A DAY IN THE LIFE

好きなゴルフと古いLPやCDの棚卸しをしながらのJAZZの話題を中心に。

ミックスジュースとミックスサラダの違いは

2008-04-23 | MY FAVORITE ALBUM
Basie Swingin’ Voices Singin’ / Count Basie & Alan Copeland Singers

放送と通信の融合がいよいよ加速している。先日もテレビ受像機のネット接続による動画配信サービスの受信装置の仕様統一の話が新聞の記事になっていた。いよいよゴールに向けてハード・インフラ周りの準備は整いつつある。一方で2011年の地上アナログ波の停止も予定通り全国一斉に行う方向も再確認されたようである。後期高齢者の保険料天引き問題が先日も混乱を起こしているが、これは何年も前に決まっていたことが突然施行される混乱だ。ある日、テレビが全く見えなく混乱が突然3年で起こるわけだが、果たして色々な準備が整うものなのかどうか・・・?大事なのは、起こった後にどう収めるかの危機管理。やらないという選択肢は無いのだから。
 さて、この問題は業界の人にとっては今までのビジネスの線引きが変わるので大問題。何年か前に、この業界の重鎮の方がこの問題を捉えてこうコメントしていた。
「テレビでインターネットを使えたり、インターネットでテレビが見られるようになるのは、それぞれ独立した2つの機能やサービスがひとつの端末で使えるだけのこと。それぞれの原型が残っているので、つまり「ミックスサラダ」の状態。ところが、元の形が分からないくらいお互いが混ざり合うとこれが「ミックスジュース」になる。その状態が、全く今までにサービスが誕生する放送と通信の融合のゴールなのだと。

 ジャズの世界も全く同じ。その誕生から今の時代まで、ひたすら様々な音楽や文化と交わりあって、ミックスサラダとミックスジュースの状態を繰り返してきている。クロスオーバーとかフュージョンというのは結局、新しい配合のミックスジュースの種類が増えているということだろう。先日聴いた“Full Swing”も、昔の品種の割合を少し増やしたミックスジュースの新製品ということだったのだろう。
ところが、日常起こる違うジャンルのミュージシャン同士の共演というのは、ミックスサラダの状態。ところが、特徴あるサラダの素材だと他の素材の中に埋もれてしまうことなく、何とミックスしてもこの特徴ある素材の良さが生かされる。場合によっては、ミックスサラダなのに、相手の味と旨く交じり合ってミックスジュースのような新しい味わいを出すこともある。

 大分前置きが長くなったがこの特徴あるミックスサラダの素材としてカウントベイシーは天下一品だ。単独素材としても一種独特の味があり、十分美味しいものだが、これを素材としたミックスサラダは実に色々バリエーションがある。オーケストラで歌手の伴奏を努めたり、メンバーが何人かのグループで他のセッションに駆けつけたり。御大がいてもいなくとも、ベイシー風の味付けというものはどのような場合でもメンバーに引き継がれて美味しいミックスサラダができる。

 60年代に入ると、ジャズオーケストラもPOPSの世界とのミックスサラダやミックスジュースを作らなければならない状態になった。ベイシーだけなく、エリントンもクインシーも。このポピュラー化の路線は、硬派のジャズファンからは気嫌いされることもあったものだ。そのような時代のベイシーの一枚。
アランコープランドの率いるコーラスと組んだ一枚。オーケストラ全員ではなく、ピックアップメンバーで参加している。ジャズのアレンジをしていたアランコープランドが仕事で知り合ったシンガーを集めて作ったといわれるコーラスグループ。ソフトロック系のアルバムで有名だが、ここでは、キャンディーや、ガールトーク、そしてコールミーなどのスタンダードをベイシーサウンドに合わせて実に心地よいブレンドを聴かせてくれる。男6人・女性6人の分厚いハーモニーとベイシー率いるセプテット。イメージどおりのSwingin’とSingin’、両者の素材の味を生かしたミックスジュースの出来上がりだ。

1. Happiness
2. I Surrender , Dear
3. Oh, Lady Be Good
4. You Are My Sunshine
5. Until I Met You
6. Candy
7. Down By The Old Mill Stream
8. Fantastic, That’s You
9. One For My Baby
10. Girl Talk
11. Call Me

Produced by Bob Thiel and Teddy Reig

Count Basie (p)
Freddie Greene (g)
George Duvivier (b)
Eddie Shaughnessy (ds)
Roy Eldridge (tp)
Al Grey , Billy Byers (ts)
Eddie “Lock Jaw” Davis (ts)

Recorded June 20,21 and 22,1966


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