A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

オーケストラの演奏の合間にいつものメンバーで気楽なセッション

2007-05-04 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
You made me love you / Thad Jones & Mel Lewis

サドメルのメンバーは、オーケストラを離れても一緒に演奏をすることが多い。ライブを楽しむこともあれば、レコーディングをすることも。
以前紹介したPepper AdamVillageVanguardのジャムセッションのアルバムもそんな一枚だった。
オーケストラで来日したときも、公演の合間をぬって何枚かのアルバムを残している。
先日のRoland HannaのDUOもそうした一枚。
74年の来日時の録音だった。

翌75年にも来日を果たしたサドメルは、今度は、リーダー同士でコンボ演奏を楽しんだ。
Thad Jonesはオーケストラではフリューゲルホーンをプレーすることが多かったが、ここではコルネット。
それに、なんとピアノやVocalも披露している。彼のピアノも初めて聴いた。これは愛嬌であるが、その位リラックスした仲間内の録音だ。

オーケストラを編成してからは、コンボでの演奏をなかなか聴く機会がないのを、カメラマンの阿部氏がサドに録音を働きかけたらしい。リーダー同士とはいうものの、最初はベースのジョージムラツとのデュオ、それにテナーのGregory Herbertを加えたトリオが面白いのではないかと、企画が行われていたらしい。
結果的にはMelも加わった4人編成だが、Melが入っても入らなくても本音は「大勢に影響なし」というのがプロデュースをした阿部氏の本音だったらしい。Melには内緒にして欲しいというコメントつきで。

いきなりAutumn Leaves。
トランペットでこの曲というと、すぐマイルスを思い浮かべてしまうだけに、これを超えるのが難しそうだが。
ところがアプローチがまったく違う。
ベースとのDuoでスタート。ミュート無しの、コルネットの特徴の多少輝いた音色。Herbertの図太いテナーが加わる。ドラムは控えめにピアノレスのプレー。
オーケストラ同様、サドのバラードは独自の世界を作り出す。
マイルスとはまったく別物の枯葉が完成。

オーケストラでも、もっぱらサドがフューチャーされるのはフリューゲルホーンのバラードプレー。この頃、サドはアップテンポよりスローが得意になっていたのかもしれない。

My Romanceはサドとジョージムラツとのduoが冴える。最後の「捧ぐるは愛のみ」。この曲でサドの歌が聴ける。これも「おまけ」だが、なかなかおまけがそのままアルバムになったものは少ない。

Melには悪いが、やはりこのアルバムは、サドを中心としたDuo&Trioアルバムといった方がいいだろう。アルバムの企画も最初の閃きが大事かもしれない。

AUTUMN LEAVES
MINA Take1
   Take2
MY ROMANCE
YOU MADE ME LOVE YOU
I CAN’T GIVE YOU ANYTHING BUT LOVE Take1
                      Take2

  Thad Jones (cornet,p,vol)
  Mel Lewis (ds)
  Gregory Herbert (ts)
  George Mratz (b)

Recorded on November 14,1975
Elec Record Studio,Tokyo.Japan

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