公営競技はどこへ行く

元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

プリンス尾崎、引退後仏門へ

2005-12-24 22:32:18 | 競輪

長らくS級選手として活躍してきた尾崎雅彦選手が先ごろ引退。

中野、井上の「黄金コンビ」の好敵手として逃げよし・捲りよし・追い込みよしという「三拍子」揃った選手であったが、来期もS級をキープするというにもかかわらず、

『自分の納得いくレースができなくなり引退を決めました。』

とのことで、引退後はなんと「住職」だって。元競輪評論家の寺内大吉と同じ道を歩むのか!

でもフラワーラインの中では尾崎が一番充実した成績を挙げてたけどねぇ。

記念あたりだと尾崎はそれこそ、中野、井上にほとんどヒケを取らない成績を収めていた。競走得点や勝率も2位とか3位を常にキープしてたし、また、滝澤正光あたりとは違った意味で力でねじ伏せる戦いができた選手でもあった。

でも、特別競輪ともなれば、当時フラワーラインはその一員を「順番に」優勝させるという「ならわし」みたいなものがあって、結局尾崎は83年の高松宮杯しか優勝できなかった。でもこのときの尾崎は菅田を引き連れてバックから捲り、完全優勝&グランドスラム間違いなしと目された中野浩一の偉業を打ち砕いた。

80年には世界選手権・プロスプリントで中野浩一に続く2位に入ったんだが、一方で尾崎の世界選挑戦はこれで「終わり」。どうも肝心な勝負という点において「淡白」な面が否めなかった選手だった。

85年の第一回のグランプリにしてもそうで、尾崎は清嶋彰一の番手に入り、主導権を握る清嶋をたたきに行った中野浩一を大きく牽制して一時は中野を圏外へおいやったにもかかわらず、中野が最終バック4番手から捲ってきたときには牽制を「空振り」してしまい、番手絶好の展開であったにもかかわらず優勝を逃してしまった。

もし尾崎があのグランプリを勝っていたら流れは随分違ってたものになってただろうね。そしてそれを境にタイトルを奪うチャンスすらなくなってしまった。それでも95年の宮杯では決勝3着という実績もあるな。

でも単なる追い込み選手でなかったから、年齢がいっても「しぶとく」S級をキープし続け、山口健治らはとっくにA級の常連と化していった中でもS級選手として君臨し続けた。

それにしても、尾崎はマスクもいいし、「プリンス」なんていわれただけあって泥臭い側面が感じられなかったいい選手だったね。


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一事が万事こんな調子

2005-12-24 01:00:25 | 公営競技論

やっと決まったと思った大阪の競輪場外建設の件だが、なんとかちゃんねるを見ていたらこんな記事が出ていた。

四国新聞より

「車券場、文楽に悪影響」/人間国宝ら仮処分申し立て

大阪・日本橋に計画中の競輪の場外車券場建設は治安を悪化させ、近くに劇場のある人形浄瑠璃の文楽にも悪影響を及ぼすとして、反対住民や文楽の人間国宝竹本住大夫さん(81)ら54人が22日、設置者の不動産関連会社「大和システム」(大阪市)などに建設差し止めを求め、大阪地裁に仮処分を申し立てた。

 申し立てによると、車券場は大阪市中央区日本橋1丁目の約1500平方メートルの敷地に建設し、競輪を開催する自治体が運営する計画。同社が今年7月に経済産業省に設置を申請し、9月に許可された。年内にも着工される可能性がある。

 予定地から約200メートル東に国立文楽劇場があり、約100メートル北西では既に場外馬券場が営業している。


ウインズ道頓堀はいいけど、競輪はダメか。

その上宗右衛門町といえばすっかり「色町」になっているのにね。

しかしながら、文楽なんてものは、こういった言い方は悪いが、本当は既に消えうせた伝統芸能であり、何とか国に頼み込んで漸く残してもらったようなもの。

江戸の伝統芸能は時代が移り変わっても脈々と受け継がれていっているのに、上方のほうは常に断続状態。上方落語にしたって、桂米朝さんらが「掘り起こさなければ」、とっくの昔に消えてなくなっていた。

ところが、いざ掘り起こしたとなったら、「上方の連中」は実に「うるさい」だよな。まさに大阪の文化を潰す気か!って。

私は川口に住んでいた頃、寄席に行くのが好きで、鈴本とか末広亭なんかよく行った。しかし、大阪には角座とか花月とかあるんだが、一回も行ったことがない。というか、角座って何年か経つたびごとに建て替えをはじめ、催し芸までもガラッと変えてしまう。花月はどうも趣味に合わないような気がするし・・・

かつては今はなき「五代目・小さん」もたびたび角座で一席やってたんだけど、客が入らなくなったとかでやがて「やらなくなって」しまった。ところが案外、上方落語よりも江戸落語のほうが好きだっていう大阪の人間って少なくないんだよな。

そもそも、上方落語って話の数自体が非常に少ないし、しかも「話芸」のみで成り立っている江戸のほうが客をひきつけるものがあるっていう意味合いがあるみたいだ。

ちなみに小さんあたりが出るとなれば、東京では常に満員状態だったぜ。

ま、落語の話をしてきたが、文楽なんて大阪の人間でさえ知っている者は少ないよ。私も、歌舞伎は見たことあるが(高校の観劇鑑賞で)、狂言のほうがはるかに「ポピュラー」。ま、和泉なんとかっていう奴の影響もあるんだろうけど?ちなみに狂言も見たことあるな。これも高校の観劇鑑賞だったか。でも文楽は一度も「ない」。

文楽ってところは、もともと伝統芸能筋からも、

「おたかくとまっている」

といわれている。したがって落語はもちろん、歌舞伎や狂言みたいに、「普及させよう」という気概もあまりないところなのかもしれない。

だからこそ、

「伝統芸能である文楽を守るために、競輪は許さん!あれは下劣な連中がやるもの。」

ってことなんか?

でも文楽ももとは「大衆芸能」なんじゃなかったのか?それが300年近く経ったら今度は、

「崇高な芸術」

なんか?

だったら競輪だってそれぐらい経てば、

「崇高な文化的スポーツ」

ってことになるのかもよ?

ま、人間国宝らがどうしてもダメ!って言うんなら仕方あるまい。キタでやれ!キタで!

私自身、キタのほうが行きやすいし!?

コメント (3)
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賞金王決定戦回顧

2005-12-24 00:04:01 | 大レース回顧集

第20回賞金王決定戦は23日、住之江競艇場で行なわれた。

21日のトライアル2日目において、植木通彦が転覆して帰郷を余儀なくされるなど波乱の部分もあったが、トライアル1位は辻栄蔵、以下、仲口博崇太田和美江口晃生濱野谷憲吾笠原亮の順となり、この順番で枠順が決まった。

進入は笠原だけは大きくコースを回って6コース確定となったが、他の5艇は激しい前づけ争い。そんな中、辻がきっちり1コースを取り、以下、仲口、太田も艇番順のコースに落ち着く。濱野谷が抵抗したが、江口が引っ張りきって結局枠なり進入。進入隊形は3対3となった。

スタートスリットでは幾分、中へこみ状態となり、辻、濱野谷、笠原が同スリットタイム。濱野谷が捲って出ようとしたが江口に艇を当てられ、差しに回らざるを得なくなった。1マークは辻が悠々と先マイして先頭。江口が捲りにいくも仲口と接触して後退。

辻が完全に先頭に立ち、焦点は2着争い。2マークでは濱野谷が先マイを放つも流れてしまい、仲口が差して2番手浮上。濱野谷が3番手となり、そのままの体勢となった。

辻はゴール手前から派手なガッツポーズを見せ、2003年のオーシャンカップ以来のSG優勝、そして今年の賞金王も確定させた。

辻は今年、総理大臣杯オーシャンカップMB記念で優出したもののいずれも敗退。またG1の優勝もなく、彼本来の走りからすれば幾分不本意な面もあっただろう。

一昨年、昨年と12名の枠の中には入ったものの「頂上決戦」には進出できず、今年こそはベスト6の中に入りたいという気持ちがトライアル1位という成績に繋がったのではないかと思う。また、ツキもあった。

トライアル2日目の11R、植木と笠原の2マーク先マイ争いで何と植木が転覆。笠原もそのあおりを受けて艇が流れたところを一気に内から差して1着。翌日も2連勝中の太田和美らを相手にイン逃げで制して本番もしっかりと1コースをゲットして優勝に結びつけた。

西島義則、市川哲也に続く「広島第三の男」というイメージもあったが、今や完全に広島ではエース。この優勝のみならず、今後ももちろんSGを幾度となく制する機会は訪れることだろう。

仲口は今年の総理大臣杯優勝戦では1コースをゲットしながらも笠原亮の全速ターンの前に屈し、悲願のSG制覇を逃したが、常滑と徳山の両周年を制するなど充実したシーズンであったかと思う。

しかし、やはりSG優勝の道は遠かった。オートレーサーの弟・武志もSG2着はあるが優勝はいまだなく、果たして兄弟どちらが先にSG制覇できるかという興味も大きいのだが、今年のシーズンのように常時G1の優勝ができ、SGもコンスタントに優出できるようならばいずれチャンスはやってくる。

濱野谷は拙メールマガジンの「初代年間王者」となったが、今年SGでは3着3回と彼にしてみればもどかしい1年であったかもしれない。今回は全速で行きたかったはずが、結果的に1マークで差しに回らざるを得なくなるという不本意な戦い。また彼自身、SGの優勝戦では自身の本意でない競走を強いられるケースが多く、来年以降もその点が課題となりそう。

今年の競艇界全体を振り返ってみると、笠原、菊地の静岡コンビがSGを初優勝したり、はたまた山本や江口が豪快に捲って久々のSG優勝を果たすなど前半を見る限りは見どころが多かったが、津の全日本選手権あたりからイン逃げのオンパレードの様相が強くなり、見る側にとってドキドキさがなくなっているように感じる。

今シリーズも序盤からイン逃げのオンパレード。そうなると配当面で妙味がなくなり、逆に最終日のようにイン勢が吹っ飛ぶケースばかりだととんでもない万シュー続出の様相となり、今度は客は「取れなく」なる。

イン逃げが急増している一番の原因が、今年5月10日より始まったプロペラの厚み規制ではないかという声も上がっている。理由は選手間によって厚みがバラバラになっているということ。改正間もない頃は「手探り」状態が続いてそうした問題は表面化しなかったが、半年経ってだいたいの「傾向が分かる」とそうした問題が露呈するようになってきた。

もしそうならば、来年は早急にこの問題を解決しないといけない。でないと客が見てて面白くないようなレースがまたぞろ続出しかねない。少なくとも、毎回SGの優勝戦がイン逃げのオンパレードでは客は面白いはずがなかろう。

コメント (2)
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