ビアンカの  GOING MY WAY ♪

昨日・・今日・・そして明日
   人生は ・・・ダバダバダ・・・

封切りのその日に

2005-10-30 | cinema

映画を見てきました。昨日はパパのバースデーでしたが、
子供たちは仕事に、ハロウィーンパーティーに、と留守でした。
じゃあ2人だけで西船にある“POROROCA”でブラジル料理でも食べて来よう、
と話が決まり、念のため電話をしたところ、「レストランのほうは6月で閉めました。」
がっかりして、「それじゃあ六本木の“アカラジェ”はどう?」と言うと、
本人はあまり乗り気でないのです。
さ~て困った、どうしよう・・・こんな時ばかり頭の中はフル回転。
そうだ、見たい映画が今日から始まる筈だ、と思い出し、
「じゃあ、"ベニスの商人” を見に行かない?アル・パチーノがシャイロック役で出るし、良さそうよ。」
「フ~~ン・・・ま、行ってみてもいいけど・・」
チャンチャーーン!これできまり。(バースデーと映画は余り関係ないですけどね。)
6時台と9時からが、これから行くのに間に合う時間帯でしたが、夕食後のレイトショーに行く事に。
パパと2人で映画に行くのは"レイ”以来。
シェイクスピアの作品は、本で読むというより、舞台や映画などで、知らず知らずに知ってしまった
と言う事のほうが多い気がします。今回の映画は、新聞の映画評を読んで興味を持ちました。
評論、といっても、こっちが見て感激したものでも、散々
な悪評を書く方もいますから、
一概に信用はしませんが、今回のはなんだか信用できそう。

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やはり、思っていた通り、彼が圧巻。

強欲で無慈悲なユダヤ人の金貸し、シャイロックが、深い悲しみに打ちひしがれた、ひょっとすれば
同情さえされ得る人間として描かれているのです。話す口調、動作、すべてが、この人以外に
適任者なんかいないんじゃあないかと思ってしまう位なんです。
監督も言ってます。
「かれはこの役を演じる為に生まれてきたようなものだ。彼なくして、
私はこの映画をつくろうとは思わなかっただろう。」
プロデューサーも言ってます。
「アルのイタリアでの人気のお陰で、ヴェニスでの至宝と言われるような場所の数々での撮影が、
いとも簡単に許可された。こんなことは、今だかつて一度もなかった。」
それにしても、アントーニオとバッサーニオの関係が、単なる友情なのか、同性愛なのか。。?
又、意外だったのは、若手の男たち女たちの存在が、ちょっと軽すぎたかな・・
ということでした。
幻想的に見えたポーシャでさえ、男装して裁判官の前に現れたときには違和感がありました。
シャイロックが余りにも重厚過ぎたのか、監督がこの映画を、今と言う時代にも通じるよう、
独創的なものに仕上げたことは間違いないでしょうけど。
バックを流れる音楽と歌声は、美しいルネッサンス期のヴェニスの町に同化し、映画最後の
キャスティングリストの終わりの終わりまで続きました。
とにかくこの映画は、ストーリーが解っているだけに、登場人物をじっくり観察できた
と言う意味でも面白かったです。
監督のマイケル・ラドフォードは、これを見終わった後で知ったのですが、私が好きだった
"イル・ポスティーノ”や、“1984年”(これは本をを読んでいましたが難解でした!)
の監督でもありました。
やはり、ご縁があったのでしょうね。(何の?)


ここに、バッサーニオが、ポーシャを手に入れるための箱選びをしている時の呟きを・・・

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「目に見える美しさは、中身を裏切るものだ。いつの世も人は見た目に惑わされる。
裁判もそうだ。どんな不正な訴えでも、巧みな弁舌を使えば悪が隠れてしまう。宗教もだ。
どんな邪説でも、厳かな顔で聖書を引用すると、おぞましさが虚飾の影に隠れる。
美人を見よ。その美しさは化粧の厚さによって手に入るものだ。従ってけばけばしい金よ、
お前に用はない。銀よ、お前もだ。生白い顔をした下賊なやつ。だがお前、みすぼらしい銅は、
希望も抱かせず、まるで脅迫してるよう。素っ気なさに引かれる。
雄弁よりもこれを選ぶ。我に幸運を。」