The Great / Buddy Tate
コンコルドでのバディーテイトは、スコットハミルトンとの師弟コンビのテナーバトルのアルバムが続いた。単なるベテランの復活アルバムではなく、このような師弟コンビは何となく微笑ましくもあり、ベテラン同士とは違った緊張感もある。
今回のアルバムは、タイトル自体も“The Great”。バディーテイトにスポットライトが当たっている。テナーをテナーらしく吹くテイトがたっぷり聴けると思ったら・・・。
テイトはベイシーオーケストラ出身と言っても、オリジナルカンサスシティーセブンのメンバー。再びベイシーオーケストラに加わって活躍したのも40年代。この時代のベイシーはあまり聴いてはいないので、ベイシーオーケストラ出身と言ってもこの時代のバディーテイトは当然じっくり聴いたことは無い。
それ以降も自分のグループを長年率いてクラブへの出演を続けていたし、色々なバンドやプレーヤーとの共演も積極的に行っていたので、彼の場合は一度も現役を退くということは無く、常に第一線で活躍してきた。
この時代も自分はあまり思い入れを持っては聴いていなかったが、時々耳にした時は、いつもノリの良い力強いテナーで楽しませてくれた一人だ。
そのテイトの”Great”さとは、テナーの素晴らしさかと思ったら、このアルバムでは、テイトはテナーは勿論のこと、バリトンサックスやクラリネットも披露している。いわゆるスタジオワークが多いマルチリードのプレーヤーは、レコーディングでもそのマルチ振りを披露することが多いが、スタンゲッツやスコットハミルトンのようにテナー一本でいつも勝負しているミュージシャンはめったに楽器の持ち替えはやらない。テイトもそんなプレーヤーかと思っていたのだが・・・
モダンスイングのバリトンプレーも乙な物だし、「Softly・・・」のクラリネットが実にいい。クラリネットというとどうしてもディキシー・スイング系の演奏イメージになりがち(聴こえがち)になるが、ここでのプレーはモダンだ。テイトのクラリネットのプレーが他にもあったら聴いてみたくなった。
Concordレーベルはベテラン復活のためのカンフル剤的な役割を果たしていたが、常に活躍していたプレーヤーに対しても、若い後継者との共演や普段見せない「芸」を披露してくれるとは、ジェファーソンもなかなかよく考えていたものだ。
今回のテイトのマルチプレーを引き立たせる介添え役として、コルネットのウォーレンバッシュのミュートプレーはピッタリだったし、ハンクジョーンズのピアノも適役。ニューヨークでの録音ということもあり、ドラムには何とメルルイスが加わっているが、これはどういう風の吹き回しか?メルルイルがコンコルドに登場したのは多分今回が最初だと思う。
さらに、おまけはテイトの息子のPaul Tateのヴォーカルもある。父親のテナーサックスに良く似たテナーのヴォーカルを聴かせてくれるが、"おまけ”以上の出来だ。
良い仲間に囲まれて、テイトの“Great”の理由を再認識させてくれるアルバムだ。
1. On Green Dolphin Street
2. What Are You Doing The Rest Of Your Life
3. At Sundown
4. Softly, As In A Morning Sunrise
5. Bernie's Tune
6. I Realize Now
7. Duckie
8. Shiny Stockings
Buddy Tate (ts,bs,cl)
Warren Vaché (cor)
Hank Jones (p)
Milt Hinton (b)
Jack Williams (ds)
Mel Lewis (ds)
Paul Tate (vol)
Produced by Carl Jefferson
Engineer : Phil Edwards
Recorded at Soundmixers, New York City, March 1981
Originally released on Concord CJ-163
コンコルドでのバディーテイトは、スコットハミルトンとの師弟コンビのテナーバトルのアルバムが続いた。単なるベテランの復活アルバムではなく、このような師弟コンビは何となく微笑ましくもあり、ベテラン同士とは違った緊張感もある。
今回のアルバムは、タイトル自体も“The Great”。バディーテイトにスポットライトが当たっている。テナーをテナーらしく吹くテイトがたっぷり聴けると思ったら・・・。
テイトはベイシーオーケストラ出身と言っても、オリジナルカンサスシティーセブンのメンバー。再びベイシーオーケストラに加わって活躍したのも40年代。この時代のベイシーはあまり聴いてはいないので、ベイシーオーケストラ出身と言ってもこの時代のバディーテイトは当然じっくり聴いたことは無い。
それ以降も自分のグループを長年率いてクラブへの出演を続けていたし、色々なバンドやプレーヤーとの共演も積極的に行っていたので、彼の場合は一度も現役を退くということは無く、常に第一線で活躍してきた。
この時代も自分はあまり思い入れを持っては聴いていなかったが、時々耳にした時は、いつもノリの良い力強いテナーで楽しませてくれた一人だ。
そのテイトの”Great”さとは、テナーの素晴らしさかと思ったら、このアルバムでは、テイトはテナーは勿論のこと、バリトンサックスやクラリネットも披露している。いわゆるスタジオワークが多いマルチリードのプレーヤーは、レコーディングでもそのマルチ振りを披露することが多いが、スタンゲッツやスコットハミルトンのようにテナー一本でいつも勝負しているミュージシャンはめったに楽器の持ち替えはやらない。テイトもそんなプレーヤーかと思っていたのだが・・・
モダンスイングのバリトンプレーも乙な物だし、「Softly・・・」のクラリネットが実にいい。クラリネットというとどうしてもディキシー・スイング系の演奏イメージになりがち(聴こえがち)になるが、ここでのプレーはモダンだ。テイトのクラリネットのプレーが他にもあったら聴いてみたくなった。
Concordレーベルはベテラン復活のためのカンフル剤的な役割を果たしていたが、常に活躍していたプレーヤーに対しても、若い後継者との共演や普段見せない「芸」を披露してくれるとは、ジェファーソンもなかなかよく考えていたものだ。
今回のテイトのマルチプレーを引き立たせる介添え役として、コルネットのウォーレンバッシュのミュートプレーはピッタリだったし、ハンクジョーンズのピアノも適役。ニューヨークでの録音ということもあり、ドラムには何とメルルイスが加わっているが、これはどういう風の吹き回しか?メルルイルがコンコルドに登場したのは多分今回が最初だと思う。
さらに、おまけはテイトの息子のPaul Tateのヴォーカルもある。父親のテナーサックスに良く似たテナーのヴォーカルを聴かせてくれるが、"おまけ”以上の出来だ。
良い仲間に囲まれて、テイトの“Great”の理由を再認識させてくれるアルバムだ。
1. On Green Dolphin Street
2. What Are You Doing The Rest Of Your Life
3. At Sundown
4. Softly, As In A Morning Sunrise
5. Bernie's Tune
6. I Realize Now
7. Duckie
8. Shiny Stockings
Buddy Tate (ts,bs,cl)
Warren Vaché (cor)
Hank Jones (p)
Milt Hinton (b)
Jack Williams (ds)
Mel Lewis (ds)
Paul Tate (vol)
Produced by Carl Jefferson
Engineer : Phil Edwards
Recorded at Soundmixers, New York City, March 1981
Originally released on Concord CJ-163