A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ブラジル生まれの彼女がボサノバを演奏しても・・・・

2011-09-20 | MY FAVORITE ALBUM
Eliane Elias Plays Jobin

先日ライブを聴いたミシェルルグランは才能豊かなミュージシャンだ。自分の頭の中に浮かんだイメージを、曲作りに、ピアノの演奏に、そしてオーケストラに自由自在に描いていく。ブラジル出身のピアニスト、イリアーヌ・エリアスも多彩な才能の持ち主だ。小さいときからクラシックとジャズを演奏し、若くしてヨーロッパで活躍していた。ベースのエディゴメツが彼女のプレーに接し、ニューヨークに来るように誘ったのが1981年とのこと。彼女がまだ20歳を過ぎたばかりの時だった。アメリカに渡った彼女はStepsAheadにも参加し、その後はピアニストとしてだけでなく、Vocalやアレンジでも活躍をしている。

彼女のピアノはエバンスに捧げたアルバムもあるように、エバンスの流れを汲んだスタイルだ。そんな彼女が、母国ブラジルが生んだボサノバの盟主ジョビンの曲を取り上げたのがこのアルバムだ。他のメンバーはベースのエディー・ゴメツに、ドラムのディジョネット。エバンスの名盤、’68のモントルーのライブと奇しくも同じバックだ。ブラジル出身の彼女が、エバンス流のピアノで、ボサノバを演奏するとどうなるか興味が沸くアルバムだ。
結果は、普通のボサノバの演奏を期待すると大はずれ。エバンス張りのエリアスのプレーが前面にでて、ピアニストとしての彼女の才能が発揮されたアルバムだ。ボサノバのジョビンではなく作曲家としてのジョビンに捧げた演奏だ。

ジャマイカ出身のモンティーアレキサンダーも、彼なりのジャズの世界で母国の音楽を表現し、日本のTOSHIKOも、彼女のジャズの世界で日本らしさをアピールしている。彼女のプレーも、決してボサノバに徹したのではなく、ジョビンの曲を彼女流に料理した結果だ。テーマを絞って、多芸な彼女のピアノをタップリ聴けるアルバムとしてはお気に入りの一枚だ。



1. Waters of March (Aguas de Março)   DeMoraes, Jobim 4:45
2. Sabiá    Buarque, Gimbel, Jobim 3:01
3. Passarim   Jobim, Jobim 5:10
4. Don't Ever Go Away   Duran, Gilbert, Jobim 8:26
5. Desafinado    Jobim, Lees, Mendonça 6:30
6. Angela      Jobim 5:30
7. Children's Games  Jobim 8:51
8. Dindi         Gilbert, Jobim 5:45
9. Zingaro        Buarque, Jobim 2:23
10. One Note Samba    Hendricks, Jobim, Mendonca 4:23
11. Don't Ever Go Away [Por Causa de Voce]  Duran, Jobim 2:59

Produced by Randy Brecker&Eliane Elias
All arrangement by Eliane Elias

Eliane Elias (p,vocal)
Eddie Gomez (b)
Jack DeJohnette (ds)
Naná Vasconcelos (per)
Recorded by James Farber
Recorded at Power Station, December 1989

Plays Jobim
Eliane Elias
Blue Note Records

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