goo blog サービス終了のお知らせ 

“ヴィタミーナ”な生活

おいしく食べて、楽しく飲んで 

猿丸幻視行

2007年11月29日 | 
独特の歴史論を展開する井沢元彦さんの歴史推理小説です。
第26回江戸川乱歩賞を受賞。

冒頭はSFチック。
精神のタイムスリップができる新薬が発明され、折口信夫と主人公が同化する、という奇想天外な幕開けとなっています。

折口の友人、柿本の家に伝えられている人丸額と猿丸額、この2つに書かれている暗号を解くことがストーリーの中心。
そしてその暗号を解くことによって、日本の古代の歴史の暗部が浮き彫りになり、また、時代が変わることによって人も変わり、殺人事件が起きるのです。
柿本に暗号解読の依頼を受けた折口信夫が探偵となり、柿本人麻呂と猿丸太夫、いろは歌、奥山歌の謎を解き、殺人事件を解決します。
同性愛者といわれた折口のほのかな女性に対する思いなども織り込み、万葉集、日本書紀に関心のある方もない方も、楽しめる小説です。

この小説に出てくる奥山歌は、今の季節にぴったり。

 奥山に もみじ踏み分け鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋は悲しき。
                    
                        猿丸太夫      

最新の画像もっと見る

6 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

コメント日が  古い順  |   新しい順
これ読みたい!です (kn)
2007-12-13 00:32:15
自分の東京行記録に約10間もかかってしまい、しばらくどちら様でもご無沙汰をしてしまいました。
結局今回の旅は東京駅付近へ行く時間がとれなくて残念でしたが、次回以降の楽しみにします。
さて、この本、とても興味が沸きました。日本の古代史、時代が変わると人も代わり・・。うー、すでに手に汗握る気がします。メモメモです。
返信する
ぜひ読んで (ひめ)
2007-12-14 00:26:59
knさん、

私もここ最近は、皆様のところを訪問して記事を読むのが精一杯。
コメントを残したい、と思っても時間がなくて、いずれと思っているうちに何日もたってしまっています。
所沢って平岩弓枝さんの「御宿かわせみ」によると、元々はとろろ沢と呼ばれていて、それはとろろ芋しかつくれない痩せた土地だったから、なのだそうですよ。

さて、猿丸幻視行
人麻呂の生きた時代背景や歌の意味が一度では理解できず、二度三度と読んでいる小説です。
暗号の解読も数ページずつ飛ばして読んでしまいたい気持ちを抑えながら、でした。

返信する
とろろ沢 (kn)
2007-12-15 00:54:15
そうなんですね。またひとつ勉強になりました。(嬉)

こんな事書くと年がばれますが、私、子どもの頃に親が観ていたN○Kの「火の道」(原作は確か松本清張さん)というドラマがとっても好きで、その時は考古学者になるぞっとちょっと思っていました。
なので、余計に興味を引かれるのかもしれません。
明日にも注文しようと思っています。
返信する
火の路 (ひめ)
2007-12-15 11:15:11
おお、このドラマをご存知とは・・・
ウチでも母が夢中になってみていました。
栗原小巻さんがでていましたよね。
その後、(たぶん母が)原作を買ってきたか借りてきたかして、それを読みました。
ゾロアスター教の伝播や奈良の酒船石、亀石(だったかな)の秘密(?)などが出てきて、とても面白かったです。

私も読もうっと・・・
本、探してきます。
返信する
 (kn)
2007-12-16 23:05:35
でしたか。
すごい、さすがに読まれただけあって、克明に覚えておられますね。
主人公?は栗原小巻さんだったんですね。島田陽子さんだったかなぁと思ってました。
石舞台とか、猿田彦とかも記憶に残ってます。
あの時出演してた不思議な不気味な男役の俳優さんも印象深いんです。
石橋蓮司さんだったと思うんですが。
本、まだ売られているのかしら。私も探してみます。
「猿丸」の記事にTBさせていただきます。
返信する
Unknown (ひめ)
2007-12-19 06:56:05
レス遅くなりました。

ミチは路だったと思います。
我が家で見ていたドラマはNHKだったかな。
島田陽子さんと石橋蓮司さん、ありそうな組み合わせですね。
石橋さん、昔は怪優というかアヤシゲな役が多かったですね。
返信する

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。