話である。
そんな「悩み」を解消してくれる内容だったら、一読に値するのかもしれない。何分、まだ読んでないから何ともいえないが。
でも、「ドラえもん」こと、森永卓郎が言うんだったら、「間違いない」だろう?
ところで、KKベストセラーズの新書・「数学的思考の技術」という本も、恐らく上記のものとよく似た内容と考えられる。著者は東大理学部数学科卒業でありながら、東大大学院経済学研究科(博士課程)修了という経歴を持つ。数学的、というものの、中身は経済学そのものなのだが、数式はほとんど出てこない。
なかなか分かりやすい。経済学部1年次の学生は「必読」。この本を「マスター」すれば、経済学のあらましはだいたい分かる。
経済原論ならぬ、「経済通論」として大いに役立ててほしい。
ということは、これも下記に挙げた、「数学的思考の技術」という本は少々難しい内容。数式はなくとも、数学的な話が書いてあるから。ま、これも1年次にマスターしておきたいところ。
学生時代にこの2冊があれば、もっと経済学を「楽しく学べた」かもしれないなぁ?
日刊ゲンダイ|経済学が不得意な人の絶好のガイドブック
2015年10月25日
刺激的なタイトルの本だが、言っていること自体は正しいと思う。経済学者はすぐにむずかしい専門用語や数式を使ってけむに巻くが、それは自分を科学者のように権威づけるためだ。そのため経済学者は、自らの科学である分析ツールを経済以外の森羅万象に適用しようとする。しかし、それは経済学でも何でもない。経済学は、経済そのものを分析対象にすべき、というのが著者の主張だ。
著者が本書でやっているのは、特定の経済理論にとらわれるのではなく、生産、所得、金融、労働、貿易などの経済事象を丁寧に解説することだ。そこには余計な方程式だとか数学の類いは一切登場しない。世界で本当に何が起きているのかを淡々と描き続けているのだ。
正直に言うと、この本に書かれていることの大部分を私は知っていた。だから、新しい発見というのはほとんどなかった。その意味で経済の常識を読んでいるだけという感想を持ったのだが、冷静に考えてみると、私のように経済をなりわいにしている者にとっては常識でも、普通の市民にとってはまったく常識になっていない。すごく単純なことなのに、偉そうな経済学者が市民の理解を妨げてきたからだ。だから、この本のように常識を丁寧に書くということには重要な意味があるのだ。
そうした観点で本書をみると、経済学の教科書では決して学べない経済の本当の姿が、生き生きと描かれていて、経済学が不得意だと思っている人にとって、本書は絶好のガイドブックになっている。
時間がない読者は、1章と2章と「終わりに」を読んでほしいと著者は書いているが、私は本書の見どころは8章の金融、9章の格差、10章の仕事だと思う。
カネを右から左に動かすことで巨万の富を稼ぎ出す投機家が幅を利かせる一方で、まじめに一生懸命働いても貧困から抜け出せない人がいる。その原因の一つは、経済学が「仕事」をまともに分析してこなかったからだ。もし、きちんと分析していたら、「楽しい仕事」をエリートが独占するような事態は起きなかっただろう。インチキ経済学者にだまされないためにも、サラリーマンは経済の常識を身につけるべきだろう。★★半(選者/森永卓郎)
経済学と言うと、
・偏微分方程式
・常微分方程式(線形微分方程式)
・差分方程式(漸化式)
・エルミート行列、ユニタリ行列(基本となるのは行列、行列式、平面・空間ベクトル)
・ベクトル解析
・多変量解析(回帰分析)
などを知らないと理解できない、と言われているが、これって、大学で習う数学ばかりじゃないか。
経済学はいつから「理系」になったのか?
しかしながら、こういった、「高等数学」など知らなくとも、日ごろから、経済の動向を追っかけている人は少なくないはず。
GDPの伸びがどうなったとか、為替動向は?、日経平均の動きは?、てな話に至っては、今やごく日常的となっている。
つまりは、経済学が日常では「常識」だということは、言うまでもない話だ。
でも、上記の数学を知らなければ経済学が「分からない」なんてことになったら困った話である。
そんな「悩み」を解消してくれる内容だったら、一読に値するのかもしれない。何分、まだ読んでないから何ともいえないが。
でも、「ドラえもん」こと、森永卓郎が言うんだったら、「間違いない」だろう?
ところで、KKベストセラーズの新書・「数学的思考の技術」という本も、恐らく上記のものとよく似た内容と考えられる。著者は東大理学部数学科卒業でありながら、東大大学院経済学研究科(博士課程)修了という経歴を持つ。数学的、というものの、中身は経済学そのものなのだが、数式はほとんど出てこない。