A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

他人の曲を演奏しても「さすがサド・メル」サウンドが・・・

2008-03-05 | Thad Jones & Mel Lewis & VJO
Thad Jones / Mel Lewis & Manuel De Sica and The Jazz Orchestra

何かと注目されたサドジョーンズ&メルルイスオーケストラ。スタジオミュージシャンが毎週月曜に集まって演奏していた当初はメンバーが自分達のアレンジを持ち寄って演奏していたものだ。
その後次第にリーダーのサドのアレンジが大半を占めるようになった。それに伴ってサウンド的にも良くも悪くもサドジョーンズオーケストラになっていった。当然のように、他のアレンジャーの作品を演奏することはだんだん少なくなっていった。
カウントベイシーやバディーリッチのオーケストラが、編曲は基本的に外注(?)して有名なアレンジャーに編曲を委ねていたのとは大きく違った。アレンジャー達にとっては自分のアレンジをサド・メルのオーケストラに演奏してもらいたいという想いがあったかもしれない。

このサド・メルのオーケストラもツアーの途中、また海外遠征をすると、時折新たなチャレンジをする。
新しい曲に取り組んだり、地元のミュージシャンと共演をしたり。時には、リーダー達だけで地元のオーケストラに飛び入りしたりピックアップメンバーでコンボでの演奏をしたり。元々スタジオミュージシャン達の集まり。皆、どんな状況・編成でもそれなりに何でもこなすメンバー達だった。

このアルバムは、イタリアの鬼才といわれる作編曲家マニュエル・デ・シーカの作品にメンバー全員で取り組んだ異色作であり意欲作だ。このデシーカについて自分は良く知らないし他の作品も聴いたことがない。父親は有名な映画監督だったらしく、映画音楽の世界でも活躍していたようだ。
ここで演奏されるのは“First Jazz Suite”という5曲からなる組曲だが、父に捧げた曲もあり、彼自身のボーカルもありの大作だ。
いきなり出だしの”Brasserie”でペッパーアダムスのバリトンが炸裂する。この組曲は73年の9月にロンドンでの録音、もう一曲収められているおなじみのリトルピクシーは翌74年7月にイタリアで。この間の74年の3月には来日しているがこの時のメンバーと同じ。新進気鋭の若手に大分メンバーも入れ替わった時期だが第2期の黄金時代でもある。
もはや、リハーサルオーケストラではなくレギュラーオーケストラとして世界を股にかけたツアーをやっていたのがよく分かる。
まさに“The Jazz Orchestra”としての面目躍如の一枚だ。

1. First Jazz Suite
 1).Brasserie
 2).Father
 3).Sing
 4).Ballade
 5).For Life
2. Little Pixie

Jerry Dodgion,(as)
Eddie Xiques(as)
Ron Bridgewater(ts,fl)
Billy Harper,(ts,fl)
Pepper Adams(bs)
Thad Jones (flugelh);
Cecil Bridgewater , Jim Bossy ,Jon Faddis , Steve Furtado (tp)
Quentin Jackson ,Jimmy Knepper, Billy Campbell, Cliff Heather,trombone;
Roland Hanna (p)
George Mraz (b),
Mel Lewis (ds)
Dee Dee Bridgewater (vol)
Manuel De Sica (vol)

Recorded Sep.1973 in London (1)
Jul.1974 in Perugia(2)

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