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ようこのかまど

おいしいからうれしくなるのかな、うれしいからおいしくなるのかな。

500周年と15周年と自分で引き寄せたまだ見ぬ未来に

2017年10月31日 | Weblog
乾杯!

友人は旅の途中に立ち寄ったクロアチアで見繕ってきたワインを、私はフィンランドのウォッカを持ち寄っておうちごはん。
2時間前に開催が決まった割には首尾よく運んだぞ。

彼女は家に呼ぶ数少ない友人のひとり。
中学一年さいしょの席が隣同士でずっと一緒に居たのに、年に2回くらいしか会わない今の方がずっと色々打ち明けている気がする。
お互い話しても敢えて意見とか言わない。でも帰りには「あした教会、寝坊しないようにね」とか言ってくれたりする。

おかげさまで遅刻しなかった翌朝の礼拝の前奏が、私たちが中高6年間のあいだ毎朝きき続けた301番と気付いた時は、思わずにっこり。

そして今日は、移植カンファのときに近くの教会から267番が聞こえてきて、背筋がのびたり。

馴染みのあるメロディが流れればホッとして、それだけで
さらに確かな足取りで自分の選んだ道を進み続けられるくらい
自分にとって急激な変化とか意外な転換は起きていないように感じる。人に理解してもらえるように伝えるのは難しいことだけど。
それはきっと、ずっと前から培ってきた自分の中に、答えを見つけられたから。
自然な、というのだろうか、そういう意思決定ってどうやって起きてるのかな。

(これに書いてあるのか知らないけど、循環器まわって患者や家族の意思決定に思いを馳せていたときに、ある先生が勧めてくれた本)

ヘルシンキなわけ 〜フィンランド秋旅2017④=最高の夏休みのしめくくり〜

2017年10月25日 | たびたべた

は、たぶんこれ。


トイレしながらここに目が向く心の余裕が生まれるところ。


そのときどきの季節の

美しさを知っているところ。

だいじにしているところ。

それを子どもも大人も一緒に

動物たちだって一緒に

味わいに行くところ。

のびのびしているところ。

曇っていたって

様になるところ。

地元の人も憩うすてきなカフェがあって

美味しいレイパ(パン)があるところ。

だから朝からたっぷり食べちゃうところ。

ラクトースフリーのトナカイパイやサーモンパイに

チーズにヨーグルトにシナモンロール。流行をいち早く取り入れて

ミルクアレルギーの母でもおしゃれなfinnish dinnerまでドキドキせずに楽しませてくれたところ。

空港に、行きも帰りも寄りたくなるビストロがあるところ。

また行こうね、同じ事しに行こうね、

ヘンテコなお寿司だってなんかまた食べたくなるよね…

実家に帰ってお風呂に入って「材料ないよ」と言いながらも作ってくれる母の和食をたべた後、とっておきのワインをあけながら
旅を振り返ってそんなおしゃべりができるところ。

光、奏でる 〜フィンランド秋旅2017③〜

2017年10月24日 | たびたべた

ここまで、来れた。


空港近くに位置するミュールマキに「陽光」という名の教会があります。
ヘルシンキ3度目にしてやっと上手に近郊列車に乗れるようになりまして、今回はようやく行ってみることになりました。

寒いなか、時間を気にして急ぎ足。
気付くとずんずん逆方向に進んでいたり…

空にすっくとそびえ立って、そんな私たちをも見守ってくれてたのかしら。


シェードが何枚も重ねられたペンダントランプが浮かんでいます。

刻々と光の色や形が変化して

なんだか音楽のようです。

ありがとう、待っててくれて


なんて言いたくなるよな、あったかい場所。
来れてよかった。ほっとした。

ルーネベリタルトごぞんじ? 〜フィンランド秋旅2017②〜

2017年10月23日 | たびたべた

まず目を惹くのは倉庫の赤。スウェーデン国王グスタフ3世に敬意を評して。

石畳と

パステルカラーの家並みがご自慢の

中世の古都ポルヴォーにやってきました。

ヘルシンキからバスでたったの1時間、郊外の車窓は2年前に母とドライブした美瑛や富良野を想起させる素朴な美しさであっという間。

でも、少なくとも秋の低い太陽に照らされたこの街を見るのは

これが最初で最後かな。あ、りんご。

あの木からか。

「我が祖国」の詩人ルーネベリは、故郷であるこの地を愛してやまなかったと。

だって綺麗だもの。
甘いものも大好きだった彼のために奥さんが作ったというこのタルトを食べながら

もう次の(夏)休みの打ち合わせ中です。


来年はせっかく病棟長を終えるのに思いもよらない役が巡ってくるようで
狙うは雪解けの季節か…その時の自分をもはや想像もできないけれど。毎年できてないからきっと大丈夫。
休みの計画は戦略的に
がスローガン。ここは詩的になりえない部分なのです。

ラップランドの初雪と 〜フィンランド秋旅2017①〜

2017年10月22日 | たびたべた

(ロヴァニエミ大聖堂)

人生はde-cideの連続であると
よく叫んでおられた高校の英語の先生の声が
最近耳に蘇る。

なるほど、たしかに
重大な主題が次から次へと降り掛かってくる。

ただ、想像していたのと少し違うのは
眠れないほど真剣に悩ましいぞこれはと思って
おふとんに入って夢と現実の間でまで懸命に祈り続けていたはずが
いつの間にか目覚ましが鳴っていたりするところ。

人間関係にせよ、信仰にせよ、キャリアにせよ
しっかり考えて自分の意思で決めなくてはと思うのだけれど
日々に忙殺されて、という言い訳もいらないかもしれない、
とにかく心のどこかで既に何かに委ねている自分を発見する。この習慣はいつからだろう。

思い浮かぶのは夢十夜の運慶の章。
黙々と彫っていると、在るべき姿が現れてくるという。
その与えられた“在るべき姿”を問うてひたすら耳を澄ませるしかないのではないかと
なんとなく今までの経験からそう思ったのだとしても不思議はない。
自分の意思ってなんだっけと思わなくもないけれど
別に虚しくもならない。
“黙々と”待つことは、思考停止ともちょっと違うのだ。

ただ、盲目に彫っていて角度が大幅にズレていたら危ないから
心から信頼できる相談相手が数人居てくれることに感謝。
そしてどんなに澄ませても肝心の耳が詰まって聞き間違えたらどうしようもないから
いい空気を吸って十分な睡眠をとることも必須。ちなみに飛行機で映画みてデトックス…たとえば今回みたくララランドまた観ては性懲りも無く同じシーンで泣くとか、もそれに含まれる。

だから、夏休みがあってよかった。
フィンランドを旅してきました。
はい、またです。
でも秋は初めて。
北極圏も初めて。


*****


ヘルシンキで乗り換えて

この雲の層を抜けたら着陸のつもりでいたら
目的地はこの雲の中にあった。

北極圏の入り口、ロヴァニエミ。

真っ黄色の紅葉や真っ赤な木の実たちが

薄っすらと白い雪を羽織ってそれはそれは美しく

東京から来た私たちだけがはしゃいでいるかと思いきや

お寿司屋さんのお姉さんが最高にウキウキ気分で明かしてくれることには

私たちがロヴァニエミに到着したのは、初雪の降った翌日だったらしい。


(イッタラやマリメッコの食器をふんだんに使った寿司屋)

(体を温める、フィンランドウォッカのカクテル)

(お味噌汁にも意外と合うラップランドチーズ)

サンタクロース村もこの雪景色。

世界中の子どもたちからお手紙が届くこの村の郵便局から、-3℃にはしゃぎ過ぎて特に内容もないハガキを出してみた。
でも札幌も今日が初雪だって。

雪が降って見えなかったのはオーロラ。

ただ、オーロラを待つあいだ焚き火を囲むなど

幸せな時間に変わりはなかった。そして

Arktikumで寝転んでバーチャルオーロラ体験。
次回に備えての予習。


(スタイリッシュすぎる博物館Arktikum)

(プラネタリウムのようなロマンチックさ)

(光を呼び込む廊下と)

(その左右に広がる展示室)

しかしなにより心に残ったのは

26年間出会ったなかで一番大きな虹。
なにかメッセージが、あるのかもしれないし、ないかもしれない。
ただただ綺麗だと思って
そして私は
少し解き放たれていた。

アンゴスチュラビターズによせて

2017年10月15日 | デキんレジのインチャージノート

劇中に登場するリキュール。
ずっと、どんな味がするんだろうって思ってた。


なりきってみないとわからない。
なりきって、悩め。


*****


ダンスするとき、力を抜くと飛距離が伸びるんですよ。表情もやわらかくなる。病気と闘うときも、おんなじだなって。

辛い段階を今まさに超えようとしている患者さんが
苦しいなかで紡いでくれたことばです。

私が大きな決断に迫られていることを
まるで知っているかのように
やさしかった。