齋藤史

7/5
「水無月の闇の深さを破りしは体当たりせし一匹の黄金虫(齋藤史)」
「この歌にどんな暗喩があるのかなしかし鮮烈うまい歌かな()」

万葉集<藻># 7.1394-7.1397

7/5
「潮満てば入りぬる磯の草なれや見らく少く恋ふらくの多き(藻に寄す #7.1394)」
「潮満てば隠れてしまう藻草かな焦がれていても見るは少なし()」

「沖つ波寄する荒磯の名告藻ナノリソの心のうちに靡きあひにけり(#7.1395)」
「沖の波寄せる荒磯の思い人大きく育ち内で靡けり()」

「紫の名高の浦の名告藻の磯に靡かむ時待つ吾を(#7.1396)」
「紫の名高の浦で思い人磯に靡かむ時待つ吾は()」

「荒磯越す波は畏ししかすがに海の玉藻の憎くはあらぬを(#7.1397)」
「荒磯を越す波怖いしかれども海の玉藻は憎くはないが()」