今日は小雨が降る日であったものの、いつものように金曜日の昼前、車で15分もかからないプールに今日はMel Tomeを車のステレオに入れて家を出た。 着くまでにどうせ3曲も聴けないのだけど、それでも2曲目の出だしの2小節がロドリゴのアランフェスの出だしで、信号待ちの30秒ほど、あれあれと思いながらGloomy Sundayに耳を澄ませた。 マーティー・ペイチの編曲だって? ギル・エヴァンスのスケッチオブスペインと同じ響きだなあ、けど、こう言う風に使うんだね、今日は日曜ではないものの、そんな憂鬱な気持ちにさせて、今日の空模様にぴったりだ。
プールに着いて着替えの個室ではBGMではジョンデンバーのカントリーロード、テイクミーホーム、トゥー、バージニヤー、マウンテン、ママ、カントリーロード、、、、やれやれ、それも、オリジナルではなくて誰かのカバーバージョン。ばあさん達こういうの好きなんだよね。 それで、ロッカーに脱いだ服をいれようとしてるとばあさん達の云う事がカントリーロードの間から耳にはいってきたんだけど、、「図書館でも他のとこでも公共のとこだったらⅠユーロ入れて鍵かけたら今度出す時ちゃんと戻って出てくるのに、ここはケチだわね、20セント(約23円)戻ってこないもの」
なるほど、年金生活者が多いこの時間、たとえ20セントでも大金だわね。それから、この人たちがサウナの中やバルブバスの中で喧しく意見交換に励むのはは安いパックのチケットでこないだ行ったスペイン旅行のホテルやモロッコの保養地での一杯のコーヒーの値段の上がり方なのだ。 いくらその地でコーヒーが高いと云ってもこれから後で湯上りにここのプールの喫茶店で飲むまずいコーヒーよりも安いくせに。 まあ、そんなこと思っていても口には出しませんわな、もし、ついうっかり、そんなことを云ってしまったら周りからよってたかって、もっと細かい事いわれますわな。 じいさんたちもそんなこと重々承知で、なにも言わず、ばあさんたちの横で静かにしているのです。
ですから、わたしもその湯気の中で今日はコルトレーンのビッグニックを頭の中で鳴らしてちょっと気分を昂揚させようと努力したのでした。