A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

久々にテーナーを置いて、フルバンドのアレンジと指揮を。

2007-05-13 | MY FAVORITE ALBUM
Stockholm Sojourn / The International Jazz Orchestra under the direction of Benny Golson

ヨーロッパとJAZZの発展の関係は深い。
Quincyもそうであったが、特に「JAZZを育てた」という意味では、本家のアメリカよりもヨーロッパのJAZZファンの果たした役割は大きいように思う。
なぜか、アメリカのミュージシャンがヨーロッパに遠征した演奏を聴くと、自国ではできなかったことを思う存分楽しんでいたような気がしてならない。日本も一時、そのような時期があった。日本でプロデュースされたアルバムが数多く海を渡ったこともある。
自分は昨今の若いプレーヤー新しい演奏をあまり聴かないが、最近では、ヨーロッパの方が主役になっているように思えてならない。
音楽の世界でも、技術や経済面だけでなく、文化的な発展に対しても日本の社会貢献が世界的な視野で大事な時代なのだが。

その同じヨーロッパの中でも、国によってなんとなくカラーが出るから不思議だ。
実直な感じのドイツ、明るいイタリア、そして気が利いているフランス。
そして、Sweden とJazzというと、また特別な雰囲気がある。
白夜の北欧に相応しく、あまりとげとげしくない、柔らかな布に包まれたようなサウンド。
Quincyのスウェーデンでの録音も同じ雰囲気が漂っていた。

そんなイメージの演奏が収められたアルバムだ。
EVANSのWaltz for Debbyなどのスタンダードに、自作曲を含めて、「そのサウンド」がよく似合う曲が選定されている。

このアルバムの主役は、Benny Golson。
「ゴルソン節のテナー」だけでなく、作編曲でも有名だ。
60年代は、アレンジといっても自己の加わったJazztetなど、コンボ編成へのアレンジ提供が多かったが、ここでは久々のフルバンド編成。
通常の編成に加えて、ホルンやオーボエなどを加えているので、よりまろやかな音作りになっている。
Golsonの名曲、「I remember Clifford」も、このアルバム用のアレンジが行われている。
ただでさえ美しい曲が、生みの親によって、綺麗にお化粧を施されて絶世の美女に育てられている感じだ。

ゴルソンが、テナーを置いて、アレンジの美しさに専念した一枚だ。

STOCKHOLM SOJOURN
TRYST
ARE YOU REAL
GOODBYE
WALTZ FOR DEBBY
MY FOOLISH HEART
A SWEDISH VILLA
I REMENBER CLIFORD

Benny Bailey, Bertil Lovgren, Bengt-Arne Wallin (tp)
Grachan Moncur III, Ake Persson, Eje Thelin (tb)
Karl Nystrom, Bengt Olesson (frh)
Runo Ericson (euph)
Lars Sloglund (ob, ehr)
Arne Domnerus (cl, as)
Bjarne Nerem (ts)
Cecil Payne (bars)
Rune Falk (bars, cl)
Tosten Wennberg (sax, cl)
Roman Dylag (b)
Egil Johansen (d)
Benny Golson (arr)

Stockholm, Sweden & NYC, July 15-20, autumn 1964


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