A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ライブのセカンドステージというのは盛り上がるものだが・・・

2015-12-17 | CONCORD
The Second Set / The Scott Hamilton

学生時代の同級生から会社の同期まで同年代の友人の多くは現役を退いた。自然と同窓会などの集まりが増える。同じ趣味の仲間とは定期的に別の集まりが増え会う機会が増える。その時は大体近況に加えて、いつもの昔話で盛り上がって終わる。この昔話は一緒に体験した者同士でないと分からないものだ。
自分も彼らとゴルフやジャズを聴きに行く機会も増えてきた。昔話を語り合えるお互い気心が知れた仲間には、歳をとってから仕事を通じてできた友人とは違った親近感を感じるものだ。これはきっと洋の東西を問わず誰でも感じる事であろう。

スコットハミルトンはコンコルドレーベルでデビューすると、いきなり親子ほどに歳の違う大先輩に囲まれて活動することとなった。プレーぶりから彼らの中に入っても物おじしない感じを受けたが、内心は色々気を遣う事も多かったと思う。やはり気楽に演奏できるのは、ニューヨークに出てくるまえに地元で一緒に演奏をしていた仲間達。ドラムのチャッグリグスやギターのクリスフローリーなどであった。一緒にベニーグッドマンのグループに加わったこともあったが、ハミルトンのレギュラーグループは彼等との演奏を長く大事にしていた。

ハミルトン自身の名前が売れてくると、アルバムでも徐々に彼らを起用する機会が増えてきた。ゲストを加えないハミルトンのリーダーアルバムで久々に彼らと一緒に録音したのが1982年のClose Upだった
そして、このメンバーで来日したのが翌年の1983年。人気が出てきたとはいえ、他の大物達と較べると集客力はまだまだであったのだろう。会場はヤマハホールと少し小ぶりのホールであった。

すぐに、ここでのライブがIn Concertというアルバムでリリースされた。それまでも大きなジャズフェスティバルやコンコルドオーススターズに加わってのライブ演奏は数多くあったが、ハミルトンのグループとしてのライブアルバムはこれが初めてであったと思う。ハミルトンの普段着でのライブといってもいいと思う。

CDの時代になり、アルバム作りもコンプリート物が多くなると、スタジオ録音でも別テイクを含めた物、ライブもステージをすべて収めた物が作られるようになった。しかし、LP時代は時間の制約もあり一枚40分のなかにそのベスト演奏を収めるのが編集の技であった。時にはソロをカットすることも。
もちろん演奏の出来不出来もあるが、売り物として通用するように曲のバランスなどを考えてどの曲を選ぶかがプロデューサーの腕だった。ライブは録り直しのきかない一発勝負。一回のステージで足りない場合は複数のステージからの寄せ集めになるのが世の常であった。

このアルバムは、In Concertの続編となるが、そのタイトルもThe Second Set。実際のコンサートのセカンドセットとは異なると思うが、決して前のアルバムの残り物といった感じではない、どれも一体感のあるいい演奏だと思う。

ライブに行くと、その日が初顔合わせであったり、15年ぶりに一緒にやるという組み合わせのセッションにもよく出会う。ハプニングも含めてそれなりに上手く収めるのが流石にプロと思うが、昔からコンビを組んでいた仲間同士だと久々の演奏でも違ったコラボレーションが期待できる。例えば、宮の上貴昭と吉岡秀晃などの組み合わせでは長年培われた2人の関係からしか生まれないであろうサムシングを感じる。

という意味ではこのハミルトンのステージはお互い阿吽の呼吸で演奏できる仲間同士、特にハプニングがある訳でもない。すべてが合格点になるのは自明の理である。
いつもの演奏を淡々と繰り広げているのでスリルが無い、ジャズは何か新しい物がないと何か物足りないというのも一つの見方だが、好きなプレーヤーの絶妙なコンビネーションを楽しむというのも一つの楽しみ方だと思う。彼らの間の昔話を理解できるようになるまで。

1. All the Things You Are         Oscar Hammerstein II / Jerome Kern 6:21
2. Time After Time                Sammy Cahn / Jule Styne 6:29
3. Taps Miller           Count Basie / Buck Clayton / Bob Russell 5:20
4. All Too Soon                Duke Ellington / Carl Sigman  5:55
5. How Insensi            Norman Gimbel / Antonio Carlos Jobim 6:47
6. I Never Knew                  Gus Kahn / Ted Fio Rito 5:16
7. For All We Know              J. Fred Coots / Sam M. Lewis 5:40
8. Jumpin' the Blues             Jay McShann / Charlie Parker 4:42

Scott Hamilton (ts)
John Bunch (p)
Phil Flanigan (b)
Chris Flory (g)
Chuck Riggs (ds)

Produced by Carl Jefferson
Engineer : Tamao Kawada
Recorded live at Yamaha Hall, Tokyo, Japan, June 1983
Concord CJ-254

The Second Set
クリエーター情報なし
Concord Records

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