Takepuのブログ

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台湾ドラマ「乱世豪門」見た

2009-01-17 14:24:51 | 映画鑑賞

台湾で買った連続テレビドラマ「乱世豪門」のDVD全20話を見終わった。2007年後半の放送という。面白い。大陸では絶対作れない。放送もできない。実は中国大陸では中央電視台(CCTV)が「台湾1895」というドラマを作っていて、今回上海でDVDを買ったので、これも看破しようとは思う。

物語は1894年、日清戦争から台湾が日本の植民地になるまでの歴史に、台北のある茶の豪商の一族と使用人の男女の悲哀を織り交ぜながら進む。
清が日本に負け、下関の春帆楼で終戦交渉が始まる。春帆楼のセットもちゃんと考証してる。95年に下関(馬関)条約が締結され、台湾、澎湖諸島、遼東半島を日本に割譲し、2億テールの賠償金を支払うことが決められた。

台湾では、日本への割譲をこころよしとしない勢力が反対運動を起こし、清国から独立してしまえば下関条約の台湾部分は無効だろう、と台湾巡撫(台湾の最高地方司令官)だった唐景を担ぎ上げて総統とし95年5月、「台湾民主国」を成立させ、独立宣言する。国旗は青地に黄色いトラだ。

各国に建国を伝える電報を送るが、無視される。国会議長を予定していた林維源がアモイに逃亡するなど、政権は早々に崩壊、日本軍との戦いも連戦連敗で、台北城陥落直前に、唐景も老婆に扮装して公金を持ち出し、ドイツ船でアモイに逃げてしまう。「台湾民主国」は11日で終わった。

その後、抗日勢力は台南に駐屯していた大将軍・劉永福を精神的支柱として抵抗を続けるが、劉も中国に逃げ、台湾は完全に日本に制圧される。50年間の日本植民地時代が始まる。
台北開城の際、城内で交戦し無益な血が流れないように日本軍をうながし台湾入城を先導したのは、2005年に亡くなった辜振甫・海峡交流基金会会長の父親で、日本の貴族院議員にもなった辜顕栄だ。この辺も冷静に描いている。

清朝の腐敗と、清軍の戦術能力の低さ、西太后が北京の頤和園の改築に金を使いすぎ、戦艦を購入できなかったなど、淡々と描いている。逆に日本の戦術の高さ、花街で酒を飲んでも芸妓に手を出すものでないと諭されれば理解するなど「鬼」ではないと、冷静な描き方だ。さすが台湾。中国ではこうはいくまい。公共電視台で作られたこともあり、台湾の台湾化の一例だと思う。
というと、お堅い歴史ドラマと思うが、これに茶の豪商の少爺(若旦那)と幼馴染の使用人の少女との許されない恋と少女の過酷な運命、令嬢と番頭の青年の恋と望まない結婚などを織り込んで、見どころ満載だ。