公営競技はどこへ行く

元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

ポスト浜松問題

2005-12-18 00:01:09 | オートレース

まだ正式決定ではないとはいえ、北脇保之市長は腹を決めた様子

静岡新聞より

浜松オート廃止、市長意向

 浜松市の北脇保之市長が浜松オートレース事業を廃止する意向を固めたことが16日、分かった。廃止時期は一定期間、民間委託をした後にする考え。5年前後の案が有力だが、19日、庁内最終調整や関係者と協議した上で決め、20日以降に来年度以後の方針を正式表明する見通し。早期廃止ではなく、民間委託を経て一定期間を置くことで、関係者の大きな混乱を回避したい考え。

 浜松オートをめぐっては市長諮問の事業検討委員会が「一定期間後の廃止」を、市行財政改革推進審議会の委員多数が「平成18年度末の廃止」をそれぞれ答申、提言していた。

 平成15、16年度は赤字だったが、本年度は全国のオートレース場挙げての構造改革が寄与し黒字になる見通し。しかし、民間の調査機関によると、来年度以降は再度赤字に転じる見通し。

 入場客の減少傾向や他場の赤字状況を考えると、このままの公営によるギャンブル存続は困難とする検討委の答申を、市としても重視する方向。

 ただ、従業員約230人や選手、関係者への影響やこれまでの市への貢献を考慮し、早期廃止ではなく、民間委託後に廃止する選択肢を取ることで最終調整している。

ここまで来たらもう「仕方ない」という他あるまい。浜松市もそれなりの決断なんだろう??

但しすぐには廃止せず、また民間委託の件についても受け入れる模様。ということはだいたい5年ぐらいの猶予はある。

大阪府営・春木競馬は1969年に廃止が決まったが、従業員等の補償金を捻出するために2年間の期間限定つきで「補償競馬」を開催。すると当時は地方競馬自体も活況だったことからさらにもう2年延ばして都合4年間補償競馬を開催した後廃止された。

浜松の場合は逆に「どん底」の状態で「補償開催」へと入る見通しだが、概ね5年という期間で補償をうまく行なえるということであれば、西宮・甲子園や上山みたいな「遺恨」を残さないまま廃止できる。ま、この決断だけでもかなり大きな「英断」ともいえるわけだが。

しかし、もちろんこのままで終わってしまうと、今度はオートレースが参与会議の思惑に嵌る可能性が高い。つまり、「消滅」である。

もし浜松「廃止後」の問題をそのままにしておけば、伊勢崎も、山陽も、そして船橋も「みーんな」やめてしまうだろう。結局は川口と飯塚だけしか残らない(飯塚も危ないかも)となると、はっきりいってオートレースをやる意味がない。毎回決まった場所で似たようなメンバーで開催したところで、どれだけ客の興味を惹くというのだろう?

ということは必ず、「代替地」選定は行なう必要がある。

但し代替地の問題についても、公営競技の衰退基調を十分考慮に入れなければならず、そうなるともう「ここしかあるまい」、大阪!

ここを見れば、大阪の現状がいかにどうしようもないかがわかるというもの。

10年と経たないうちに建てた第三セクター会社はことごとく不振。中には「廃墟」と化しているところも。また、大阪ドームシティのように自主再建の道もなく、手放さざるを得ないところまで出てきている。

しかしながら大阪を今後よくするための特効薬などどう考えても思いつかないわけであり、このままだと大阪は間違いなく「空洞化」する。また、名古屋や京都に本社に構える企業は本社機能をそのまま据え置くというのに、どうして大阪を拠点としている企業は東京へと移したがるのか?その辺はよく分からない気もするが、要は企業にはもはや、大阪に対する「忠誠心」がなくなっているんだろう。

そういえば大阪を席巻している企業といえば、大阪以外を根拠地としているようなところばかりである。阪急百貨店が大増床工事に踏み切ったというのも、三越が2011年に梅田進出をするからである。

ということは、大阪はいいように他地域の企業に「食い荒らされている」わけであり、大阪全体の盛り上がりには繋がってない。ということは、中身は大阪を向いていない企業によって梅田も難波も今や「食い尽くされている」様相。

となると、大阪は今やいいように「利用されている」だけ。当然のことながら、他地域の人間が大阪に来ようという興味も発生しない。では、一体どうすればいいのか?ということを考えたら、大阪から発信できるエンターテイメント性を打ち出す他ないのである。

公営競技の場合、国営の中央競馬を除けば、所属する選手はご当地選手ということになる。つまり、大半が大阪で生まれ育った選手ということ。オートレースはさすがにそうはいかないものの、一方で「ホームグラウンド制」が事実上敷かれているので、もしオートレースが大阪にできれば、所属選手は全て「大阪」となる。

阪神タイガースの選手とて、生まれも育ちも関西なんていう選手は少ない。また、そういった選手がトレードされて他へ行く可能性もある。今年日本一になったロッテは逆に関西出身者が大活躍していた。しかし競輪やオートレースの場合だと、よほどのことがない限りは「移籍」は発生しない。

と考えると、これほど「ナショナリズム」を高揚させるものはないわけで、大阪の人間というのは「大阪民国」という蔑称があるとおり、日本で一番ナショナリズムを高揚させる「人種」なのである。

さらに公営競技も今や衰退一途であり、どうしようもない状況にある。だが。

マイナスとマイナスを掛け合わせたら、「プラス」になる。

ところがこれまでの大阪府や市がやってきたものは、もともと大阪という地は「マイナス要素」しかないのに、他のいいところ、つまり「プラス要因」となるようなものばかりに拘ってきた。しかし、マイナスとプラスを掛け合わせたら、「マイナス」になってしまうわな。

ということは、大阪はあまりにも東京の幻想を抱きすぎた。東京ができるんならば、大阪もできるはずとやってみたものがことごとく失敗している。ということは今や、というかもともと東京と大阪って相容れないものなんじゃなかったのかね?

そんな公営競技も関東でさえ青色吐息の状態であり、客は確実に減っている。ならば逆に大阪でやってみれば「面白い」という考え方ができないものなのか?

戦後間もない頃の窮乏する自治体の「救世主」となったのは言うまでもなく、「公営競技」である。民間企業では間違っても「なかった」。

つまり、危機的状況になったときこそ、「官の力」がモノをいう。民はそうなったときには相当に脆い。大阪ってまさにそんな状況に今なっているのではないのか。

だったら・・・


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