長く使っていない父の携帯電話を解約することになった。緊急のときに必要かもしれんからとか、入院のときにいるかもしれんとか、父はしぶしぶという感じだったけれど、使っていないのに月に3000円くらいの基本料金を支払うというのはまったく無駄だ。
「どうせオレが死んだらぜんぶいっせいに解約になるんやからそのままでええやん」とかいう。
いっせいに解約って、誰が解約するのよ。 生きてるうちにできることはやっておいてよ。それに、これから死ぬまでずっと月々3000円払うの? とずけずけ言えるのは娘であるからかもしれない。
木曜日くらいに携帯電話の充電しておいてね、私が土曜日に行ってその電話から解約するから、と言ったら、携帯電話がない、という。ほら、やっぱり使っていない。試しに私から父の携帯に電話したけれど電源を切っている状態だとかで繋がらなかった。ここで私はもうその電話を探す行為をあきらめる。
金曜日に、また電話をして携帯電話あった?ときいたら、どんなんか忘れた、という。それで、ビデオ通話にして、それらしいものを持ってきてもらう。
まず父が持ってきたのはエアコンのリモコンだった。 それは違うよ、だって、電話よ、数字が0から9までついてるはずやん。そっか。
次に持ってきたのはテレビのリモコンだった。たしかに数字はついてるけど。長すぎるでしょ。携帯だよ。ポケットにそれ入らないでしょ。そっか。もう、わからんわ。あした来るならそのとき探して。 やっぱりそうなると思った。
きょうの昼過ぎに実家へ行く。すぐに携帯を探したけど、見つからず。ドコモに電話して解約したいことを言ったら、解約の場合は本人がドコモショップへ行かないといけないらしい。おとうさん、大丈夫かな。きょうはあったかいしいっしょにドライブ行こう。と誘って連れ出す。そもそもいまはコロナで予約制になっているらしい。待ち時間が長そうだったら、委任状の用紙をもらって帰ればいいね、と言いながらショップへ。
そうしたら、docomoのシステムがダウンしているとかで、新規も解約も手続きができる状態ではないという。仕方がないから委任状をもらって帰って、父に書いてもらうことになる。
こんな正式な書類かくの久しぶりやな。ちょっと練習するわ。といって、A4の普通紙に自分の名前や生年月日、住所、電話番号、続いて私の必要事項をゆっくり書いた。はぁ、しんど。もうあかんわ。力尽きた。何言ってるの。これから本番でしょ。がんばってよ。と励ましながら最後まで時間をかけながら書ききった。
できたじゃない。お父さん、えらい! 讃える。
それから掃除をして、晩ご飯(豚の冷しゃぶ)と明日のご飯(クリームシチュウ)を作ってさきほど帰宅。
あしたは委任状を持ってdocomoへ行く予定だけど、予約なしではだめなんだろうなぁ。
道のりは長いのだった。