ビアンカの  GOING MY WAY ♪

昨日・・今日・・そして明日
   人生は ・・・ダバダバダ・・・

生きること

2008-05-13 | cinema

生きるとは苦しみである、と、スマナサーラさんの本を数冊読んだ中のどれにも書いてあったが、

よくよく考えると、そうかもしれないと思えてきた。 今まで宗教心は持ったことがないし、これか

らもそうかもしれないし、ブッダが何を説いているかも深く探ろうとも思わなかったけど、彼の本

の言わんとしていることが、遅まきながらもこの年になってやっと少しわかる気がしてきた。


母の日の日曜日に、前から見たいと思っていた映画「最高の人生の見つけ方」を夫と
見に

行った。境遇も性格も全く異なる六十代の二人。偶然同じ病室になり、共に余命半年と

宣告されてから,いったい二人は何を「棺おけに足をいれるまでのやりたいことリスト」に加え、

それを
どのように行動に移していったか、行動と共に何が心の中で変化していったか、そんな

彼らの人生最後のとてつもない日々を見ながら、自分のこれからの余生の過し方にスライド

させて考えさせられた。特に、ピラミッドの上で荘厳な景色を眺めながら、カーターがエドワード

に、「エジプトの言い伝え」の中にあるという、天国の門での問いかけを語る場面は、まるで私

が問われているような気になり、一瞬、答えに口ごもるエドワードと同じ気分になった。

その二つの問いとはこのようなものだった。

     ・・・あなたの人生は喜びを得られるものだったか・・・

     ・・・あなたの人生は他者に喜びを与えることができたか・・・

               さぁ、あなたはどうだったか?

心の平穏を保ち、自分らしく生きることは難しい。やりたいことを犠牲にしなくてはならない

ことだって生きている限り多々起こるだろうし、もしかして、やりたいことが実現しても、期待

していたような満足感や達成感が味わえないかもしれない。一体全体、自分らしく生きる

とは何なんだろう。生きるとは苦しみだ、と、暗い気持ちでその意味を捉えるのではなく、では

どうそれを乗り越えようか、死ぬまでの自分の持ち時間のあいだに・・・と、病気でもない人間

が本を頼りに考え模索している時、映画の人物は限定された半年の生命を眩いばかりに私

に見せつけた。それはもちろん映画だから観客を楽しませる為にあんなおとぎ話のような贅沢

なリストを次々と達成していけたのだけど、それでも個性が正反対なのに息の合った同士に

しか思えない二人の、ウィットに富んだ絶妙な会話の応酬の中に、又それ迄歩んできた彼らの

道程の中に、多くの生きるヒントを垣間見た気がした。エドワードの秘書役とか、カーターの

奥さん役など、脇役がすごく光っていたし、最後の場面もよかったなぁ。余りにもお金がらみの

恐ろしい事件が多い昨今、信頼しあえる人間関係の美しさに胸がいっぱいになった。

大好きだったリヴァーフェニックスの『スタンド・バイ・ミー』も手掛けたロブ・ライナー監督と、

安心して見ていられる優れた性格俳優2人の見事な組み合わせは本当に素晴らしかった。

「こういう映画、久しぶりに見た気がするなぁ」と、夫。

「でもジャック・ニコルソンの役は別の○○でも出来そうだな。」と余計なひと言。

「ジャックは演技の85%は地で行っているそうよ。彼でよかったわ。」と私。

もう一度見たい映画の一つになった。     

       
    追記:
    
母の日の為の素敵なディスプレーをケータイで撮っていた事を思い出しました。
    銀座でご覧になった方も居られるかと思いますが、何気なくミキモト前を通り
    過ぎようとして目に飛び込んできたこのギフトボックスの前で、つい足を止めて
    しまいました。いったい何本のカーネーションが使われているんでしょう?
    
           
         With Special Thanks、Happy Mother's Day !!