公営競技はどこへ行く

元気溢れる公営競技にしていきたい、その一心で思ったことを書き綴っていきます。

予想できない!

2006-03-31 01:37:36 | 競艇

30日、住之江競艇場へ。

住之江の周年記念というよりも、「春のG1」レースというほうがいいのかもしれない。恒例の太閤賞最終日。

しかしこの日の住之江、滅茶苦茶な荒れよう。

12レース中6レースで3連単万シューが飛び出し、めったに万シューなど出るはずがない2連単でも万シュー2本。

http://cgi.kyotei.or.jp/race/kekka_list.php?day=20060330&jyo=12

私がその前住之江に行ったのは昨年6月のダイヤモンドカップ最終日(6月16日)のときだけど、そのときもひどい荒れようであった。

http://cgi.kyotei.or.jp/race/kekka_list.php?day=20050616&jyo=12

ちなみに6月のときは序盤と中盤で手を出したところいずれも万シュー決着のレースでありともに「スカ」。よってあまりにもその後当たる気がしなかったんで優勝戦を前に帰ることに。

そのときの頭が脳裏によぎったんで今回は慎重に進めようと思った。

やはり今回もまたかなりの荒れようであったが、5レースは面白そうで買おうと思った。しかし・・・

その前の4レースで当時2レース目の万シューが出てしまい、

「ひょっとすると今度は本命サイドに落ち着くんでは?」

と思ったんで買うのをやめた。でも「正解」だった。

結局この5レースもまた「万シュー」だったんだが、狙おうとしていたヒモに5(真田)はなかった・・・

その後も実に買いにくいカードばかりだったんでとうとう「負け戦」は買わずじまい。最後の優勝戦だけ買うことに。

そして優勝戦でも2万シュー。優勝したのは、

「もうこのメンバーではダメです!」

と弱気連発だった井口佳典。

ま、優勝戦「だけ」損ならばいいや、って感じだよ。

しかしながら万シュー以外のレースは1000円台とかいうレース。つまり、滅茶苦茶「堅い」か、大荒れかどっちかというのがこの太閤賞のみならず、この前行ったダイヤモンドでもそう。

思うにそんなレースばかり続いて客は「うんざり」来ないものなのかね?いや、来ていたはず。

丁度住之江の指定席では高校野球のテレビ中継も放映されていたんだが、11レースの発売中だったか、3-0で負けていた今治北が土壇場の9回で同点においついたんでそれで「盛り上がる」始末。一方、肝心のレースでは、

「シーン」

と静まり返っていたね。

ま、競艇の客ってのは案外おとなしいんで口には出て来ないんだけど、目は確実に「座っていた」ね。帰りの四つ橋線車中でも競艇の話がどうだったとか言っていたのは私と、見ず知らずのオッサンの2人だけ。つまりお互い「会話」してたんだけど。

ところで全国の競艇場に、「マンスリーKYOTEI」というパンフレットみたいな小冊子が備え付けられていると思う。その4月号に実は「似たような」コラムが掲載されていた。

今回で最終回らしいが、2月に熱海でご一緒させていただいた「公営競技ジャアナル」編集長の鈴木輝雄さんが書いていた「マンスリー艇案書」というもの。

そこで鈴木さんは、この間行われた女子王座決定戦の最終日もまた、前述した住之江の最終日同様「ひどい」レースばかりだったということに言及。確かに「ひどい」わ。

http://cgi.kyotei.or.jp/race/kekka_list.php?day=20060305&jyo=06

ボートピア玉川で客相手に予想会を開いていた鈴木さんは、

「このレースこそ、格が上のこの選手で決まりでしょう!」

といい続けてはスカ連発。なんだが、競輪でもそういった「お方」がいたよな?熊本に?

したがって鈴木さんは最後には客からの怒号連発を覚悟していたんだって。

すると、客からはそういった話は出てこなかったんだが、

「何で人気選手はみんな吹っ飛ぶのか?」

「やる気がないよ。何か理由でもあるのか?」

といった選手に対する批判が連発したんだとか。

しかし競艇って、客が一番「取りたい」はずの中穴ってなかなか出現しにくいんだって。今は。

3連単だとその「中穴」ってのは7000円~8000円台レベルの配当。

概ね3連単というのは2連単よりも「3倍難しい」んで、1000円台の配当が出たところで取って損もいいところという客が大勢いよう。つまり、連単だと特定フォーカスに「ぶち込む」ことも可能なんだが、3連単ではまずそうしたことは「できない」ということ。

かといって万シューを取るのは至難の業。

つまり万シューってのは狙って取れるものでは「ない」ということ。逆に中穴だと狙って「取れる」!

これが競馬ならば「本命サイド」「荒れムード」といった区分けがされているケースが少なくないし、競輪だと穴予想と本命予想が両方できてしまい、公営競技の中では最も「面白い」2車単っていう賭式があるんで割りと中穴ってのは狙いやすいんだが、競艇の場合だと「中間レベル」の賭式がないんで必然的に3連単を狙う他なくなってしまう。

となると万シューではないが、それに近い額の配当が見込める「中穴」の出現がないと客は間違いなく「疲弊」してしまうね。

しかも3着を当てるという概念を確証づけるものってのははっきりいってどの予想本を探しても「ない」んだよ。今でも。予想屋だって正直「困っている」はず。だから私は3着は全流しするしかないね。

3着っていう着順は1着を目指していた選手が取りこぼしたケースもあれば、およそ1着はムリだが着を拾うならば、という考えの選手が取る着順。2着だと1着を「取りこぼした」ケースがほとんど。

となると3連単は連単の3倍どころか、さらに難しい賭式というわけ。

激怒した?鈴木さんは、

「最終日こそ賞金額を思い切って上げるべき!」

と締めているけど、私はそうは思わないね。というか、売り上げが毎年下がっているというのに賞金だけを最後上げてしまったら施行者はますます四苦八苦してしまうよ。

この日の太閤賞の一般レース、つまり「負け戦」(競輪では普通に言われる言葉だけど、競艇では言われないね)の賞金体系はこうなっている。

1着・・・16万円

2着・・・12万円

3着・・・ 9万円

4着・・・ 7万円

5着・・・ 6万円

6着・・・ 5万円

全部あわせたら55万円になる。これが「肝心」。

別に賞金総額を増やさなくとも、55万円の範囲内でこうできるんではないか。

1着・・・32万円

2着・・・11万円

3着・・・ 6万円

4着・・・ 3万円

5着・・・ 2万円

6着・・・ 1万円

別に客側からすればこのような形でも驚かないだろ。もっといえば総額で55万円も出すのは多すぎると感じるだろ。そうすると1着は30万円、2着は10万円でいいんじゃないの?ともいえるわけ。

だいたい1着とっても16万円しかならず、6着でも5万円あるだなんて、そりゃ負け戦でモチベーションが上がらない選手にしてみればとにかく

「無事故完走」

でいいわ、と思うわな。

でも競艇は客にカネを賭けてもらってなんぼの世界なんだろ。だったら客の意向に沿う形の賞金体形作りをするのが当たり前。

競輪でもA級の最下位レベルのレースでこれと似たような賞金体形となっているけど、ダメだって。優勝劣敗をはっきりさせないと。

そうしないと客は選手に舐められるだけ。

コメント (6)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大量落車WEEKLY Vol.8

2006-03-30 21:19:59 | 競輪

♪今日もどこかで大量落車、今日もどこかで、大量落車!♪

今週も盛りだくさんでお送りします。

3月26日、立川G1・日本選手権競輪決勝。

第11レース(S級決勝) 2425m(6周)先頭固定競走 曇: 風速 2.0m

2枠複   3=5     720円 ( 3)
2車複   3=7   1,160円 ( 4)
3連複 1=3=7   2,100円 ( 4)
ワイド   3=7     420円 ( 3)
     1=3     350円 ( 1)
     1=7     680円 (10)
2枠単   3-5     960円 ( 3)
2車単   3-7   1,480円 ( 3)
3連単 3-7-1   6,400円 ( 7)

1 3 吉岡  稔真 35 福岡 65 S1 11.7 逃げ HB
2 7 有坂  直樹 36 秋田 64 S1 1  車輪 11.2 差し
3 1 加藤  慎平 27 岐阜 81 S1 1  車輪 11.4
4 2 後閑  信一 35 群馬 65 S1 1/2車身 11.7
5 6 藤原  憲征 26 新潟 85 S1 7  車身 11.8
6 8 阿部  康雄 38 新潟 68 S1 落再入
7 4 稲村  成浩 34 群馬 69 S1 落再入
8 5 山口  富生 36 岐阜 68 S1 落再入
9 9 小倉  竜二 29 徳島 77 S1 落再入

mms://wm6.digi-c.com/kishiwada/h060326_11.wmv

3月27日

久留米6レース。

1名失格。5名落車。ちなみにこのレースは4が欠場して8車立て。動画はなし。

http://www.dataplaza.keirininfo.or.jp/contents/kdphri.Kka1?KCD=36&KBI=20060330&RNO=11

3月29日

小田原1レース。

1名失格、3名落車。動画なし。


http://www.dataplaza.keirininfo.or.jp/contents/kdphri.Kka1?KCD=36&KBI=20060329&RNO=01

小田原8レース。

1名失格、3名落車。動画なし。

http://www.dataplaza.keirininfo.or.jp/contents/kdphri.Kka1?KCD=36&KBI=20060329&RNO=08

奈良10レース。

1名車体故障、3名落車。

mms://218.219.81.19/naradigest/06032910.wmv

http://www.dataplaza.keirininfo.or.jp/contents/kdphri.Kka1?KCD=53&KBI=20060329&RNO=10

3月30日

玉野5レース。

1名失格、3名落車。動画なし。

http://www.dataplaza.keirininfo.or.jp/contents/kdphri.Kka1?KCD=61&KBI=20060330&RNO=05

 

日本選手権競輪で大量落車は一件だけだったのに、それが終わるや大量落車のオンパレード!

何やってんだ?

それと大量落車があると、競技会だってメンバーを組むのが大変なんだって。

最終日の場合、前半レースなんて6車立てとか、全レースの半分以上が8車立て以下だったケースも。

大量落車はもちろん、ダブル失格以上の失格も当然許されまい。でも。

♪今日もやっぱり大量落車、今日もやっぱり、大量落車!♪

またお会いしましょう!


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

信夫大丈夫か?

2006-03-29 18:01:34 | オートレース

29日、浜松オート優勝戦に出場した伊藤信夫だが、前を行く松尾啓史の落車に乗り上げて落車。

2ちゃんねる情報によれば

『左足が太ももの辺りから折れ曲がってた』

そう。

やばいね、それ。

そしてこの優勝戦はレース不成立となった。

携帯メルマガを編集している最中に、

「不成立」

という文字が出たので恐らくその後オイル漏れか何か出たためにレース続行不能となったんだろうけど、不成立の場合はオフィシャルではオンデマンド中継してくれないんだな。

しかし、不成立だからこそオンデマンド中継して欲しいんだよな。

レースが終わったあと、パーソナリティは伊藤の話を一切出さないままで、しかも淡々と放送終了まで進行していた(4月からのパーソナリティラインアップ紹介なんてどうでもいい)わけだが、ダメだって。放送終了時間までそのことを伝えないと。

競輪の大量落車についてなぜ毎回取り上げ、そしてオンデマンドのあるところは動画のURLを紹介しているかというと、なぜそうなったのか?ということを客が一番知りたがっていると思うからだ。

不成立だから、全額払い戻すからそれでいいというものではない。形は違えど、74年の「園田事件」はレース不成立とコールされて大暴動になっただろ。

そして一番肝心なのは伊藤の容態。

それが一番気にかかる・・・

追伸

2ちゃんねる情報によれば伊藤選手は救急病院に搬送され、ICUで経過を見ているが、意識が戻ってない状態なんだとか。

だったら相当「ヤバイ」だろ。

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

骨抜き

2006-03-29 06:22:12 | 競馬

ハーツクライがほぼキングジョージへのチャレンジを決めた。しかしそこで問題が。

春の国内G1には出走「できない」ことになった。

つまり、検疫期間が丁度国内G1開催時期と重なるということだな。

ますます海外遠征化が進む競馬界であるが、番組がそれに対応できていない側面が見られる。

もし春の天皇賞が4月30日ではなくて2週遅い5月14日だったら十分出走可能だし、宝塚記念が6月25日ではなくて6月11日ならば出走できるというわけだな。

常々思うんだが、秋の古馬中長距離G1戦線は3レースあるのに、春のそれは2レースしかない。

そして、客が最も注目するレースというのは古馬中長距離G1レースだろ。

10年前、ナリタブライアンが春の天皇賞の後、1200Mの高松宮記念に出走せざるを得なくなったことで大問題となったが、いまだもってそうした日程問題は解消されていないね。

それと前々から言っているように春の天皇賞は2400Mに短縮せざるを得ないはず。

高松宮記念を元の2000Mに戻し、さらにいえば今は京都→中京→阪神という開催になっているが、これもまた昔のように京都→阪神→中京にして、各々その開催で古馬中長距離G1レースを設ければいいんじゃないか。

ということは、春の京都の最終日に春の天皇賞、初夏の阪神の最終日に宝塚記念、そして夏の中京最終日に高松宮記念。

宝塚記念に3歳馬出走機会を与えるという意味から今の開催時期としているがほとんど出走する馬はいない。つまりこれもいまだ「形骸化」。2200Mという距離が微妙に長いし、もし3歳馬を出走させたかったら2000Mのほうが出やすいだろう。

私自身は今の番組体制の骨格となった2000年の番組大改革には仰天したね。何でこんな日程に組み替えたんだろうか?と。

そして今も続く番組体制となって以来毎年売り上げは落ち続け、2000年番組改革前には4兆円あったものが、昨年には2兆8000億円台にまで落ち、2兆5000億円よりも下となると、「赤字」になるとか。

2兆5000億円もの売り上げがあって「赤字」転落となるなんて凡そ民間企業では考えられないことだが、その話はさておき、つまり、JRAが「大失敗」としか考えられない2000年体制をいつまで続けるのか?ということ。ひいては矛盾、不合理なことが起こっている。

皆さんもJRAの番組大改革をそろそろ考えてみませんか。

コメント (5)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

続 天才・福永洋一メモリアル

2006-03-28 00:00:16 | 現場レポート

さて25日、Aシート指定席に入ることになる私は、この日は寝坊などすることなく1レース前には入場。すると・・・

あるオッサンが競馬場関係者相手に何かわめき散らしている。

「何わめいているんだ、バカヤロー!」

と私がそのオッサンに「聞こえないように(とはいっても結構大きな声ではあったが)」言うと入場口でキップを切っていた「ねぇちゃん」が、なぜか私の肩に手をやり、

「ええ、ああやって30分ぐらいやってますよ。」

と答えた。

そのねぇちゃん、「怖かった」んか?というよりも半分、面白がっていたけど。笑いながら言ってたし。

「ねぇねぇ、聞いて!」

ぐらいの気持ちだったのか?でも中央競馬でこんな光景は珍しいね。これが甲子園競輪場だったらしょっちゅうの光景であったが・・・

4階A指定席すぐ横の「ミュンヘン(園田にも確かあったな)」では、モーニングサービスとしてカレー類+コーヒーが800円~900円ぐらいだったのでそれを食することに。すると。

阪神1レースに登場する馬で、「おかしな」名前の馬がいたぞ。「オダギラー」の馬じゃない。

以前、「シゲル証券」とかいって、馬の名前に株用語ばかりつけていた話をしたことがあるが、なんと2頭も登場。

しかもそのうちの一頭、「シゲルユウボウカブ(有望株)」は単勝2番人気。

というわけで、当然?遊び半分ながらも、シゲルユウボウカブについては単・複500円ずつ。そしてもう一頭の「シゲルシテカブ(仕手株)」は複勝100円、計1100円を買ったわけだが、これがなんと「当たった!」

ユウボウカブのほうは2番手で競馬を進めたが、4角に入って先頭。また、シテカブのほうは3~4角へ向けて一気に外から突っ込んできた。

「まさか、シゲルのワンツーか?」

という手ごたえだったが、ユウボウカブは直線に入っても全くスピードが衰えず快勝。一方シテカブのほうは「売りのタイミング」に失敗?して結局は5着だった。でも。

(単勝410円x5=2050円)+(複勝150円x5=750円)=2800円

をせしめることに。1700円のプラスだぜ!

もう今日は「やぁ~めた!」

でもシゲル株シリーズでこんなにうまくいくとは思いもしなかった・・・

というわけで馬券はここで終了し、あとはただ見ているだけ。

そんな中、昼休みに「ターフィーグッズ」コーナーへ行った。

以前、そこのポイントカードをもらい、10ポイント中4ポイント溜まっていたので、残り6ポイント分埋めようとしたわけ。となると12000円分買わないといけない。

でもそれぐらい買う品物があった。

後日その件は話すが、廃止になった競馬場の巡礼記である「廃競馬場探訪記」なる本や、優駿4月号、それに作曲家の宮川泰さんがこの間なくなったが、その宮川さんが作曲した関西のレースのファンファーレが入ったCDなどなど買うと、たちまちポイントは満杯となった。その代わりとして500円券の商品券を2枚くれた。

でも、有効期限が今年の暮れまでとあった。阪神は第二回の開催が終わると馬場拡張工事に入り、例年行われている6~7月、9月の開催はない。となると、商品券もその場で使い切らないとダメだと思ったね。

すると、いいものがあった。

20世紀の名勝負100

というDVD。5本シリーズであった。

以前一本3990円で発売していたものであるが、再販価格期限が過ぎたので、2500円に「プライスダウン」して発売していた。実は3本までは既に購入済みだったので、残り2本を買うことに。それで商品券も使い切った。

都合グッズだけで15000円以上使ったことに。ま、馬券をその分「買わずに」済んだからそれだけ買えたのかも。

さてメインは、「天才メモリアル」毎日杯。

1番人気は、息子・祐一のアドマイヤメイン

ちなみに祐一は2004年・キングカメハメハで一回優勝経験がある。また親父・洋一もまた1972年・ユーモンドで同レース制覇を飾っている。

それにしてもこの毎日杯、今年で53回目であるが、距離は一貫して第一回から2000メートル。距離変更がない重賞というのは極めて珍しく、しかも開催時期が皐月賞トライアルレースが全て終わった後に行われるようになってから後の「超大物」が勝つケースが多くなっている。

例を挙げると1988年・オグリキャップ、1999年・テイエムオペラオー、2001年・クロフネ、そして04年のキングカメハメハ

ちなみにキングカメハメハはその年の日本ダービー馬。でもそのときは祐一ではなく、「アンカツ」騎乗だったけど。

というわけで、大物出現度合いが高いこの毎日杯であるが、アドマイヤメインはスタートからハナに立つと最後までスピードが衰えず、そのまま2着争いを尻目に堂々逃げきった。どうやら皐月賞へ出走するみたい。

そして祐一は洋一を「上回る」毎日杯2勝目を挙げたが、アドマイヤメインには「本番」では乗らない。となると、キングカメハメハの記憶がよぎってくるが・・・

ま、祐一とすればこの毎日杯というレースは常に親父の脳裏がよぎるレースだろうね。そして、絶対に今後も「勝たねばならない」レース。

伝統の毎日杯。今後も「天才・福永洋一メモリアルレース」として更なる伝統を受け継いでいくことだろう。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ばんえい記念回顧

2006-03-27 11:19:42 | 大レース回顧集

              (写真はYahoo北海道ニュースより)

2005~2006年シーズンの大決算。第38回ばんえい記念が26日、帯広競馬場で行われた。

注目は何と言っても同レース4連覇をかける、「Mr.ばんえい競馬」、王者・スーパーペガサス。今シーズンは4大タイトル戦の旭王冠賞ばんえいグランプリは勝ったものの、岩見沢記念でアンローズに惨敗してから脚の故障に悩まされ、漸く復帰したのは今年2月の然別賞から。

しかしそこでも結果が出ず、さすがに今年はピンチと思われた。だがやっぱり1トンの重量を背負う最重量戦では経験が違うという評価をなされたのか、1番人気に今年も支持された。

2番人気はばんえい記念2年連続2着のミサキスーパー。しかも過去2年はいずれも第二障害ではペガサスに先んじて障害を越えながらも終盤逆転を許すという悔しい敗戦を喫していた。

今シーズンはこのばんえい記念直前になって調子を上げ、今度こその期待。

3番人気は帯広記念を勝っているミサイルテンリュウだった。

さすがに1トンの重量を牽くということもあり、第一障害の時点で早くも駆け引きが。

最初にミサイルテンリュウが第一障害を越え、ペガサス、ミサキはそのあとぐらいに越えていった。

そして第二障害。ミサイルが先にその手前で止め、ペガサス、ミサキと順番に止めて、全10頭が揃って駆け引き合戦。そしてここからが「本当の勝負」。

すると、ペガサスが最初に障害を越える。しかし他の9頭は金縛りにあったかのように全然対応できない。

ペガサスはどんどん歩みを進め、第二障害~ゴールまでの半ばの時点をさしかかったたりで漸くミサキスーパーが障害を越えて追撃体勢にかかるもペガサスは今年は余裕の1着。ついに自身の連覇記録を上回る4連覇を果たした。2着は3年連続でミサキスーパー。3着はミサイルテンリュウをゴール前交わしたヨコハマボーイだった。

どちらかというと、攻めが遅いタイプのスーパーペガサスだが、今年は他の9頭を完全にKOした形。

年齢も既に10歳を迎え、ズブさも増して今や800キロあたりの重量戦でも対応できない側面も感じられるようになったが、やはり最重量戦では格が違った。

しかしこのレースは、藤野俊一騎手の好騎乗も光った。まさにドンピシャのタイミングで第二障害を通過。そしてそのまま栄光のゴールへと突っ走った。

この年齢なだけにそろそろ引退の声も囁かれるが、恐らく今後4連覇するような馬は出て来ないだろう。まさに快挙!おめでとう!

ミサキスーパーはまたしても2着だったが、今年のレースほど悔しい敗戦はあるまい。

序盤はペガサスの動きを見ながら競馬を進め、第二障害に到達するまではほぼ計算どおりだったはず。

力では絶対にペガサスに勝てたはず、と思われただけにやっぱり王者にはかなわなかったということか。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

高松宮記念回顧

2006-03-27 09:23:33 | 大レース回顧集

第36回高松宮記念は快晴の中京競馬場で行われた。

今年は傑出した馬が不在で、昨年暮れの当地で開催されたCBC賞を勝っている、9・シンボリグランが1番人気となったが、昨年G1を2勝している牝馬の14・ラインクラフトが直前になって漸く出走を決めたというのに2番人気。3番人気も牝馬の13・シーイズトウショウ、4番人気がマイル以下のレースで好走を演じていた11・オレハマッテルゼだった。

12・ギャラントアローが予想通り飛ばし、18・コパノフウジン、3・プリサイスマシーン、シーイズトウショウが前へ続く展開。オレハマッテルゼがさらにその後ろに取り付いてインコースを走り、その外側にはラインクラフト。6・ネイティブハートは中団よりやや後ろ、そして、シンボリグランは後方から3頭目だった。

ギャラントが直線を向いても快調に飛ばしていたが、馬場の真ん中よりも少し内側へ入ったあたりからオレハマッテルゼが鋭く伸びてきて一気に前団を捕え先頭。これにラインクラフトが迫ってきたがわずかに届かず。

オレハマッテルゼはなんと6歳、デビュー26戦目で初のG1&重賞勝ち。また管理する音無秀孝調教師はG1 66回目の挑戦でこれまたG1初優勝を成し遂げた。

デビューが3歳の5月25日の中京という遅い時期だったオレハマッテルゼ。ちなみに馬名は石原裕次郎が主演して話題を呼んだ「俺は待ってるぜ」から取ったもの。

オープン入りを果たしたのも昨年5月と遅く、まさに「たたき上げ」で来たような馬だった。ちなみにこの馬は2年前に行われたJRAの名馬の「メモリアルホースレース(ほとんど条件戦)」になんと4回も出走実績があった。

ということは、それだけ条件馬暮らしが長かったといえるわけだが、オープン入りしてからはほとんどトントン拍子で来たというから「面白い」。

昨年の京王杯スプリングステークスで、後に安田記念も勝つアサクサデンエンの2着に食い込み、今年に入ってからは金杯で1番人気(9着)となったり、東京新聞杯で2着、阪急杯で3着など、重賞制覇にあと一歩のところまでこぎつけていた。

今回は重賞勝ちさえない身ながらも4番人気にまで支持されたわけだが、状態は好調を維持しており、ひょっとすると、という期待は確かにあった。

レースでは序盤に5番手あたりのインコースをピッタリと通ると、馬場の一番いいところを抜けてきて一気に先頭に踊り出てそのまま押し切った。初の重賞勝ちが見事G1制覇となったわけだ。

この馬はマイルもこなせるので、このあと行われる安田記念も十分にチャンスはある。しかしながら、これだけ「たたき上げ」の馬でいきなりの重賞勝ちがG1勝利というのも珍しい。サンデーサイレンス産駒としても珍しいタイプの馬であり、逆に今後が楽しみな一頭なのかも。

ラインクラフトは今月に放牧から帰ってきたということで、状態そのものは急仕上げ的な面は否めなかったが、潜在能力の高さを生かして初の1200Mでももうちょっとのところまで優勝馬を追いつめたのは評価できよう。このあとは初代女王を目指して5月のヴィクトリアマイルだそうで、ここではかなり人気を集めよう。

シーイズトウショウもよく追いつめたが3着どまり。シンボリグランは前々勝負の形となっては本領発揮できなかった。

コメント (6)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日本選手権競輪回顧

2006-03-27 04:52:22 | 大レース回顧集

             (写真はスポニチアネックスより)

伝統と格式を誇る日本選手権競輪。59回目となる今大会で偉大な記録が誕生した。

決勝は9・小倉竜二が前を取り、3・吉岡稔真を前に入れ、吉岡-小倉、7・有坂直樹、1・加藤慎平-5・山口富生、2・後閑信一、6・藤原憲征-8・阿部康雄、4・稲村成浩という単騎勝負の選手が多い展開。そしてメンバー中逃げる可能性があるのは吉岡だけ。

残りあと3周前で後閑以下の選手たちが上昇し、後閑は小倉の横へぴったりと併走。すると小倉は一旦車を後方へ引き、残りあと2周で再び吉岡後位を巡って併走。

残りあと1周で稲村も吉岡の後ろを巡って上昇してなんと3車が雁行状態に。それを見てから吉岡は最終1センターで漸く踏み出しにかかり、ペースが急に上がったことから小倉がバランスを崩して落車。すると稲村、さらには山口、阿部も相次いで落車するハプニングが。

最終バックでは吉岡先頭、2番手後閑。そして落車を避けた加藤、有坂が追走し、直線に向いて加藤が内を突いて上がるも後閑とやりあう形となって突っ込めない。吉岡は最後までスピードが衰えず、堂々逃げ切って同大会史上初の4回目の優勝。2着には外を強襲した有坂が入った。

http://www.dataplaza.keirininfo.or.jp/contents/kdphri.Kka1?KCD=28&KBI=20060326&RNO=11

1999年の大垣・全日本選抜以来約7年ぶりの特別競輪(G1)優勝を果たした吉岡。

「最後のタイトル」を奪った翌2000年に落車して普通の選手ならば大怪我で長期休養を余儀なくされるはずのところ、休むことによってトップクラスの座から転落することを懸念して休養もほどほどに走り続けた。

しかし一方で、怪我の影響からか吉岡本来の動きが全く見られなくなり、さらに「ただ走っているだけ」の状態に批判的な目が向けられたこともあった。

だが、怪我の影響がほとんど消えた2003年の日本選手権決勝あたりから復活の様相が見られ、その年の広島・共同通信社杯では見事優勝。そしてこの調子ならばG1タイトルもそう遠くないうちに成就できるのではないか、と考えられたが、なかなかそこまで到達するまでには時間がかかった。

昨年の京王閣記念で、4日間制G3としては初の優勝を果たしたあたりから、吉岡の本当の意味での復活劇のお膳立てはできていたのかもしれない。今年の競輪祭も決勝に駒を進め、直前の玉野記念では決勝以外の3戦は完璧なレース運びで勝利した。

今シリーズではめったにやらなくなった先行勝負をゴールデンレーサー賞で見せた吉岡。得意は今でも「いつもの8番手」からの捲り勝負だと思うが、 なんと決勝でも同じく先行勝負を強いられた。

しかし他8名が先行しないことを頭においた絶妙な踏み出しで最後までしっかりと走り切っていた。絶好の展開となった後閑、それに加藤も吉岡の横まで。抜ききるところまでには至らなかった。

この優勝で日本選手権競輪は92・前橋、96・千葉、98・西武園に続く4回目の優勝となったが同時に、横田隆雄、滝澤正光と並んでいた同大会3回優勝のタイ記録を破る大記録を成就した。恐らくこの記録はそうそう破られる記録ではあるまい。

決定放送で

「優勝!吉岡稔真!」

とのコールが上がると場内のファンから大声援。そして吉岡本人も表彰式前から感涙にむせび、またその涙をみた大勢のファンが「もらい泣き」した。

これだけファンを魅了・感動させてくれる選手もまた、60年にならんとする競輪の歴史の中であまり記憶がない。まだまだ低迷極める競輪界を牽引していってもらいたい吉岡稔真。

今回の総括は吉岡の優勝だけに尽きるのではなかろうか。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

早くSGでも活躍を

2006-03-26 10:33:11 | オートレース

SGの谷間の開催となった船橋のシリーズ(22~25日)で青木治親が完全優勝。

(オートレースオフィシャルWebより)

12R優勝戦          3100M
着順 枠番 選手名 HG 呼  名 ハンデ 試走タイム 競走タイム ST スタート
1 4 青木 治親    ドゥーズ    0 3.36 3.439 06       
2 6 長谷 晴久    ミユ2     20 3.33 3.420 14       
3 7 五所  淳    ジョーブラック 20 3.34 3.433 03       
4 5 千葉 泰将    ドラグーン   20 3.35 3.436 08       
5 1 牧野 貴博    シェリフ    30 3.35 3.428 08       
6 3 白川 秀行    カカロットA  10 3.37 3.463 11       
7 2 栗原 勝測    プレイバック  10 3.34 3.466 04       
8 8 荒川 哲也    アリダー2   20 3.35 3.465 14       

漸く2度目の優勝を果たした元125CC世界年間王者だが、スタートから堂々押し切ったね。

ちょっと外を回りすぎなような気もするんだが、逆にコーナーの入り方は鋭角走法となるので、他の選手はなかなか突っ込みにくい。

でも、こうした走りがこれまでなかなかできてなかったんだよな。

前回優勝したのは飯塚の29期新人王戦で、このときは圧勝だった。今回は、こちらはいまだ優勝がない浜松の長谷の猛追を受けたわけだが、何とか退けた格好。でも、川口勢としては船橋で優勝することなんて一般戦でさえなかなかお目にかかれないし、ましてや地元では外来勢にやられっぱなしだからとにかく今回の優勝は素直に喜びたいところ。

ところで、そろそろ青木もSG戦線で大暴れして欲しい気がするね。SGは過去何回か出ていたし、来月のオールスター(船橋)も出るんだけど、ドカンと優出ぐらいはやって欲しいところ。

ま、今年も8耐の話が出るのかもしれないが、「本業」でも大暴れしてくれ。

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドバイ国際レース回顧

2006-03-26 03:13:44 | 大レース回顧集

                (写真はスポニチアネックス)

注目のワールドカップ。

カネヒキリはスタートの出はよく、エレクトロキューショ二ストは逆にカネヒキリをマークする形となっておっつけどおし。カネヒキリの前にはブラスハット。

直線に入ると他馬はおっつけているのに、カネヒキリはまだ持ったまま。これはかなりいける展開と思われたが・・・

ナドアルシバ競馬場は意外と内が深いのか?それとも直線手前からおっつけていかないとダメなのか?カネヒキリは直線に入るとサッパリ。そして逆に苦しいと見られたエレクトロキューショ二ストは先に先頭に立ったブラスハットをヒタヒタと追いつめ、ついには交わしてしまった。

カネヒキリは5着。スターキングマンは7着の模様。

http://horses.sportinglife.com/Full_Results/0,12493,194743,00.html

やはりスピード&パワーがことの他要求される馬場だったナドアルシバ。それと砂質も日本とは違っている。

そう考えると、日本では直線半ばからでも勝負できたはずのカネヒキリの走り方ではワールドカップは通用しないということがいえるのかも。

デューティフリーに出走したハットトリック。当然、優勝の期待も高まったが全くいいところなくデイビッドジュニアの12着と惨敗。これも一体どうしたことか?

http://horses.sportinglife.com/Full_Results/0,12493,194742,00.html

逆にシーマクラシックのハーツクライはなんとスタートから先頭に立ち、まさに欧州で常時G1レースを戦っているかのような絶妙のペース配分でルメールが御し、直線半ばでもまだ追い出さないという余裕の競馬。最後は全く他馬を寄せ付けず、見事国際G1制覇を成し遂げた。

http://horses.sportinglife.com/Full_Results/0,12493,194741,00.html

やはりあのディープインパクトを打ち破ったことが大きな自信に繋がっているみたい。追い込み一辺倒で「ジリ脚ハーツ」などと言われた頃のハーツクライとは全く違う競馬ができている。

このあとのローテーションが注目されるが、天皇賞出走はちょっと微妙か?ならばキングジョージにそのまま向かわせても面白い。ディープインパクトもハーツクライの今回の競馬を十分見習う必要あり。というか、最大の強敵は「やっぱり」ハーツクライなのかも。

ゴールデンシャヒーンのアグネスジェダイは途中追い上げたものの6着。やはりここのメンバーでは力が違いすぎた模様。

http://horses.sportinglife.com/Full_Results/0,12493,194740,00.html

さてG2のUAEダービー。日本から2頭が出走。とりわけフラムドパシオンに期待が集ったが直線での追い較べで少々劣った。ガブリンはよく逃げたが、力尽きた格好か。

http://horses.sportinglife.com/Full_Results/0,12493,194739,00.html

G2ゴドルフィンマイルでいきなり日本勢の快哉が。

スタートから絶妙な逃げを見せたユートピアが他馬に「おいで、おいで」するかのような余裕の競馬。直線に入っても全く動じることなくほとんど圧勝の状態で優勝した。

もともと日本ではこの馬しかいないと見られたダートマイルのスペシャリストで、G1 4勝のうち3勝がマイル。直前のフェブラリーSでもマイル巧者ぶりを発揮して3着に入っており、その調子の良さをこのドバイでも見せ付けた格好だ。

http://horses.sportinglife.com/Full_Results/0,12493,194738,00.html

G1・G2含めて2勝を挙げた日本勢。その2勝はいずれも橋口弘次郎厩舎で、逆に大きな期待が寄せられた角居勝彦厩舎勢はいいところなく敗れ去った格好。そのあたりも明暗が分かれた今年のドバイ国際レースであった。

コメント (6)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

天才・福永洋一メモリアル

2006-03-26 00:10:30 | 競馬

1月に「テンポイントメモリアル」と称して日経新春杯の日に京都競馬場へと行ったわけだが、その「第二弾」というわけではないが、今回はあの天才・福永洋一の騎手生命が絶たれたレースである「毎日杯」当日に阪神競馬場へと行くことにした。

1979年3月4日。

この日の福永は絶好調で、毎日杯のレースが始まるまでに1日5勝を挙げていた。ちなみにこの当時、中央競馬で1日5勝は最多勝利のタイ記録であった。

丁度毎日放送ラジオの競馬中継を聞いていた私の親父が、

「洋一また勝ったんか!こりゃ毎日杯も人気はなさそうやけど、2着には来る可能性があるから抑えとかんとアカンな。」

と言っているのを思い出す。

毎日杯で騎乗することになった牝馬のマリージョーイは現在調教師である山内研二が騎乗して新馬・400万円特別と連勝し、3戦目で洋一に乗り替わったが、そのレースで不良馬場に泣かされ大敗。本来ならばそのレースを勝って桜花賞への出走権を確実にしておきたいところであったがそれができなくなったことで急遽、この毎日杯への出走をすることとなった。

しかし毎日杯といえば当時は弥生賞と同じ日に開催されていた。つまり、関西馬がクラシック戦線に乗るための東上最終便のレースであり、このあとスプリングステークスを挟んで皐月賞へと進むパターン。つまり、関西牡馬の有力どころがこの毎日杯に集結していたわけである。

1番人気は後の宝塚記念馬・テルテンリュウ、2番人気は後の菊花賞馬・ハシハーミット、3番人気はネーハイジェット。

この年の関西3歳馬としては、カツラノハイセイコが日本ダービーを後に勝つことになるが、そのカツラノハイセイコ以外の関西の有力どころが揃って出走していた。

となると、条件馬に加え、牝馬であるマリージョーイは相当に苦戦が予想されたが、洋一人気が手伝ってなんと13頭中、6番人気にまで支持されていたのである。

しかしこのレース、マリージョーイは後方のまま追走が手一杯の状況。ま、洋一のことだから何とか着順を拾うレースを見せてくれるものと思っていたが、その矢先・・・

直線入り口でマリージョーイのひとつ前にいた斎藤博美騎乗のハクヨーカツヒデが落馬。それに乗り上げる格好でマリージョーイも落ちた。すると。

普通の騎手ならば、落馬の際の対処法とは、馬が落ちた方向とは反対方向に「落ちよう」とするものらしいのだが、反射神経が並外れてよかった洋一はなんと馬が落ちる方向へとそのまま「落ちた」。

すると、馬に振り落とされるかのような形となるもんだから、馬場へたたきつけられる「エネルギー」はかなりのものとなり、洋一は全く起き上がれないまま救急車へと運び込まれた。

その後はご存知の方も大勢いることだろう。

「えっ!洋一どないしたんや!」

「洋一アカンのか?」

辛くも命は取り留めたが・・・

「何や!テンポイントに続いて洋一までも!」

「もう競馬すること自体イヤになった。でも洋一は大丈夫なんやろ!洋一が出てきたらまたやることにするわ。それまで競馬なんかやりたくもない!」

と親父の顔はかなり引きつっていたね。一時は競馬をやめることまで検討したとか。

ま、親父はその後もやるわけだが、実のところ、洋一のこの件があってから、競馬をやめたファンは少なくなかったんだとか。

「洋一はどんな悪い馬でも2着には必ず持ってきよる。洋一が乗ってアカン馬はもう「どうしようもない」んや。武邦はそんなことようせん。それどころか、ええ馬乗って3着や!」

「だから洋一が「おらん」ようになると競馬がおもろないんや。洋一がおらんかったら競馬やめたいわ。」

私の親父以外にも恐らくそうした思いのファンは少なくなかったんだろう。何せ、あの武豊でさえいまだやってのけていない、JRA2年連続連対率4割以上を洋一は果たしていたわけだから。

また、洋一は前述したカツラノハイセイコにも騎乗していた。恐らく、カツラノハイセイコがクラシック戦線に乗っていたら洋一鞍上で戦っていたことだろう。

そして私が競馬への興味を持ったのは、丁度洋一の落馬事故以後。つまり、洋一がいなくなった後に丁度あたり、洋一の現役時代というのは一切しらない。ま、当時小学校3年生だったから「仕方ない」けどね。

でも、事あるごとに親父から、福永洋一がいかに素晴らしい騎手であり、さらに「救いの神」であったことを懇々と説かれていたことを思い出す。もし競馬をやるのならば、福永洋一を知らずして語れないということを。

そういう意味で、この「毎日杯」というレースは、日経新春杯と並んで毎年その惨劇が思い出されるレース。いや、もう思い出したくない、というオールドファンもいるかもしれないね。

そして親父は後に「天才」の名をほしいままにする武豊と比較する際、

「そりゃ武邦の息子はよう勝ちよるけど、ええ馬ばっかり乗っとるやろ。洋一はそうやないんや!カスみたいな馬ばっかりなんや!エリモジョージとか。ま、親父(武邦)よりははるかにええ騎手やけど、洋一とは次元が違うな。」

と常々語っていたね。

したがって洋一の息子・祐一の存在を知るや、

「洋一には息子がおるんや!当然騎手になるやろ!それまで待ってるんや!息子が出てきたら、武邦の息子なんかイチコロやろ!」

そもそも、祐一がまだ騎手を選ぶかどうかさえ決めていない頃から、

「騎手になれ!洋一の息子!」

ってうるさかったからなぁ。

1992年、福永祐一はJRA騎手試験にチャレンジ。しかし中学校の体育の授業中に足を骨折したことが災いして適性試験に落第。

私が、

「祐一、アカンかったわ。もう騎手試験はアカンのちゃんうか?」

というと、

「何言うとるんや!祐一よりも上の年のやつがとおってるやないか!何べんでもとおるまで受験するやろ!」

すると、騎手試験に落第したため、仕方なく?近江兄弟社高校に進学した祐一は翌年の騎手試験を合格。高校を中退して競馬学校へ進んだ。

「みてみい!おい祐一!早く騎手になって出て来い!クソ武(豊)をやっつけたれ!」

確かに競馬学校騎手試験は合格した。だが祐一は、洋一と仲の良かった柴田政人厩舎に当初配属の希望を出していたらしい。となると祐一は関東の騎手?

「アホか!祐一は関西でないとあっかい!関西で乗れ!」

とうるさい私の親父。

すると?祐一は関係者の説得もあったんだろうか、関東配属希望を撤回して洋一の「兄弟子」にあたる北橋修二調教師に直談判して配属させてもらったらしい。というわけで、「関西」所属が確定した。

「親父が関西の騎手やのに、息子が関東なんてあっかい!それでええんや。ところで北橋ってどんな馬おるんや?当然、これからは北橋厩舎の馬も徹底マークや!」

そして1996年、福永祐一、中京競馬場でデビュー。すると、デビュー2連勝を果たす。

さらに福永はデビュー当時、中京で騎乗する機会が多く、すると親父もそれに倣う形で、阪神が表の開催であるというのに、裏開催の中京のレースばかり買うようになった。すると、親父はその中京で「当たる、当たる・・・」。一時期、「中京の鬼」と称していたほど。でも親父は中京競馬場には一回も行ったことはなかった。

しかし、祐一は今やG1勝ちを量産状態であるが、私の親父はその活躍を見る前に亡くなった。でも福永祐一は確かに私も武豊以上に「マーク」しているね。

そんな祐一、今年の毎日杯では大本命馬に騎乗していた。確かに「負けられない」わな・・・

コメント (8)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最後は決めるか?

2006-03-25 06:18:22 | 競馬

ばんえい競馬2005~2006年シーズン最大の大一番・ばんえい記念が26日、帯広競馬場で開催される。

注目はやはり王者・スーパーペガサスの同レース4連覇なるかだろう。

今シーズンのスーパーペガサスは4大タイトル戦の一つ、旭王冠賞を勝ち、セカンドグレードのばんえいグランプリも勝っているが、岩見沢記念では惨敗。その後も脚の故障に悩まされるなどして不振が続く。

今回はスーパーペガサスに有利な1トンのソリを牽く最重量戦ではあるが、近走の成績から見るとちょっとしんどいかもしれない。

2年続けてスーパーペガサスに終盤逆転を許して2着に終わっているミサキスーパーは逆に今年に入って調子を上げてきており、馬の状態からすると今回はこちらのほうが上。3度目の正直で悲願のビッグタイトル制覇を期す。

今年の帯広記念で初のビッグタイトルを獲得したミサイルテンリュウも好調。ばんえい記念は初のチャレンジだが、いきなり優勝してもおかしくあるまい。

岩見沢記念を連覇した牝馬のアンローズだが、その後が不振。また、牝馬なだけに1トンの最重量戦は厳しいかもしれない。

しかし、今年はスーパーペガサス絶対とは言いがたい。王者交替の可能性十分あり。注目したい。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

優勝しろ!

2006-03-24 00:00:59 | 競輪

静岡記念で肩鎖靭帯を断裂。本来ならば出場もままならないはずの武田豊樹が今回出場せざるを得なかったのは・・・

TOOL4より

静岡記念で肩鎖靭帯を断裂した武田豊樹だけは暗い表情。それもその筈で小嶋敬二と予定していた競輪学校の合宿も小嶋の足手まといに成ってはと辞退する程深刻。そんな状態でどうして出走したかの理由は、6月高松宮杯そして7月寛仁親王牌の出走には決められた出走回数が必要との事。計算したら1走足りないそうです。

グランプリメンバーに与えられた特権、GⅠGⅡは全部出走のお墨付きはどうやら反故された模様。それもレース中の落車に依る怪我なのにどうして公傷にならないか不思議。この不条理な決め事に武田としては訴えたかったのかプロスポーツには堂々と宣言していたし、包み隠さず苦しい胸の内を明かして呉れました。高松宮杯には完調に仕上げる自信はありとの事。

何でもかんでも規約で縛ってしまうのはどうかと。世界選やオリンピックに出場して好成績を残せばすぐにでも特例が罷り通るのが競輪界、ならばグランプリレーサーはもっと優遇しても誰からも文句は言われないのでは。


T社長が言わんとすることもよく分かるんだが、競輪ってプロのスポーツなんだろ。

今シリーズ、もし私が専門紙の記者だったら毎回武田に◎をつけるよ。そしてすっ飛んだら、

「バカヤロー!何やってんだ!お前!!」

って徹底的になじるね。

そもそも、「手負い」の状態から優勝しているケースは少なくない。

ロサンゼルスオリンピックの柔道の山下泰裕。

2回戦で普通の人間ならば立つことさえ不可能な状態に追い込まれながらも、最後はどうだい!優勝しただろ。

山下はそんな状態のために、得意の内股など立ち技を封印。残り2試合は全て寝技に持っていって優勝した。

決勝でエジプトのラシュワンが山下の足を狙いに行かなかったことが美談として今も語り継がれているけど、仮にラシュワンが足を狙いに行ったとしても山下には歯が立たなかったんではないか。

得意の攻めができないのなら、違う攻めで相手を攻略する。そして、相手は足を狙いに当然行くだろうからそれを逆手に取って相手を攻略する。

山下のような超一流の柔道家だからこそできたともいえるんだろうが、爆弾を抱えた人間は案外それを乗り越えようという意識が高まり、結果としてうまくいくケースが少なくないということだ。

「感動した!」

で有名となった、横綱・貴乃花の最後の優勝だってそうだろ。あれだって、普通の人間ならばとっくに入院状態にもかかわらず、最後は優勝しただろ。結局ここでの怪我がたたって貴乃花はまもなく引退を余儀なくされたが、もう優勝するのはここしかない、という気持ちが貴乃花の精神に宿っていたからこその結果なんだろう。

競輪だって、中野浩一が常に怪我を克服しながらも世界選手権10連覇を果たしたケースがあるではないか。

私が中野の連覇をまもとに見たのは84年の8連覇のときからだけど、10連覇までの3年間、中野は常に直前で怪我をしていた。

84年。中野は高松宮杯決勝で山口健治の押圧により落車。鎖骨骨折のため全治2ヶ月の重傷を負った。

当時世界選は8月下旬の開催で、高松宮杯は6月初旬の開催だから、2ヶ月と診断されたら世界選出場さえ微妙なところだ。

しかし中野はその怪我を1ヶ月で完治の状態に持って行き、ついには世界選直前となる8月の小田原記念にも出場。ところがその小田原記念決勝でまたもや同じところを負傷。本来ならば、「アウト」なはず。

でも中野は出場して世界選では全て「ストレート勝ち」。

85年も年初に練習中に落車して日本選手権を欠場。そして10連覇目の86年。

高松宮杯直前を控えての練習中に落車。肋骨10本を折って全治3ヶ月と診断された。たまたまそのニュースがラジオで流れ、私もさすがに、

「9で終わりか・・・」

と思ったほど。

ところが中野はそれでは世界選に間に合わないということから、なんとリハビリとトレーニングを兼ねるという荒業に出て、なんと1ヶ月でほとんど競走可能の状態へと持っていった。しかも、8月に当時行われていた全日本選抜にも「出る」と表明。

ところがその直前練習中にまたもや落車。しかもまた同じところをいためた。

でも、その部分だからよかったといえたのかもしれない。全日本選抜は欠場したが、世界選手権は「当然」出場。そして・・・

この年から採用された200MFTTでは当時のプロ世界新記録を樹立。また1回戦から決勝までオールストレート勝ちを収めてついに10連覇を達成した。当然この10連覇は今でも「ギネスブック」に掲載されている大偉業。

そしてそのあと凄いと思ったのは、帰国してから中野は「普段どおり」にオールスター以後の競輪競走に出場していたこと。

柔道の山下もロス五輪で引退したのではなく、翌年の全日本柔道9連覇を果たしてその後引退したわけだが、「大偉業」を手負いの状態で達成したあとも、それを乗り越えてさらなる次の目標へまい進することができるというわけ。

無論、山下、貴乃花、中野は超一流選手だからこそできたともいえるわけなんだが、武田とてタイトルはいまだなくとも、既に競輪界の顔だろ。

だったらこの日本選手権こそ、

「優勝しかない」

と思わないとダメだろ。

こんなことを言うのは何だが、高松宮記念杯なんて今のところ、「どうでもいい」んだよ。まずは今行われている日本選手権で優勝しろ!

そして、それができるようなら、武田は真の競輪のトップ選手になれる。いや、なって欲しいんだよ。

制度云々の話は後ででもできることではないか。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大量落車WEEKLY Vol.7

2006-03-23 16:58:09 | 競輪

♪今日もどこかで大量落車、今日もどこかで、大量落車!♪

今週もおなじみ、競輪大量落車ウイークリーをお届けいたします。

3月17日

千葉9レース。

4名落車。動画なし。

http://www.dataplaza.keirininfo.or.jp/contents/kdphri.Kka1?KCD=32&KBI=20060317&RNO=09

花月園10レース。

4名落車(内、1名失格)。

http://www.dataplaza.keirininfo.or.jp/contents/kdphri.Kka1?KCD=33&KBI=20060317&RNO=10

http://meta.hitpops.jp/CP10001140/F_BB/f01d10r.asx


花月園の大量落車を誘発した6番だが、2番が完全に捲りきっている体勢にもかかわらず不必要な牽制行為をし、「戻ってきたところ」、後続をひっかけて落車させている。


3月19日

佐世保3レース

1名失格、4名落車。

http://www.dataplaza.keirininfo.or.jp/contents/kdphri.Kka1?KCD=85&KBI=20060319&RNO=03

http://www.keirin.city.sasebo.nagasaki.jp/movie/200603/sasebo19r03.wmv

3の後位を巡って1が追い上げマークで9と競りに行き、9の押し上げを1が払おうとしたところ完全に払いきれず9が落車。後続が乗り上げる形となった。


3日間を終えた日本選手権競輪。

しかしここまで大量落車レースは一切なく、競輪の「本当の」醍醐味である、力と力のせめぎあいで決着がついている。

やればできるんだろ!この調子で今後もやっていけ!

でも、

♪毎日どこかで大量落車、毎日どこかで、大量落車!♪

は今後もやっぱり続いていくんだろうね。


  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

追悼・ハートランドヒリュ

2006-03-23 12:18:38 | 競馬

「無事是名馬」として、一介の条件馬ながらも127戦をこなしたハートランドヒリュが22日、調教中に心臓麻痺で死亡した。

丁度私はこの馬がJRAのサラ最多出走記録を更新した11月13日のドンカスターカップを見たんだが、「安全運転」競馬に努め?まだまだ走れると思っていたし、このあとも4戦こなしていた。

http://blog.goo.ne.jp/yoroshiku109/e/c9ca9a2cd63a51577257a617c563720c

「勝てないくせに、さっさとやめればいいことを。」

という意見ももちろん出てこようし、間違ってはいないとは思うんだが、勝てないまでもここまで走らせる「英断」を下し続けた馬主や調教師の考え方もすごいし、また、サラブレッドは走るためだけに生きてきたんだから、走れるならば走らせるのがスジだとも思うしね。

でも、まさかだね。馬の健康状態はいたって普段と変わらなかったというし、こういった形で最期を迎えるというのはショックだね。

合掌。

ちなみに、ハートランドヒリュがもたらした生涯獲得賞金額は約1億3308万円。

1億円の競走馬だった。だったらなおさら「惜しい」ね・・・

コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする