暇つぶし日記

思いつくままに記してみよう

車が動かなくなり焦った

2014年12月26日 19時11分31秒 | 日常

 

2014年 12月 24日 (水)

オランダのクリスマスは日本とはかなり違う。 アメリカ流の派手なものは若い人々を通じて徐々には入ってきているけれどまだ成熟した社会には伝統的な落ち着きがあって、オランダのキリスト教の文化の中ではサンタクロースはまだ馴染みがすくない。 12月の初めにはオランダの子供たちが待ちに待ったシンタクラースからプレゼントを沢山もらったばかりなのだ。 サンタクロースはメディアの世界ではコカコーラが掻きたてるアメリカのプロパガンダでしかないと大人は観ている。 それに浮かれるほど能天気ではない、ハローウィンほど酷くないにしてもアメリカ人のしそうなことだと醒めた目でみる。

毎年この時期に思うのは、24日からかけての雰囲気は日本では大晦日から元旦、正月の三が日にかけての雰囲気に似ていると思うことだ。 24日はイヴであるけれど夜は静かに近くの教会のミサに行くぐらいで昼までに25日のクリスマス第一日の家族ディナーの準備に追われる姿は大晦日に似ている。 25日になれば午後3時ごろから家族が集まってそれから9時、10時ごろまでディナーで過ごす。 それこそ家族だけ、そこに新しいメンバーが加わって本当の身内だけのものなのだ。 このような習慣はイースターがあるとはいえクリスマスの25日の午後から夜にかけてのものが一番大事なもののようだ。 26日の第二クリスマス日は何もせず天気がよければ近所の公園を散歩したり子供たちは友人と一緒にまたどこかで自分達のパーティーをしたりとそこから家族の絆が緩む。 だから自分には25日が日本の元旦に相当するものとみている。 逆にオランダの元旦は休みではあるものの大晦日のパーティー疲れと頭痛から昼ごろまで寝て2日から仕事となり日常が始まる。 松の内などはない。 だからこのように24日から26日にかけては日本での正月気分ということになる。 それに仕事にしてももうバカンスにもなり、休暇をとれば1月の4,5日まで10日ほどの休みにもなり、この24日が如何にこれからの時期に突入する準備の忙しさのピークになるかが想像できるだろう。

姑が先週施設で夜中に転び、その音の大きさに驚いた階上の看護人がどこで何が起こったのかを探し当てて応急処置を施され、翌日病院で骨折の有無を調べ、何とか折れてはいないことを確認して皆一安心したものの、全治6週間と言い渡された姑は不自由な体で施設の外に出ることも叶わず今年のディナーは彼女を抜きにして最近ではまれに家族4人だけで過ごすことになった。 一昨年は舅と姑、息子のガールフレンド、娘のボーイフレンドがいて8人賑やかだったが去年は姑、息子のガールフレンドと6人、今年は近年になく家族4人だけで過ごすことになる。 28日に日本に向けて飛ぶ予定だったから高齢の姑が骨折していたり持病が悪化したりしていればオランダで足止めをくう羽目になった可能性もあり、何とか酷いことにならずに済んだ事に少しは安堵した。

昼前にディナーの前菜を新鮮な魚の盛り合わせにしようと車で10kmほど離れた港町の魚屋に出掛けたらその店とその一帯が消えていた。 以前から再開発の気配があったものの嵩を括っていたのだ。 出る前にネットで調べていれば新しい店の住所が分かっただろうから慌てることもなかったのだが仕方なく海岸の大通りを車で流したけれど見つかるわけもなく、そうなら近所の義弟の家に行って聞けばいいわけだと気付き車をそこに向けた。 車を駐車させて呼び鈴を押したがだれもいない。 どこか近所に行っているのだったら2匹いる犬が喧しくドアのところに来るはずがおとなしいからここも今は夫婦だけになった二人は今晩の準備に犬を連れて走り回っているのだろう。 仕方が無いからもう一度港の近くに行ってそこに住んでいるような歩いている老人に聞けばよいと車に戻ってキーを差込み発車させようとしたのだがウンともスンとも言わず、そのままだ。 今の時期バッテリーが上がっているのならそれなりのゆっくり回転する音も聞こえるはずだからバッテリーではない。  こんなときのために毎年金を払っているオランダ・ツーリング・クラブの巡回修理サービスを頼まねばと携帯で連絡すれば今から1時間でそちらに行くと返事があった。 こういうことはこの30年で3,4回しただろうか。 一昨年は夏のバカンスの折、オーストリアで地元のヘルプを呼んだ。 30分で陽気な若者が黄色いバンでやって来てテスターやらなんやらで一渡り調べたが埒が開かない。 エンジンスタートのモーターには異常も無いし、もちろんバッテリーにも支障は無い。 だからキーからスターターに電気信号が伝わっていないことが原因なのだという。 それにはこんな路上でやっていると3時間も4時間もかかるからここはひとまず自分の車でこれを引張ってスタートさせるからあなたの希望のガレージまで運転して行って修理するしか方策がない、という。 それに加えて、もしキーについているドアのロックを開け閉めする発信機に故障があれば2,3日はかかるのではないか、今の時期、クリスマスから歳末にかけて徐々に社会の機能が低下しているから、、、、、と言ってバンに繋いだ10mほどのベルトで引張るとエンジンがかかった。 修理にはなっていないので実費もかからず若者は、まあ御成功を、といって次にどこかで待っている車のトラブルに向けて去っていった。

家に着くと時を同じくして息子の車が目の前に停まり2台の車で1kmほど離れたガレージに行きエンジンを止めずそのままカウンターのところに行って話すともしかして予備のキーなら動くかもしれないからというので息子をそこに待たせてまた家に戻り予備のキーを持ってガレージにもどりちゃんと駐車スペースに駐車してここで初めてエンジンを切った。 予備のキーをおもむろに差込みひねってもウンともスンともいわない。 カウンターの男は、もし発信機とその回路がいかれているのだったら部品を取り寄せなければならなく、今の時期、24日の午後1時半ではどことも4時までしか仕事をしないし26日から後も整備工たちも半日ほどづつしか働かないし、バカンスに入るものたちもあるから悪くいくと最悪来年に、、、、と最悪のシナリオをつきつける。 取敢えず今日のところはこれからどんな具合か調べさせてそれを後ほど連絡しますというので自分の携帯の番号を知らせてそこを出るときに、もしここで車の年越しをさせないといけないのなら代替の車はないのかと訊くと生憎今の時期全部出払っているという。 リースの手配もできるけれど、、、というのを後ろに聞いて息子の車に乗り込んで帰宅した。 自分は28日早朝に日本に飛べばあとは1月の半ばまで帰ってこないのだから車は使わないのだが、家人は施設の母親のところに行くのに車が要る。 困ったことだ。 息子の車をあてにすることは出来ないからどうしようか、と思案をめぐらせたけれど妙案もなく、そのままディナーの買い物を急がないとあと3時間ほどで店は全て閉まって一貫の終わりだ。 自転車に乗って大慌てで最後の買い物で賑わう魚屋に飛び込んであるものを掴み、スーパーで人々の間を縫って必要なものだけ買い込んでいるとガレージの整備工から電話があった。 電気回路には問題が無いけれどスタートモーターが焼ききれてますな。 幸い同じ品番の予備が棚にあったのであと1時間ほどで出来上がります。 3万5000円です、との事だ。 安くは無いけれどどこか安心した。 つまり、来年までそのまま車がつかえない、もし姑に何かあると、、、、姑でなくともまだ危ない叔母さんが何人かしるし、、、等々。 

買い物を済ませ家に自転車で戻りウオーキングシューズに履き替えて1km歩いた。 息子は自分の買い物があるのか彼の車は消えていた。 明日の午後このあいだプロに習ってきた本菜の鹿肉の料理を娘と一緒にするのに来るまでもどってこない。 そんな風に今の時間大人はディナーの準備でなければプレゼントを買いに大抵は飛び回っている。 修理の金を払いキーを受け取って家にもどれば5時15分だった。 

今日の昼前からの狂騒は何だったのかと思い返した。 単に車が動かなくなっただけの話なのだが、それが普通の時期なら何とも無いのだが日本の大晦日にあたる12月24日でオランダでこれが起こるとパニックになる例でもある。 今日の6時間は久しぶりに焦った。