A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ニッキパロットのシーズン4部作の最後はクリスマスアルバムで・・・

2014-12-09 | CHRISTMAS
Winter Wonderland / Nicki Parrott

ニッキパロットいうベースを弾く女性ボーカリストがいる。日本では人気があるようで、先日も来日してライブツアーをしていった。これまで彼女のライブには行ったことが無かったが、初めてそのステージを聴く事ができた。スタンダード中心に小気味よい歌と演奏を聴かせてくれたが、歌だけではなくベースの実力も中々な物、存分に楽しませてもらった。

弾き語りというと、大体はピアノやギター、ベースを弾きながらの歌となるとジャズでは珍しい、それも女性となると。歌のメロディーラインとベースラインは必ずしも同じではない、これを難なくこなすのが彼女の魅力のひとつだ。このアルバムでもマイフェイバリットシングスのイントロは素晴らしい。

派手さは無いが、このようなユニットでの演奏や歌はメンバーの実力がかえってはっきり出るものだ。いい演奏にはどんどん取り込まれていくが、つまらない演奏はすぐに飽きてしまうものだ。そして、このような小粋な演奏を聴くのは小ぶりなライブハウスがいい。



このアルバムは比較的最近のアルバム、一昨年2012年にリリースされた物だ。シーズン4部作の最後の冬のアルバムでリリースされたものだが、この年は他にも数枚のアルバムが出ている。今では一枚のCDを出すにも皆四苦八苦しているのに、今時珍しい2カ月に一枚のペースでアルバムを出せるとんでもない大スターだということになる。

これだけアルバムを出すと飽きられそうにも思うのだが、それぞれが見ただけでも魅力的なアルバムだ。昔、現役時代の仕事の先輩である有名クリエーターが、「新たな斬新な企画を出し続けるというのは大変なこと。新たな企画を出し続けなければならない時の秘訣はシリーズ物にする事だ」と言っていたのを思い出した。脈絡なく新たな商品を出すと、商品自体がまだ商品力を持っている内に自分の中で競合状態を作ってしまうということもある。
ところがシリーズ物だと、シリーズ自体に人気が出ると次がすぐに待ち遠しくなってしまうので不思議だ。

このバロットの、春の「さくらさくら」に始まるシーズン4部作も、最初に企画されたのか、後付でできた物かは定かではないが、最後の冬の部がクリスマスアルバムというのは、マーケティング的にも良い効果を生むように思う。クリスマスアルバムは単独で目につくものなので、自分のようにこれをきっかけに他のシーズンも聴いてみようという気が起こることもありそうだ。

クリスマスアルバムというと普段より凝ったバックを付けるアルバムが多いが、このアルバムではいつもの相棒のジョンディマルーチノをピアノに据えたレギュラーカルテットに、曲によってお姉さんのリサパレットのバリトン、そしてゲストにテナーのヒューストンパーソンを加えたコンボ編成。サックスがバックを付ける以外にもピアノトリオがあったり、ギターをフィーチャーしたりして変化をつけているが、クリスマスアルバムということもあり、彼女のボーカルはどの曲もストレートに歌い上げている。

本当の美人というのは、こてこて化粧をしなくても、「すっぴんの美しさ」を粋にアピールできる女性のことだろう、彼女の歌と演奏の様に。

1. Have Yourself A Merry Little Christmas
2. Christmas In New Orleans
3. I'll Be Home For Christmas
4. The Christmas Song
5. Blackberry Winter
6. Blue Christmas
7. I've Got My Love To Keep Me Warm
8. Christmas Time Is Here
9. White Christmas
10. June In January
11. My Favorite Things
12. Winter Weather
13. Baby, It's Cold Outside
14. Winter Wonderland
15. What Are You Doing New Year's Eve?

Nicki Parrott (vol,b)
John Di Martino (p)
Houston Person (ts)
Paul Meyers (g)
Tim Horner (ds)
Lisa Parrott (bs)

Produced by Tetsuo Hara & Todd Barkan
Recorded at Avatar Studio, New York on August 24,25, 2012


ウインター・ワンダーランド
Nicki Parrott
ヴィーナスレコード

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (azumino)
2014-12-09 22:47:02
こんばんは

ニッキ・パロットの公演に行かれたのですね。よいですね。田舎だと難しいですが、機会があれば、是非聴いてみたい歌手です。

彼女のCDは2枚しか持っていませんが、本格的なベースを弾き、また、伴奏もバスクラはじめ多彩なので、面白く聴いています。
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ライブ通いだけは・・・ (YAN)
2014-12-10 20:32:00
AZUMINOさん

コメントありがとうございます。
最近、田舎住まいに憧れていますが、ライブに気軽に行けるのだけは都会住まいの特権ですね。

ニッキパロットも人気があるだけに、来日した時は地方回りもやっているようです。今回も丁度台風が来た時で果たして明日は行けるかと言っていたような・・

パロットのベースも歌を歌うせいもあり、かがみ込んで弾くというより、昔のスイング時代のベースのように明るくノリながら弾けるようなベースがスインギーで魅力です。

歌も、ペギーリーの慕うというだけあって本格的。単にキレカワだけの人気ではないと思います。

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