朝礼の話題

見たり読んだりして、感じたことを朝礼で話しています。この頃は仕事の話は少なくなりました。

ゲィテッドコミュニティ

2016-03-05 23:29:15 | 21世紀
ゲィテッド・コミュニティ
2016/03/06
 イタリアの世界遺産には、城壁に囲まれた中世の町があります。城壁のある旧市街とその外の新市街と言う街も普通のことです。
 日本には、そんな街はありません。お城があり、それを取り巻いて商店住宅地のある城下町はありますが、市街を囲む城壁はありません。
 中国の街も同じで、旧市街は城壁で囲まれており、外部とは城門で仕切られ兵士が詰めていたようです。外部の道は、「首」にしんにゅうで、死を覚悟して進むところだったのです。
 21世紀になって、城壁に囲まれた街が、新しく作られているそうです。
 アメリカでは、富裕層が集まり、ゲィテッド・コミュニティ内で、銃を持ったガードマンに守られ、安全で平穏な生活を営む例が増えています。
 一つの市で富裕層が住む地区は、住民投票で、自分たちの住む地域を独立した市として、貧民区を切り離し、学校も警察も別にする例が、各地で起こっており、大統領もそれを良しとしているそうです。
 切り離された貧民区では、教育も治安も悪くなり、図書館などの住民サービスもどんどん廃止されるのです。
 中国でも、オルドスの高地で、公安に守られた別荘地が作られ、共産党幹部や金持ちが、北京などの悪環境から逃れ住んでいるそうです。
 各国の上位10%の持つ金融資産は、ロシア84.8%、トルコ77.7%、香港77.5%、アメリカ74.6%、中国では1%の上位家庭で66.6%だそうです。
 これらの富裕層は、犯罪を恐れ、中世のような民衆と切り離された城壁都市を作って住むことを望んでいるのです。
 未来予測の映画でも。メル・ギブソンの「マッド・マックス」や、ケヴィン・コスナーの「ポストマン」のような孤立したゲィテッド・コミュニティを成立させている場面が出ています。
 資産格差の大きくなった国では、今後、そんなゲィテッド・コミュニティが増え、国内が分裂するのが流れのように感じます。
 アメリカが、「世界の警察官ではない」と宣言したのは、国内の富裕層が自分たちはゲィテッド・コミュニティで、保護されて生活出来ればそれで良いとして、国としての一体感を放棄しているように感じます。
 シリア・リビアに続いて、イランーサウジアラビアの紛争、ロシア・中国のごり押し、中南米での国家破産、次々と起こる騒乱に、アメリカ・欧米は、対処できず、引きこもりの雰囲気もあります。
 今後、世界は、グローバルと言うより、中世逆戻りの世界になりそうに思いますがどうでしょう?
 アメリカで銃規制が出来ないのも、国家や警察に頼るより、個人で銃装備し、自分で自分を守ると言う、中世返りが心の底にあるからでしょう?その表れがゲィテッド・コミュニティへの憧れでしょう。
 格差から 差別に向かい 孤立する  警察に 頼らぬ社会は 理想的?