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観測にまつわる問題

政治ブログです。「保険」「相続」「国民年金」「AIロボット」「運輸エンタメ長時間労働」「GX」を考察予定。

児島惟謙という物語

2017-06-28 14:32:21 | 日記
韓国は何故日本に対して法律を守れないのか(反日無罪なのか)ということを考えていたのですが、日本人だと児島惟謙(愛媛宇和島の生まれ)という物語があって(ある程度知識があったら皆知っていると思います)、世論や政治の言う通りに結論を出すのが法の支配でない(法律の条文に沿って結論を出すのが法の支配)という共通理解が国民の間にあると思うんです。

児島惟謙(ウィキペディア)

1891年、大津事件(ウィキペディア)で、ロシア帝国皇太子ニコライ(後のニコライ二世)が切りつけられた訳ですが(テロだと思います)、当時の大国ロシアに武力報復されると恐露病・・・

>小国であった日本が大国ロシアの皇太子を負傷させたとして、「事件の報復にロシアが日本に攻めてくる」、と日本国中に大激震が走り、さながら「恐露病」の様相を呈した。学校は謹慎の意を表して休校となり、神社や寺院や教会では、皇太子平癒の祈祷が行われた。ニコライの元に届けられた見舞い電報は1万通を超え、山形県最上郡金山村(現金山町)では「津田」姓及び「三蔵」の命名を禁じる条例を決議した。5月20日には、天皇の謝罪もむなしく皇太子が日本を立ち去ったことを知り、死を以って詫びるとし京都府庁の前で剃刀で喉を突いて自殺し、後に「房州の烈女」と呼ばれた畠山勇子のような女性も出現した。

・・・に陥った日本は、何とか下手人を死刑にして許しを請おうと大逆罪を適用し死刑にしようと政治が圧力をかけるようなこともあったようです。ですが、大逆罪には外国の皇族に関する規定は無く、司法としては死刑に出来ないと筋を通したのが児島惟謙です。この態度は当時の欧米列強に評価されたようです。約13年後の日露戦争時のロシア皇帝はニコライ二世ですが、日露戦争は日本から奇襲開戦したものであり(成功体験が後の「失敗」を生むという皮肉があります)、直接は日露戦争の原因になっていません。

韓国には恐らくですが、こういう物語がないのでしょう。ですから、国民の間に解釈はあっても条文通りにやらなくてはならないということが分からず、国民情緒法になってしまう。韓国の課題だと思います。

文化財の不法な輸入、輸出及び所有権移転を禁止し及び防止する手段に関する条約(ウィキペディア)という条約もあって、韓国は締約国(1983年)です。対馬の仏像が不法に略奪されたことは証明できないはずです(証明責任(ウィキペディア)は韓国にあります)。ですから、韓国は日本に仏像を返還しなければなりません。これは義務でしょう。韓国の仏像の盗難は証明でき、日本の仏像の「略奪」は証明できない(筆者は合法的に渡ったと思います)、これが全てです。

岸田外相は大変だけど・・・(EPA交渉)

2017-06-28 07:39:55 | 政策関連メモ
今日の日経の社説春秋でEPAの交渉について書かれていました。

>日欧は政治主導でEPA交渉の決着を

>日本と、世界最大の単一市場を持つEUをあわせた経済規模は全世界の約3割を占める。日・EUのEPAは世界最大級のメガ自由貿易協定(FTA)といわれ、その意義はきわめて大きい。

>双方は7月上旬に独ハンブルクで開く20カ国・地域(G20)首脳会議までの大枠合意をめざしており、首席交渉官らが連日交渉を続けている。

>日本はEUによる日本製の自動車や電子機器向け関税の撤廃を求めている。これに対し、EUは日本による欧州製チーズやワインなどの関税撤廃・削減を強く要求しているのが基本構図だ。

>気になるのは、日本の農産品の市場開放について「米国を含む12カ国がTPPで合意した水準を上回るべきではない」との意見が日本の関係者から出ていることだ。

>たとえば、日本はTPPでモッツァレラやカマンベールといったチーズの関税を維持した。だから対EU交渉でも同様の対応をせよ、という主張だ。

>日本が「譲歩するのはTPP合意の範囲内まで」といった硬直的な態度に終始すれば、EUによる自動車関税の早期撤廃という成果を得られない公算が大きい。

>山本有二農相はいったん欧州訪問を計画したが、自民党内の慎重論を受けてとりやめた。交渉が最終段階に入っているのに、日本政府内の体制が混乱しているのではないか。

>対EUのEPA交渉の担当閣僚は岸田文雄外相である。これまで事務レベルに交渉を委ねてきたが、そろそろ指導力を発揮して交渉を仕上げるときだ。

EU市場はデカいですからね・・・。出て行くと言ったイギリスも本音では後ろ髪を引かれる気持ちはあるでしょう。日本も縮小確実の日本市場だけではやってられません。ここは自動車や電子機器を輸出するためにも、絶対に失敗できない交渉だと思います。日本車は優秀ですが、ドイツの牙城を中々崩せません。欧州ブランドは欧州で強いのでしょうか?欧州は標準化(ウィキペディア)や規格化にたけているともいい、攻略が容易な市場であるとも思いませんが、チャレンジしがいはあるはずです。

欧州のモッツァレラやカマンベールを輸入できるなら、それはいいことと思います。失礼ながら、アメリカのチーズは輸入しなくていいところはあります(申し訳ありません。イメージです)。農家にとって欧州のチーズの方が脅威だからやりたくないは分かります。ですが、互いのいいものを輸入することこそが貿易の本質ですからね。

比較優位(ウィキペディア)

比較優位は貿易の最も基本的な概念です。岸田外相は非常に忙しいとは思いますが、交渉している主席交渉官らに指示を出した方がいいかもしれませんね(まぁやってるとは思いますが、日経さんが危惧しているようですので)。自由貿易は安倍政権の旗でもあります。

日本政府内の体制が混乱しているのなら(どうだか知りませんが)、外相は下手に欧州に行かない方がいいような気はするんですよね・・・。指示さえ出しとけば、その辺は交渉のプロが何とかするでしょう。寧ろ政治家邪魔ぐらいに思われているかもしれませんが、それでいいのではないですか?特別新しいルールをつくろうという訳でも、岸田外相が滅茶苦茶欧州の方々に顔が聞くという訳でもないでしょう。