ちょっと郊外まで出ることがあって車で走っていた。 ロータリーのところで車が渋滞している。 どうしたものかと大分後ろから見ているとそのまま動き出しノロノロと前の車に着いて行った。 すると大分向こうに何羽もの雁がうろうろしていてそれが道路を塞いでいるのだ。 野生のアヒルなどなら簡単に追えばいいし、それをしなくても勝手に退くような種類のものだ。 鴨が何羽も一列に道を横切っていくのに出くわし、暫く車を停めて見ていたことが何回かあるけれど野雁は初めてだ。 この雁は始末が悪い。 というのは誰かが道端にパンくずか耳を棄てたのだろう。 小さなこんもりとした山が出来ていてそれに群がっているわけだ。 道の反対側からそれを目指して身体をユサユサ振りながら歩いてくるのもいるし、仲間内で取り合うようなこともしている。 長いくびの上のくちばしを開けて右に左に頭を振ってガーガーと声を張り上げ他のものを威嚇する。
雁は大きいから人にもアタックして始末が悪い。 結局待たなければいけないということだ。 小さな工業団地みたいなところではその一帯が夜には無人になるのでそういう工場の敷地にはこういう雁を何羽も放し飼いにしてあるところがある。 誰かが夜分に入ってくればそれに向かって攻撃をかけるような性格だからだ。 私はそういう中小企業の工場を持っている男を知っていてそれを実際に見たことがある。 ドーベルマンを放し飼いにしておけばいいのに、というと、雁を2,30羽飼っているほうが効率がいい、と言った。 4,5匹のドーベルマンを放っておいても簡単に毒殺されるおそれがある、その点、雁なら3,40羽にはどうすることも出来ないから、という答えだった。
雁は大きいから人にもアタックして始末が悪い。 結局待たなければいけないということだ。 小さな工業団地みたいなところではその一帯が夜には無人になるのでそういう工場の敷地にはこういう雁を何羽も放し飼いにしてあるところがある。 誰かが夜分に入ってくればそれに向かって攻撃をかけるような性格だからだ。 私はそういう中小企業の工場を持っている男を知っていてそれを実際に見たことがある。 ドーベルマンを放し飼いにしておけばいいのに、というと、雁を2,30羽飼っているほうが効率がいい、と言った。 4,5匹のドーベルマンを放っておいても簡単に毒殺されるおそれがある、その点、雁なら3,40羽にはどうすることも出来ないから、という答えだった。