ビアンカの  GOING MY WAY ♪

昨日・・今日・・そして明日
   人生は ・・・ダバダバダ・・・

長い手紙

2007-04-27 | brasil

ハンドバッグの中で温めすぎてしまった手紙。
外出時、ピロティーにある郵便ポストを覗くと、久しぶりにブラジルからの手紙を、
それも2通も発見。駅に向かって歩きながら、居てもたってもいられず封を開けました。
電車に乗ってから中味を取り出し、便箋にぎっしり書かれた文面を読むにつれ、
私の顔から笑みがこぼれっぱなしになってしまい、ちょっと焦りました。
JRの中だったんですもの。

それは二月初旬のことでした。
便箋9枚にも及ぶ手紙は、一度読むだけじゃもったいない。
いつでもくり返し読めるようにと、持ち歩いていました。ブログにこの心境を
少しでもいいから書いてみたいなぁ、
と思っているうちに日が過ぎ行き、今日になってしまったのです。

            

もうずっと前のことですが、彼と父は仕事上、部下と上司の関係でした。
私が日本に帰国してからは年一回、個人的にクリスマスカードを出すだけの
お付き合いでした。それは私からの一方通行で、彼からカードが送られてきた事は
確かなかったと思います。あちらでは大層お世話になったし、
返事は貰っても貰わなくてもどうでも良かったのです。

父が亡くなる10日前位に、それが最後だとは知らずに、また父がもはや手紙を読める
状態ではないとは知らずに父宛に彼が投函した手紙を母が受け取ったのですが、本来の
受取人が亡なった後に読ませてもらい、胸がキュンとなったことを昨日のように覚えています。
それには仕事や日常生活のこと、ブラジルの経済・社会情勢などが、彼特有のクセ字で、
まるで目に浮かんでくるような表現で「航空書簡」にぎっしりと書かれていました。

その年の暮れに、父宛への最後の手紙を読んだ時に感じた事をクリスマスカードにちょっと
認めて送った所、彼から初めて、父がいつも貰っていたような、航空書簡の隅から隅まで
隙間なく文字のつまった手紙が送られてきたんです。やったぁ~!ってな気持ちでしたね。
それからは私が出す年一回のX’masカードと、年が明けてからやって来る彼からの航空
書簡の行き来が続き、今回は便箋9枚が手元に届いた、という訳で・・・ここまでの説明に
こんなに活字を使ってしまいました。
 
    ・・・・・・・・・・
    新しい年を迎えておめでとうと云う心情には人様々な思いがあると思いますが、
  お互い健全である事が第一の前提。私は常々死は生あるものの摂理とは
  思っているものの、文通などで消息のある知人・友人は別として、年一回の
   年賀に簡単に「おめでとう」とは書きにくい年令になっているからです。・・・・・・

と、始まり、あちこちの州で起こった水害のことやクリスマスの事。
棚盆に、例年同様、我が娘も知っている非日系人のお坊さんに来てもらいお経を
あげてもらったこととか、
30年以上も居住している町の歴史や(元はというとイタリア移民が
築き挙げた町だとか)、すっかり変貌して賑やかになった今の様子。
日本に住んでいる娘が仕事で来伯して日本に戻る時、奥さんと3人でアルゼンチンから
パラグアイ、ボリビアを抜け、アンデスの山間を通ってインカの遺跡や
古い村を巡ってきた時の話。
宇宙中継のお陰で日本の昨今の様子がジャストタイムで伝わってくるし、
日本の雑誌も講読し読める環境にいるが、日本という国が、「問題が起こってから
騒ぎ出す。追跡調査に欠けている。」ように感じていること。
昔、T社が現地に進出した時に日本から社員で来ていた方で、Yさんとも親しかった方が
二人、ひょっこり訪れて4日ほど彼の家に滞在したこと、
日本で働いている子供二人と現地にいる息子二人の近況など。
月下美人が20~30も花を付け、一夜限りだが見事だった事、
花びらは一寸湯通しして酢の物に、茎の部分はキンピラ風などにすると珍味ですよ、と、
お料理好きな彼らしい言葉。
奥様との馴れ初めの箇所では、自分の兄が、「結婚はそもそも錯覚の始まりで、
長く続けるには妥協と忍耐、それに協調が不可欠な前提だ」など達感ヅラして言った事。
娘が式をあげる時には、二人を前にして、今度は彼が、「男・女は生理的にも資質からも
異なった個体でその上他人同士が結婚という儀式を通じて末長く共にするということは
至難の業を要するも」と言ったとか!さすがYさんらしい。
彼の書いてよこす内容は面白くて、一人占めして読むにはもったいなくさえ感じてしまいます。
私が彼を取り巻く様々な環境をよく知っているから面白いのでしょうが、そうでなくても彼は
個性豊かな方なんです。昔、たしか、サンパウロのウチで父と議論・・というか、一方的に
捲し立てられた?後だったでしょうか、まだ独身だった私の目をキッと見ながら、
「オヤジに似たらとんでもないことだぞ!母親に似れば問題ないが!」と、どう見ても
父親似の私に言ったんです。そう言われても~と、困って曖昧な笑いを返したことが
甦ってきました。人の、ある一瞬の表情って、記憶に残るものなんですね。

そうそう、先に書きましたが、アルゼンチンなどを旅行して、その先々で「ミヤギ」に間違えられ、
握手を求められたり、抱擁されて頬にキスされたり、と、苦笑の連続だったことを
面白可笑しく沢山の例と共に認めてありました。へぇ~、「ミヤギ」にねぇ。ちょっとちがうなぁ、
と思い、娘に聞いたら、「うん、似ている!」との返事。
ン~?「ミヤギ」こと、米俳優の日系二世、ノリユキ “バット” モリタはもうこの世にいない
のですが、南米ではこの「Karate Kid」という映画はとても流行ったようです。私も在伯中、
どこでかは忘れましたが一度見ていますもの。そう言えば、年恰好も彼と似ているかしら?

            ベスト・キッド

こんな長いお手紙をいただくのって、一体いつ以来でしょうか?
何で私にこんなにたくさんの時間をかけて書いて下さったのかしら?感激です。
私はこのように長い手紙を書くことが出来るかしら?お返事はどうしよう・・・
今回、彼が書いてよこした言葉をいっぱい使ってしまいました。
ちょっと・・・と、思いながらも、とうとう書いちゃった。
とっても嬉しくて、やっとバッグの中から飛び出しました。

一緒に着いたもう一通の手紙はリオに長く住んでいるMさんからでした。
彼女も素晴らしい方なのでいつかご紹介出来たらいいなぁ、と思いますが、
ブログって、ちょっとした事で友達を失うこともあるかもしれない・・と感じています。
み~んなブログネタにされちゃう!と警戒されたりして、ね。

昨日、上野で見てきた【花展】のことは、気が向いたら次回に書こうかな、と思います。
どうぞ楽しいゴールデンウィークをお過しくださ~い!

 

 



 


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3 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
手紙 (poppy)
2007-04-28 09:29:59
最近は手紙を貰うことなんて全くと言っていいほどないですね~勿論書くこともなくなりました
便せんびっしり9枚も
それはすごく嬉しかったことでしょうね
何度でも読み返したいと思う気持ちも分かるような気がします
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手紙 (ネイビー)
2007-04-29 00:09:41
携帯電話、メールが手軽に利用できるようになった昨今
手紙をもらうことはめったになく、書く事も少なくなりました。
でも、もらったら嬉しいですね。
電話の言葉はすぐ消えてしまうけれど、文字はいつまでも残ります。
9枚の便箋にはほとばしるような言葉が書いてあるのでしょうね。
伝えたい心、願いが感じられます。
いつまで、こんな交流が続けられたら良いですね。
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Unknown (bianca)
2007-05-01 00:09:47
poppyさん
 
メールの時代に手紙を頂くのってすごく嬉しいもんですね。
それなのに、御返事をしなきゃならない数が増えて来て、
どうしよう・・・と焦っています。長文ブログを書いているヒマがあったら手紙を書かなくちゃぁ・・と
反省している次第です。


ネイビーさん

便箋を選び、封筒も選び、貼る切手も選んで、ペンを持ち字を書く・・手紙のやり取りは年々減る一方なので、受け取った時の嬉しさはひとしおです。
「彼」はユニークな方で、手紙の内容も豊富で読むのがとっても楽しいので、つい紹介したくなってしまいました。長文ブログで済みませんでした。
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