熊澤良尊の将棋駒三昧

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江戸時代の将棋盤

2009-08-29 19:51:59 | 文章
8月29日(土)、晴れ。

今日の駒サロンは、江戸時代の将棋盤についてでした。
最近、名古屋工業大学の永田さんという方(女性)が、主に江戸時代の文献から集めた将棋盤についての論文を戴きましたので、今日はそれを下敷きにして、小生なりの解説をさせていただきました。

永田さんは、将棋盤の寸法や様式に関して記述がある文献27種類ほどを集めて、それぞれに記してある将棋盤について、将棋盤の種類・大きさなどを網羅的にリストアップされています。

種類では、大将棋盤・中将棋盤・小将棋盤とありますが、小将棋盤に限って言えば、縦横の寸法では何通りかの違いがあり、①14.44寸x13寸のもの、②13寸余りx12寸のもの、③12寸x10.66寸のもの、の3通りあることが示されています。ただし、史料文献には孫引きや孫孫引きも多いので、文献の数は余り考慮に入れるべきではありません。

現在の小将棋盤の定寸(本寸盤)は12寸x11寸ですので、3通りとも、現在とは少しズレがあります。

文献では、例えば「長さ(縦)1尺2寸にして9目に割り、広さ(幅)1目狭くして9つ目にすべし・・」とあるのですが、その記述してある言葉だけをベースにして幅寸法を計算すれば、
「12寸ー12/9寸=10.66寸」となるのですが、文献には書かれていない盤の周りの耳の幅を考慮する必要があります。
耳の幅は0.3~0.35寸程度ですので、幅サイズは
「12寸ー(12-0.7)/9寸=10.74寸」が正しいと思います。

盤の厚さについては、文献では、1.8寸から2.5寸とあります。
盤の厚みは時代とともにだんだん厚くなってくるのですが、小生の持っている「延宝8(1680)年」のカヤの小将棋盤の厚さは2寸7分ですので、1.8寸というのは100年くらいの時代のズレがあるようです。

ヤヤコシイことを書いてしまいました。
では、また。



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