せめて人の通るところだけでも何とかしようと雪かきをした。 ぎっくり腰のとば口にい続けているのに家の前の舗道と、物置から庭を通って表に抜けるだけのせいぜい幅50cmほどの地面を確保するためにプラスチックのスコップと箒でなんとか時間をかけてやり遂げ、汗も流し、冷たいビールで一服したのだが、その時またぞろピリリと腰の痛みがもどり、まるでサルのように腰を落として背を上にソロソロと歩く始末だ。
裏日本というか日本海側の豪雪地帯の雪かきにくらべるとこれは雪かきと言うより耳掻きだ、といってもいいほどのものだが今まで健康だったものが寄る年波からこのようなちょっとしたことで痛むざまでピーピー言っているのだから、秋田や山形で屋根が落ちるのを防ぐのに一所懸命に雪かきをしている年配の人たちの苦労にくらべると何のこともない。 けれどなんとも口惜しいことだ。