A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

2人の名アレンジャーがベイシーのDNAを時代を超えて・・・

2015-07-02 | MY FAVORITE ALBUM
Basie & Beyond / The Quincy Jones & Sammy Nestico Orchestra

ビッグバンドファンにとって、ベイシーサウンドはビッグバンドのDNAのような物。いつの時代でも、どこで聴いてもウキウキしてくるものだ。ベイシーのレパートリーばかりを演奏するバンドもあるが、どんなバンドでもベイシーサウンドを聴かせてくれる曲はレパートリーに1曲や2曲はあるものだ。

カウントベイシーが亡くなって30年以上経つ。本家ベイシーオーケストラもリーダーは代わっても、本家のサウンドを伝え続けている。ベイシーと関係のあったミュージシャンもベイシートリビュートのアルバムを作ったり、ライブでベイシーの伝統を引き継いだ演奏を聴かせてくれる。

エリントンのオーケストラは、リーダーのエリントンの曲アレンジが多い。特徴あるエリントンサウンドはエリントンのアレンジに因る所が大きい。一方で、ベイシーオーケストラは、その時代で色々なアレンジャーが曲を提供している。もちろんアレンジャーによって味付けは多少違っていても、不思議とサウンドには共通点がある。アレンジを超えるバンドカラーがある。これがベイシーサウンドであろう。

先日、Bebop and Beyondというグループを紹介したが、Beyondという言葉に引っかかった。そして、このBasie & Beyondというアルバムを思い浮かべた。良く聴くアルバムだ。分厚いジャケット解説がついているが、あまり中をじっくり読んだこともなかった。説明を見るまでもなくご機嫌な演奏が収められている。

ジャケット写真にあるようにクインシージョーンズのベイシートリビュートアルバムだ。クインシーとベイシーオーケストラとの出会いは1950年代60年代にはシナトラを介してその関係は深まった
このアルバムにはもう一人主役がいる。クインシー同様ベイシーオーケストラに多くのアレンジを提供したサミーニスティコだ。
このアルバムは誕生したのは2000年、すでにベイシーが亡くなってからは大分時間が経っていた。ちょうど世の中が21世紀に入って大きな時代の節目を迎えた時だ。現役プロデューサー&アレンジャーであった2人がベイシーを忍び、またベイシーを称えて、新時代を迎えたタイミングで、「ベイシーの次は何?」と自ら問うたアルバムともいえる。

選ばれた曲は2人がかってベイシーオーケストラに提供した曲が大部分。しかし、アレンジは新たに手が加えられた。

録音は、関係者やファンを集めてのスタジオライブだったようだ。メンバーはロスのスタジオミュージシャンが集まる。お馴染みのメンバーに加えて、ジェリーヘイがプロデュースに加わっているせいか、伝統的なビッグバンドには場違いなメンバーも多い。
さらに、ヒューバードロウズやハロルドジョーンズ、エミルリチャードといったゲストも加わった。関係者が一堂に会したスタジオは大パーティーの様相を呈したようだ。ライブ特有の聴衆のノイズは無いが演奏にもスタジオの和気藹々とした雰囲気が伝わってくる。

演奏は、ソプラノサックスがソロやリードをとったり、エレキベースやギターが加わったり、オリジナルのベイシーオーケストラでは聴けないサウンドもあるが、全体的はベイシーサウンドそのものだ。
時代が移り変わってもベイシーサウンドは永遠だとことになる。時代が移り変わって、ミュージシャンが替わっても、ベイシーを超えたその先にあるのもやはりベイシーサウンドなのか。



1. Ya Gotta Try...Harder!  5:39
2. Belly Roll         5:15
3. Grace            5:19
4. The Joy Of Cookin'     6:21
5. Quintessence     4:47
6. How Sweet It Is     7:21
7. Hard Sock Dance     4:21
8. The Witching Hour     5:16
9. For Lena And Lennie     4:19
10. No Time Like The Present 5:30
11. Lisette         4:09
12. Out Of The Night     5:51

Dan Higgins, Ernie Watts, Gary Foster, Gerald Albright, Jack Nimitz, Pete Christlieb (sax)
Bill Reichenbach, Bill Watrous, Charlie Loper, George Bohannon, Reggie Young (tb)
Gary Grant, Jerry Hey, Oscar Brashear, Rick Baptist, Warren Luening, Wayne Bergeron (tp)
Brad Warnaar, Greg Williams, Jerry Folsom (french horn)
Tommy Johnson (tuba)
Kirk Whalum (ts,ss)  (#3, 4, 10)
Hubert Laws (fl) (# 1, 6, 12)
Emil Richards (per,vibe)
Randy Kerber (p)
Greg Phillinganes (ep)
Paul Jackson, Jr. (eg)
Jimmy Johnson (eb) (#4, 5)
Neil Stubenhaus (eb)  (#2, 3, 11, 12)
Chuck Berghofer (b)  (#1, 6 to 10)
Vinnie Colaiuta (ds)
Harold Jones (ds)  (#6,10)
Paulinho Da Costa (per)  (#3, 12)

Conductor, Arranged By Quincy Jones, Sammy Nestico
Produced by Jerry Hey, Quincy Jones, Sammy Nestico, Judith Bright
Engineer : Tommy Vicari

Basie and Beyond
クリエーター情報なし
Wea/Warner Bros.

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