朝礼の話題

見たり読んだりして、感じたことを朝礼で話しています。この頃は仕事の話は少なくなりました。

タフな人

2013-07-08 23:30:32 | Weblog
タフな人
2013/07/09
 フィリップ・マーロウは、「あなたの様に強い(hard)人が、どうしてそんなに優しく(gentle)なれるの?」と問われて、「タフじゃなくては生きていけない。やさしくなくては、生きている資格はない」と答えます。学生時代乱読したレイモンド・チャンドラーの推理小説の主人公です。
 
 私がタフだなぁと感心したのは、大林組の戸畑工事事務所の所長さんだった、堀緑郎さんです。とにかくタフで徹夜マージャン2日続けても平気なのです。
 私(渡邉)は40才、堀所長は定年の55才でした。
 私が、「疲れた。明日も早いから」と言うのですが、「お前徹夜で仕事したことないのか?これくらいで眠いと言うと事故するぞ」とか言われていました。
 私が退職してすぐ亡くなられました。高槻の自宅にお参りにまいりましてお聞きしましたのは肝硬変だったそうです。肝臓はカチカチで連結している胆嚢管を切っても縫い付けられなく、手術した先生は、突き刺して手術終わりとしたそうです。
 タフだったのは、疲れに対して鈍くなり、疲れを感じなかったのだろうと、今私は75才になって思っています。

 「タフ」という言葉で思い出すのは、ブルース・ウイルスの「ダイ・ハード」
です。一つの映画の中で、死ぬだろうという場面は何回もあり、危機の連続です。「世界一運の悪い刑事」と副題が付けられていましたがタフとは幸運を意味しているようにも思えます。
 東北の復興庁の偉い人が、市民団体との会合に出たあと、ツイッターで「頭の悪い左翼市民団体から吊し上げられたが、怒りは感じず、憐みを感じた」と書いて馘首になりました。
 感情の繊細な方だったのだろうと思います。タフとは無神経で感情的な対応を必要としないことだろうと私は思います。
 昔、御世話になった大林組広島支店の小谷所長は、港湾工事の担当の時、台風が来て、一般漁船が工事用のワイヤーロープに引掛り沈没し、漁業組合員が押し寄せ非難をするのに対し、ゆっくりした口調で、「台風で漁船の碇が外れて流されたのが始まりですね」などと1時間位話していると、船長たちは「もういい」と言って帰ったそうです。私なら謝って責任のいくらかはこちらにあると認めそうです。小谷所長のようなタフさ、「相手の言う事を聴かない」ことがタフの始まりだろうと感じます。ぼやいてはいけません。