ようこのかまど

おいしいからうれしくなるのかな、うれしいからおいしくなるのかな。

メンタルシニア†、放射線科で学ぶ

2017年01月19日 | 心療内科医

(↑放射線科シニアの先生もおススメ:https://www.amazon.co.jp/gp/aw/d/4780908493/ref=mp_s_a_1_1?__mk_ja_JP=カタカナ&qid=1484826613&sr=8-1&pi=AC_SX236_SY340_QL65&keywords=よくわかる脳mri&dpPl=1&dpID=517obXCtmvL&ref=plSrch

チーフレジデントから1ヶ月で読破を命じられた良本:https://www.amazon.co.jp/ここまでわかる頭部救急のCT・MRI-井田正博/dp/4895927296

2冊、がんばります!)

選択でとった放射線科のローテ、1ヶ月なので何かに絞ってじっくり画像に向き合うのがよいとのこと。
心療内科の師匠に聞いたら「圧倒的に頭部ですね」と即答。そしてこれをいただいちゃいました…私のようなチャッカリ者は、そのぶん貴科に貢献することで恩返しします、はい!

というわけで、苦手な頭部CTそしてMRIと対峙する日々が始まっています。
エキスパートから直にフィードバックを受け何度も質問できることが、自分の志望科に役立てると考えた途端に、こんな喜びに変わるとは。
4月から私がなる専攻医(シニアレジデント)の“専攻”って、こういうことなんだわ。

Doch muss ich heute und morgen und am Tag danach wandern
(私は今日も明日も、その次の日も自分の道を進まねばならない。)
ルカ13:33
…使命と覚悟、これです。

あとはちょっと、演題締め切りの季節で心身医学系の2つの研究を同時に根詰めて進めた疲労もあってか、放射線診断学みたいな揺るぎのない世界(あるのかもしれませんが素人にはなく見える)で頭がスッキリするという、暗くて静かな部屋で黙って考えたいっていう、反動に似たモチベーションもあるかもしれません。

†ちなみにまだシニアじゃないし、ひとまずなるのは“内科”専攻医だけれど、前に精神科の先生に「すでにメンタルシニアのようだ」と言っていただいたのがとても嬉しかったので!
内科としてのプライドを育てつつ、ゆくゆくは心↔︎身を立場上もしなやかに行き来できるのが、いま思い描いている理想。

修了のことば(下書き)

2017年01月08日 | デキんレジの雑記帳

おまもり(後述)
…たとえば、隠れた喘息を診断できたごほうび、というより、諦めずに患者さんと一緒に悩み続けた勲章。


研修医1年目が始まってから、病院がどこかよそよそしくて、周りのみんなは自分と違って自信に満ちて(見えて)、今まで感じたことのない“紛れ込んでしまった感”にずっと苛まれていました。病院にはいつも人が溢れかえっているのになぜか寂しくて苦しくて、でも今振り返ればその度に誰かがさりげなく手を差し伸べて私が日々の歩みを止めないでいいようにしてくれていた、このことは忘れてはいけないと思っています。
半年くらい経って、自分のやりたかったことが見えてきて前を向けるようになったらなったで、その目標への距離の遠さを突きつけられて、それをいろんなもののせいにしてひたすら捨てようとしたこともありました。
2年目は無駄な緊張がとれて仕事や勉強に集中しやすくなったのがよかった。自分の成長を実感させてくれる優秀な病棟長たちにあたった時ほど、恩を感じてもっと貢献できるようになりたいと思えた一方、一年後の自分が到底おなじようには振る舞えないだろうと想像して進むべき道に迷うこと半年間、採用の誓約書は締め切り当日に出す迷惑者だったけど、それくらい真剣に悩んでいたということ!
外部での研修で日々の病棟業務から解放されることもあって、じっくり話したり考えたりする時間を与えられて、今思えばだいじなことを気付いたり思い出したりするまたとないチャンスもありました。
いまは、プライマリケアの外来研修。いまいち納得できずモヤモヤしていた問題や苦手意識の強かった穴も、一つひとつ埋めていけばいいんだと。また自分はやっぱり人の話を聞くのが好きで、そして人よりちょっと得意なんだと、それを最大限活かせるところに向かうんだと、再確認して行動を起こし始めたところです。
そうしていつの間にか、この病院の好きなところも嫌いなところも全部愛せるようになっていて、同時に自分がこの病院の一部になっている感覚を得ていました…ん、これはなんだか今日読んだところに影響されてるかも笑
Denn wie der Leib einer ist unhadoch viele Glieder, alle Glieder des Leibes aber, obwohl sie viele sind, doch ein Leib sind
コリント一 12.12


長い道のりでしたが、来年度は〜病院というところの内科専攻医として採用していただきました。
実は、いま働いているところと同じなのですが。

そんなふうに言いたいくらい、ただ漫然と残るのとは大違いなのだということを、ここに書き留めておきたいのです。
頼ってきた同期や先輩もそれぞれ新たな場所に遣わされて行ってしまうし、立場が変わって今までの働き方じゃ足りなくなるし、病院だってしょせん人でできた有機体なのであって良くも悪くも常に変わっていくことは今年度痛いほどわかりました。
だから、甘やかしも甘ったれも意識的に排除しなくてはと思います。その結果、もう今から既に、2年前よりむしろさみしいし不安だらけです。
じゃあなんだったんだろう、この2年間の収穫は?と考えれば答えがないわけではない。
だって、やっと捕まえたんだから、入職するよりずっと前からあったはずの自分の夢の根っこを。そう、2年間ここで自分で捕まえてきたものが、この手の中にあるんです。それが、私がすがれる唯一のおまもり。

4月にはそれ握りしめて、通い慣れた建物に向かって「はじめまして、こちらで育ってきた者です。精一杯がんばりますので、どうかよろしく。」って言わなくちゃ。

なーんて、明日から新年度みたいに思いつめた作文しましたが、あと三ヶ月は初期研修医です。最後の余裕あるローテなので、本読んだりしながら材料を蓄えているのです。まだまだ更新中。
ね、
3ヶ月後のわたし!

(最近の読書:
https://www.amazon.co.jp/「甘え」の構造-増補普及版-土居-健郎/dp/4335651295)

二番手のぼやき

2017年01月06日 | 心療内科医

目玉焼き&カリカリベーコンonおかかめし
を、久しぶりに作りたり。
うま。

ピンチヒッターとして入った当直が大荒れ。
ピンチヒッターと思って引き受けた発表がまさかの大人たちの喧嘩の火種。
…聞いてないよっ!
責任持って最後までやるけどさ、
なんとか一件、いや二件、三件落着させた明けの夕飯くらい
出前じゃ絶対手に入らないものを
ひとりで黙々と食べさせて。
そして
誰にも気を遣わず
誰にも同調する恐れなく
久々にとびっきりの不機嫌な顔してみていいですか。


*****


思春期の視覚障害者の自律神経失調症を診た。
あ、あ、これ、これこれ、こういうの診れるようになりたかったのだ、私は!
ただ友人を助けたかったのだ…
一気に自分の夢の根源に引き戻された感覚だった。
そういう括りで専門的にやっているのはあまり聞かないのだそうだ。
ならばわたしが。

品性

2017年01月03日 | たびたべた

大晦日は家族3人それぞれの持ち場でそれぞれの役目を果たすため、集合は翌日夜に仙台での約束。
お正月の朝は気持ちいい冬のお天気のなかてくてく歩いて、元旦礼拝に参加してきました。新しい年、すばらしいスタートが切れて感謝です。

そして父のお世話になっています仙台へ。
心ゆくまで朝寝坊して市場にお目当てのこれを、食べに行きました!

牡蠣とじ丼と牡蠣汁。

牡蠣だけでこんなにお腹いっぱいになるなんて…
ほかにも、塩釜の酒蔵の窓からお酒の匂いをクンクン嗅いだり

アウトレットモールで学会用のスーツを買ったり(飛行機も宿もとったし、あとは中身だけだ…笑)
伊達な冬休み、満喫してきました。
そうそう初売りって、遡ること戦国時代の仙台が元祖なんだそうですよ!


*****



旅先でおうちごはんもできるのが単身赴任家族の特権です。
北海道の方が送ってくださったホクホクのほっけと熊本風お雑煮、最高でした。
昨年の地域研修でお世話になった鹿児島でいただいたプレミア焼酎「魔王」もついに開けましたよ!
クセがなくすっきりとして、タイトルにぴったりなお味。

“…wir wissen, dass Bedraengnis Geduld bringt, Geduld aber Bewaehrung, Bewaehrung aber Hoffnung, …(艱難さえも喜んでいます。それは、患難が忍耐を生み出し、忍耐が練られた品性を生み出し、練られた品性が希望を生み出すと知っているからです。)”
ローマの信徒への手紙 5.3-4

“艱難汝を玉と為す”
これはおじいちゃんからもらった言葉。

“悲観と楽観のあいだにはいつも3番目の範疇があります。それは「希望」です。希望はよりよい方向に進むための行動と努力を生み出すのです。”
ヨースタイン・ゴルデル「ソフィーの世界」前書きより

キーワードが目を引いた今年最初のフレーズたちを記しておきます。
….Bewaehrungを「練られた品性」って訳した人すごくない?
品性って、練れるらしいよ!
練りましょうぞ、まだまだ!