ようこのかまど

おいしいからうれしくなるのかな、うれしいからおいしくなるのかな。

「①穀物―ムギ」 ~ぱんれぽNo.4~

2007年03月11日 | ぱんれぽ~高2夏休みの自由研究
ムギ
パンの原料となるものはムギ、トウモロコシ、ソバ、そのほかキビやアワなどの雑穀、というように地域によりさまざまだが、このうちパンの素材としてもっとも優れているのはムギ、その中でもグルテン質に富むコムギである。
ムギにはコムギのほかに、ライムギ、エンバク(オートムギ、カラスムギ)、オオムギの4種がある。
コムギとオオムギは野生種、栽培種ともに、パレスチナ、シリア、イラク、トルコ、イランなど西南アジアの多くの遺跡から出土している。こうした遺跡群の年代測定から、チグリス、ユーフラテス河流域からパレスチナを含む「肥沃な三日月地帯」で起源したムギは、紀元前8000年頃にはすでにこの一帯で栽培かが始まっていたことが明らかになっている。古代メソポタミア人はオオムギやコムギのカユとオオムギのビールが好物だったいう。(この地は、ムギ以外にも豊かな植物性食料に恵まれていたため、世界最古の農耕文化の発祥地となり、後にオリエント文明が発達することとなった。なぜこの地だったのか、ということについては諸説があるが、どこかへ移住することによっては解決できない、食料資源の転換を迫るような、自然環境の変化説がそのひとつにある。また、長い目で見ると農耕は植物の種類を簡単化し、生態系を単純化する欠点もあり、後にこの地方を砂漠化していったのも事実なのだ。これは現代への警告かもしれないと、私は思う。)
一方エンバク、ライムギは、もとはコムギ、オオムギの畑に混入していた雑草であった。(現在でもアフガニスタン山岳部にはコムギやオオムギ畑に雑草ライムギや雑草エンバクが混じっているそうだ。)こうした雑草は、コムギやオオムギと一緒に刈り取られ、また一緒に播かれもする。栽培ライムギの成立は、冬や夏の気候に耐えられる強いムギとして、小麦の代わりに選択されたことによるものだ。冷涼地、痩せ地にも強い。エンバクは、岩だらけの土地でも育つさらに強い性質を持っている。「肥沃な三日月地帯」の紀元前7000年紀の遺跡で検出されている。

こうして、約5000年かかって農耕社会は定着し、「肥沃な三日月地帯」で栽培化されたコムギ類はムギ農耕文化とそれに伴う経済・社会の仕組みと共に、世界へと普及していった。


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