goo blog サービス終了のお知らせ 

そのままVon

おもに31文字の語呂合わせ日記

出雲への旅

2013年07月13日 | 字余り

1
恐れていた時が来た。この日が来ることは、事故に会うとか、突然の病で意識が回復できないなどがない限り、既定の事実でいつか来るとわかっていた。未来にたいして準備をするというのが苦手なかれは、特に準備をしなかった。やめてから漠然となにかを始めるつもりでいたが時間だけが経つ。かれこれ1ヶ月がたち、桜のことも頭から消える頃旅行でもしようと思いたった。

2
行き先は出雲である。キーワードは古代史で、九州・出雲・近畿のトライアングルのうち高千穂を含む九州にも行きたいが、式年遷宮祭のある出雲に行きたいと思った。伊勢神宮は20年毎に式年遷宮をする出雲もその儀式があるという。伊勢神宮は20年ごとに式年遷宮をするが、出雲大社は60~70年ごとという。出雲と伊勢の儀式の違いを知ってみたいが、出雲大社の遷宮を伊勢に合わせてきたのは、意味があるのだろうか? いわゆる対抗意識だとしたら、興味深いことである。それはさておくとして旅の準備をしていこう。

3
(続く) 


往時を偲ぶ

2013年07月06日 | 字余り

7/6
「廃駅をくさあぢさゐの花占めてただ歳月はまぶしかりけり(小池光)」
最近新美南吉の教員時代のテストの問題と解答が出てきたとのこと。「日比谷公園につれていってもらえますか。」という英文和訳の問題で学生時代を過ごした東京を思い出しての問題だという。日比谷公園は昔から流行歌に色々歌われてきた。その時代が懐かしいのだが、明治・大正・昭和も遠くなりつつある(平成になって25年が経とうとしている)。過去を感傷的に思い出していると廃駅ではあじさいが往時のからのお客様のようにあじさいが咲き誇っている、という歌だろう。


好きな作家

2013年07月05日 | 字余り

7/5
今時の本は敬遠して古典をスローリードしようと考えていたことがある。基本的には今も変わらないがそれでも今時の本も読みたくなって結構読むことになる。どんな基準で本を選んでいるかというと、基本は知識欲である。また、「えっ!?」ということが含まれていそうな本で古代史は興味がある。仏教書などもすきだ。
今時の作家で好きな人はと言えば、誰だろう。あまり深く考えないであげることにしよう。
・村上春樹
おもしろいけれど多作過ぎて信用できないので嫌い。
・司馬遼太郎
多作だけれど視点がいつも新鮮だから好き。
・百田尚樹
最近右肩上がりの人気、テレビにも出て信用できる。まだ一冊も読んでいない。
・花村満月
暴力とセックス描写が好き。ただし、カタルシスとしての信仰がないと認められない。
・内田樹
最近本は多いが、ほほぉーがないので敬遠ぎみ
・東海林太郎
観察の視点と精緻な文体は見習いたい。
・半藤一利
読みたいが読んでいない
・p.s.
最近の作家にはあまり興味がわいてこない

女性の作家については
・田辺聖子
小説の類いはあまり読まないが、エセーは最高
・塩野七生
ローマ人の一連の本は絶対に読む。ローマ人を描くときは筋肉の動きまで想像できるというのは感動。
・川上弘美
好き、初期の頃の作品がよい。
・綿矢りさ
すごいんだろうけど読んでいない。文体とか、構成などはいいんだろうけど、破綻したなにかを描いてほしい。
・川上三映子
わりと好き。アプローチがいい。・伊藤比呂美
心情的には、一番嵌まる人。詩人、介護人、仏教等を扱っている
・米原万里
死んだので残念。女性だけど骨太。
・p.p.s.
その他の人で重要な人、最近の女性作家等も興味はあるが時間のトレードオフに難渋。

・p.p.p.s.
外国まで視野にいれると厄介で難渋するがイシグロ・カズオ氏は一回読んでみたい。

 

 


短歌教室2013.07.01

2013年07月02日 | 字余り

7/2

本日3回目の短歌教室に参加した。10名の会員のうち、4名が欠席された。まだ、名前と顔が一致せず、誰が誰だかわからない。石橋先生が、はじまる前から「辻さんの歌が楽しみだわ!」等とおっしゃって、うれしいような恥ずかしいような気持である。3回目だけれど、私の歌が先頭に清書してある。 女性ばかりの会だから、男を立てているのだろう。いらぬ気づかいだけれど、仕方ない。先頭に書いてあるということは、先陣を切って読んで、先生に添削してもらうことになる。
今回も2首発表し、先生の添削を受けた。愚作は以下のとおり
(1)侍は そんな姿で 寝はせぬと 
      苦言いいたしマックの客に
(2)いにしへの 野生の意識を 人は持て 
      そんな寝方は くはれてしまう 

この歌の1首目は、
 ・侍とマックの距離が遠すぎるという問題
 ・苦言の中身を行って、具象を出すように
先生も添削しにくいのか、他の人の歌のときに比べてぴったりの表現がないようである。他にもっといい言い方があるかもしれないが・・・ということで、次のように添削してもらった。
************************************
無防備に眠るマクドの若者にそんな寝方はスリが狙うぞ
************************************

2首目については、
 ・やはり、いにしへという言葉が前時代的だという指摘
 ・下の句を短歌的に順序を逆にしたほうがいいとおっしゃった

添削していただいた歌は・・・
************************************************
動物の野生の意識を人は持て食われてしまうそんな寝方は
************************************************ 


 そのほかの会員のうたについては、
(前)薄紅のばらを手折りて宣教に生きし恩師の墓に捧げぬ
(後)薄紅のばらを手折りて宣教に一世を終えし恩師に捧ぐ
*「生きし」という言葉が強すぎるとのこと。墓はなくてもいいとのこと。

(前)ばらの咲く庭に流るる円舞曲娘の選ぶ音華やぎて
(後)ばらの咲く庭に流るる円舞曲を選ぶ娘の華やぎて見る
*円舞曲はロンドともいうが、そう読ませてはいけないのかな? 

(前)めぐりくる今年も葎ムグラに十字花今だ不明の鎮魂祈る
(後)めぐりくる今年も葎に白く十文字未だ不明の御霊を思う
*祈るの思い込みが強過ぎるということで、思うにする

(前)週末のことなど夫と語れども吾が絵心はねがふ上達
(後)週末のことなど夫と話しつつ心に思ふ絵の上達を
*終末のことなど考えていない、作者と旦那様の距離がおもしろい 

(前)夢にみる田植えすませし古里を年重ねても思ひは深く
(後)夢にみる田植えすませし古里を年重ねても深く思へり
*望郷の思いと田植えを手伝ったことがわかる 

(前)花なれば散りて又咲く春も来る逝きてかへらぬ人ぞこいしき
(後)年どしに散りて又咲く花ばなに逝きてかへらぬ夫を恋ふる
*「ば」が理屈っぽいので、別表現を 

(前)倉敷のお堀に住める白鳥の雛守る母鳥魚追ふ父鳥
(後)倉敷の彫りに住みいる白鳥の雛守る母鳥魚追ふ父鳥
*お堀という表現はないので堀にする。父鳥は遊んでいるとしか見えないが、餌を探しているとのこと。 

(前)嫁ぎての五十年過ぎこし読み返し父の慈の手紙に涙あふる
(後)嫁ぎきて五十年となり読み返す父の慈しみ手紙に涙あふる
*最後の部分がよく聞き取れなかった。 

(前)雨音に眠れぬままに時が過ぎ朝刊配る気配も早して
(後)雨音に眠れぬままに時が過ぎ朝刊配る早き気配す

(前)三年ぶりカルミヤの咲くさ庭にはキビタキの親餌やりはじむる
(後)三年ぶり金平糖のようカルミヤが庭にてキビタキの親餌やりはじむ
*作者が話していた感動を伝えるにはさらなる推敲が必要

(前)痩せた手で杖を頼りに歩るく足逢ふ人毎の心遣いを
(後)痩せた手に杖を頼りて歩くわれ逢ふ人々が声掛けてくるる
*元気に飛び回っていた作者は、体調が悪いようだ 

(前)北海道から友の送りくるる押し花は思ひ出振りかへるすずらんの花
(後)北海道より友送りくる押し花は深き思い出のすずらんの花 

 p.s.

*連体形にするとその先があるように表現できる。たとえば、「声かけくるる」だと「うれしい」という気持ちがこもる
*カルミヤを調べましょう
*きびたきが雛に餌をやる様子の歌を推敲するべし
*言い過ぎ・強すぎという部分の発見方法は
*言葉には、呼応する表現があるので、組合せを追求
*本格的に歴史的仮名遣いを勉強しましょう 

 


土屋賢二さん田辺さんの文章にうなだれる

2013年06月15日 | 字余り

6/15

田辺聖子さんのエッセイセレクション2の解説に土屋教授が登場している。田辺さんの文章の好きなところを数え上げると、自分の人間的欠点と同じで、きりがない、とした上で、強いて三つに絞ってまとめておられる。
読者一般の意見をまとめているような名文なので、以下に抜粋しておく。 

1.論旨
まず基本となる主張が独創的だ。田辺さんはありきたりのことは絶対に書かない。常識的なこと、識者が言いそうなこと、マスコミが主張しそうなことを書くことはない。
さらに、その展開がまた見事である。思いもよらない指摘に目を開かれながら読み進めるとカモカのおっちゃんがその意見をひっくり返し、最後に落ちがつけられる。田辺さんが常識的な見方に突っ込みを入れ、それに対してさらにカモカのおっちゃんがツッコミをいれるという、ミステリのようなどんでん返しの展開には、開催を叫んでしまうことがしばしばだ。

2.価値観
田辺さんがどんなに辛辣に社会を批判しても、また人間の愚かさや浅薄さを余すところなく書いても、根底に人間へのあたたかい眼差しがある。人間がどうあるべきかについて田辺さんが考えることは、常識的な価値観より鋭く、専門家の倫理観より深みと温かさがある。しかも体裁や気取りを徹底してそぎ落としているから、清くてこころのそこまで届く説得力がある。

 3.表現
田辺さんは言葉の天才だ。田辺さんの文章は平易だから見逃しやすいが、高度の技術に支えられている。ユーモラスな文章の場合、ここぞというときに的確簡潔な表現を選ばないとインパクトが失われてしまう。これ以外ないというドンピシャリの表現を寸分の狂いもなく使うために、田辺さんは格調高い看護から大阪弁まで縦横に駆使している。それだけの豊富な語彙と高度のセンスが田辺さんにはある。

特筆すべきなのは、カモカのおっちゃんの果たす役割だ。カモカのおっちゃんの役割はツッコミを入れることだけではない。下ネタを品よく書くという難事も、カモカのおっちゃんに巧妙に発言を配分することによって成し遂げている。