さよなら西大路

　とうとう、事務所の移転が明日になった。

 

　京都市バスの回数券も一昨日でなくなり、きょうはICOCAで支払う。

 

　平成２５年からまる５年、市バスにも慣れ、車窓から見える景色もきょうで終わりだなと思ったら、しんみりとしてきて、ちょうどレトロな肉屋さん村瀬本店の前で信号待ちとなったので、バスの中から写真を撮った。

 

　七条通りはほかにも富士ラビットなど、レトロで洒落た建物がいくつかある。バスのなかから眺めるだけだったけど、一度くらいは行ってみてもよかったな、と思う。

 

　ただ、七条通りは途中からプラタナス並木となる。鳩と並んでプラタナスも苦手なもの世界遺産に指定されていて、直視できない。幹の迷彩柄が怖いのだ。

 

　それで、並木がはじまると、本を読んだり、スマホをみたりして気をそらす。けれど、怖い気持ちのほうが強くて頭には入ってこない。これからはあの並木を通らずにすむので、ちょっとほっとする。

 

　西大路通りにはセントラルスクエアライフがあって、できた当時は「他のスーパーとは違う！」品揃えで、昼休みになると楽しみで通っていたのだが、最近はうちの近くの普通のライフと同じになってしまった。売れ筋を追求するとそういう結果になるのだろうけれど。だから、もうライフとお別れするのにはまったく未練はない。私が愛した出店当時のわくわくするようなセントラルスクエアではなくなってしまったのだから。出店当時は携帯（当時）の待ち受けにしていたくらい大好きだったのに。

 

　それから、最後のランチはYさんと金花へいき、きょうの日替わりの鯛のあらだき。やっぱりおいしい。ここにもうこれなくなるのは本当にさびしい。

　

　午後はもう引っ越しの箱詰めやゴミ出しでばたばたとして、終業時間になった。西大路花屋町からバスに乗り、もうたぶんこの通りにくることはないだろうなと思った。

さよなら、西大路。

 

　来週から新しいステージがはじまる。