A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

大型新人のデビューにはそれを支えた大物が・・・・

2007-10-08 | MY FAVORITE ALBUM
After The Lights Go Down Low And Much More!!! / Freda Payne

クインシージョーンズの自伝を読んでいると、最初の妻との決別の決定的な場面の記述がある。ある女性との逢瀬の現場を押さえられたくだりだ。
その女性の名はフレダペイン。彼女がまだ19歳だった時にクインシーは彼女に出会っている。それから一年近く経って、クインシーがビッグバンドを率いて出演していたクラブで、ワインを一本空けた彼女が飛び入りで歌った“IF I WERE A BELL”で観客を魅了するまで、彼は彼女の歌手としての才能に気が付いていなかったそうだ。
まさに灯台もと暮らしとはこのことだろう。

その後、クインシーは彼女をビリーエクスタインのツアーに帯同させ、だんだんと頭角をあげ、彼女は70年にはヒット曲Band of Goldを生むスターに育っていく。
このクインシーとの出会いの前にも、彼女はラジオのコマーシャルジングルやテレビのショーにも出ていたりして、実は注目を集めていたそうだ。事実Bill Cosbyからはレコーディングの話も、そしてエリントンオーケストラとも2晩の共演をした経験なども。
このアルバムにも、エリントンの新しい曲があるのもそのような経緯があったからかもしれない。

そのような中で、このアルバムは生まれた。彼女のファーストアルバムである。
A面はマニーアルバムが編曲をしたビッグバンド、B面はフィルウッズとハンクジョーンズが率いるカルテットをバックにしたジャズアルバムだ。ヒット曲を出してからはソウル色が強いブラックコンテンポラリーの歌手になっていったが、この時期はジャズオリエンティッドな歌を聞かせてくれる。
曲も、スタンダードもあれば、あのオーネットコールマンのロンリーウーマンも。ディクションのはっきりした歌い方は、20歳をわずかに過ぎた新人とは思えない貫禄を感じる。これも、彼女自身の才能努力もあるが、クインシーを始めとした大物に鍛えられていったからであろう。
こんなところにもQuincy Jonesの影響力があったとは。きっと影のプロデューサーであったのであろう。

1. After The Lights Go Down Low
2. Sweet Pumpkin
3. Blue Piano
4. Things We Love To Do, The
5. Awaken My Lonely One
6. Sweet September
7. I Cried For You
8. 'Round Midnight
9. Out Of This World
10. Lonely Woman
11. I Wish I Knew
12. It's Time

<Personnel>
(1~6)
Al DeRisi, Jimmy Nottingham, Ernie Royal, Nick Travis (tp)
Quentin 'Butter' Jackson, Alan Raph (tb)
Bob Brookmeyer (vtb)
Phil Woods (as)
Seldon Powell, Zoot Sims (ts)
Sol Schlinger (bars)
Hank Jones (p)
Art Davis (b)
Gus Johnson (d)
Freda Payne (vo)
Manny Albam (arr, cond)

Recorded in NYC, September 17, 1963

(7~12)
Phil Woods (as)
Hank Jones (p)
Jim Hall (g)
Art Davis (b)
Walter Perkins (d)
Freda Payne (vo)

Recorded in NYC, September 19, 1963

Producer Bob Thiele


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