暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

GSG -1911 .22

2011年05月29日 22時57分07秒 | バンバン

金曜の夜何時ものように射撃クラブに出かけたらヘンク爺さんがこちらを手招きして、新しいピストル見るかい、というので作業室に一緒に入った。 爺さんは半年ほど前にトルコ製 Canik 55 Shark 9mm x 19 を買って試していたのだがどうも精度と調節の具合が思わしくないといって下取りに出し、新しいものと交換したのだという。

ボディーにはGSG-1911 とあり、近代拳銃の歴史で名のあるコルトガヴァメント45口径拳銃の1911年モデルなのだが、それを見る前に1910モデルという自分の気に入りのブローニング拳銃と混同して思わずブローニングのかと訊いたら、いやコルト・ガヴァメントのドイツ版コピーだという。 それに45口径はもうこの歳じゃ荷が重いから半分ほどの22口径にしたと言いながらプラスチック製のキャリングケースを開けたのだった。

新品の見覚えのある形がそこにあるけれどモダンなものが幾つかついていて、オリジナルとは明らかに少しは違うけれど、それでもちょうど100年経っても生き残っているその優秀さをその独特の誰にでも分かるその形で示しているようだ。 自分の気に入りの昔の探偵がもっていたりテレビでホンダのオートバイに乗った月光仮面が持っていたスマートで重みを感じさせないブローニングも設計者は同じだ。 長い歴史の中で同じ設計者、ジョン・ブローニングから同じ時期に生まれたブローニング1910モデルの方は形が変わり今はアンティークでしかオリジナルの形を見られないもののこちらの方は今もコルト・ガヴァメントモデルとしてその形を保って現役で作られ続けている。 それに、日本の明治初期、1873年に作られたリボルバーのコルト45とこの明治後期、1911年製ピストルの45口径が混同されてコルト45と言われるとどっちか迷う。 けれど爺さんのものはこれまで幾つもの国がパテント料を払って生産され続けてきたもので、これはドイツの企業が生産したものだからコルトの名前は使われることはなく、それに45も22になり、オリジナルの年1911だけは残されている、ということだ。

これで思い出すのはもう15年ほど前にまだ小学生だった甥に誕生日のプレゼントに何が欲しいと訊ねたら射撃をしている叔父のことを知っていてニコリと笑ってピストルが欲しい、というので物置にあった木切れの合板を張り合わせてそのあとやすりで角をとり半日がかりでガヴァメントモデルを作ってプレゼントにしたことだ。 このモデルに決めたのは直線を組み合わせればこれに見えるように作れるからリボルバーに比べると簡単だという理由だけだった。 それに光沢のない灰色の塗料を塗ってグリップの部分には木目をだし、そこだけにニスを塗れば金属でなくともその厚さから少々の重みもあり大人の手にしっくりと馴染むようで出来たときにはプレゼントするのが惜しいような気がしたけれどそれを誕生日にもって行くと本人は喜んだものの家族は少々困惑したような顔をしたものだ。 その後義弟夫婦のうちに行くたびに居間に転がっているのを見たし、銃の先が犬に齧られて欠け、遊んでいるうちに塗料もはげて角も欠とれ何年か経ってどこかに消えた。 甥にしてもそのころにはこのような古い銃器のことには関心もなくPCゲームにはもっと暴力的な銃器を弄ぶのも出ていてそんな木切れは子供のプラスチックの水鉄砲と変わらぬものになっていたのだろう。

爺さんはプラスチックケースに戻すときに、今まで幾つもいろいろな銃を使ってきたけどこれが最後のコレクションになりそうだ、と言った。



ウィキペデイア; FN ブローニングM1910 の項
http://ja.wikipedia.org/wiki/FN_%E3%83%96%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%8B%E3%83%B3%E3%82%B0M1910 

ウィキペデイア; M1911 の項
http://ja.wikipedia.org/wiki/M1911

最新の画像もっと見る

コメントを投稿