つながりあそび・うた研究所二本松はじめ

二本松はじめ(ピカリン)の活動予定や活動報告、日頃、考えていることなどを書きます。研究所のお知らせも掲載します。

抱っこ通信669号 つながりあそびについて学んだよ②

2016年01月14日 | 抱っこ通信
今日は荒川区第二南千住保育園で「あらかわ『親育ち』講座」でした。乳児の親子で45分、幼児の親子で1時間15分、からだと心を動かすつながりあそびコンサートでした。

この時期になると乳児さんさんといっても赤ちゃん赤ちゃんしている子どもはあまり見かけません。それでも、この時期しかできないとは言いませんが、抱っこ抱っこ、抱っこだけのあそびを楽しみました。子どもたちが戻れる場所をあけておいてくださいね。お母さん自身に帰る場所ありますか?のメッセージ付きで。

♬かくれんぼするものよっといで かくれんぼするものよっといで
頭もかくれんぼ お目目もかくれんぼ お耳もかくれんぼ お口もかくれんぼ
いつも○○ちゃんはかくれんぼ 、ママのおなかにかくれんぼ♬(ママのおなかにかくれぼ)

♬おかあさんのおなかはあったかい おかあさんのおなかはあったかい
おかあさんのおなかはあったかい 大好きな大好きなおかあさんのおなか♬(おなか)


幼児さんの親子も基本は抱っこですが、そこは抱っこまでの過程も楽しみながらです。

♬おちゃらかホイホイホイ おちゃらかホイホイホイ
右手左手子どもが回ります 親子で回ります グルグル回ります
右手左手子どもが回ります さよならさよなら 子どもが飛びつくよ
ぎゅっぎゅっぎゅう♬(おちゃらかホイダンス=あしたも元気)

♬赤鬼 青鬼 黄鬼だ 赤鬼 青鬼 黄鬼だ
俺たちゃ鬼の兄弟 泣く子はおらんか 食っちまうぞ♬(おにの三兄弟)

3月末で卒園するひまわりさんと親さんには仲間がいることと心の中に春のつぼみ(夢)を膨らませていこうとのメッセージ付きで

♬ ひとつ ふたつ 指折って 春よ来い来い 早く来い
ひとつ ふたつ 指折って 春よ来い来い 早く来い
ゆめゆめゆめゆめ 夢つぼみ
かぜかぜかぜかぜ 風吹いて
早く来い来い早く来い
ひとつ ふたつ 指折って 春よ来い来い 早く来い
春よ来い来い 早く来い ♬(春よ来い)

約3週間ぶりの実践です。途中で声が出なくなるのでは心配でしたが、それよりも、最後の最後の『夢わかば』で腰痛が出て、立っていられなくなり、中途半端に座りながら歌詞コールしていました。少し座って休んでいるともとに戻るのですが・・・。これからが心配です。



さて、前号の抱っこ通信668号でもお知らせしたように、つながりあそび・うた研究所機関紙『手と手と手と』第128号(2008年11月12日発行)の中根康則さん連載「ゆるゆる・ふっくら・根強く」より「つながりあそび・うた」とは一緒に考えてください。

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つながりあそび・うたとは何か? 今、あらためて考えてみると

この稿では、あらためて「つながりあそび・うた」とは何か、というテーマに迫ってみたいと思います。
研究所のパンフには、次のように紹介されています。

「より自由で人間らしく生きたいという人間の究極の願いから出発し育まれてきた“つながりあそび・うた”(あそび・うた・ダンス)を通して、『人間のつながりあいって楽しいよ』『生きているってひとりじゃないよ』という実感と共感を、子どもたちや先生・お父さん、お母さんに広く伝えるために、1991年4月に『つながりあそび・うた研究所』は設立」と。

機関紙『手と手と手と』創刊号には、その思いを次のように記されています。

「人間のつながりあいの喪失は人類にとって最大の危機であり、つながりあそび・うたを通して、この危機的状況を見つめなおしたり、変えていく力を育んだりすると同時に、つながりあそび・うたを楽しむことと広げる中で、私自身が人間らしく生きたいと願っているのです」。

これら短いフレーズの中に、見逃してはいけない大切なポイントがあります。

一つは、つながりあそび・うたが突然生まれたのではなく、平和と民主主義を守り発展させるという歴史の流れの中で、また子どもたちに新しい時代や未来を手渡すために、あらゆる分野で創造している人たちの流れの中で、より「自由で人間らしく生きたい」と生まれ育っていきたいということです。

二つ目は、つながりあそび・うたの活動とは、歌やあそび・ダンスを習得するためだけの活動ではなく、個人的つながりをつくるためだけでなく、ましてや研究所メンバーのファンクラブやイベント屋でもありません。場つなぎやただの笑いではなく、文化としての「歌・遊び・ダンス」を自らが創造し楽しむ中で、人間として成長すること獲得する活動だということです。

三つ目は、生きていることや成長することの喜びの実感や共感を自らの意思で意識的に伝え広めることにより、人間の成長を阻止するものに立ち向かっていく力を培っていく活動ということです。総じて言えば、「つながりあそび・うた」の大切なポリシーとは、生命を中心とする文化としての歌・あそび・ダンスなどを通して、みんなの中で一人一が社会の主権者・主体者として成長することがポイントであります。

そうした中で、仲間づくりをつよめて、自分を取り巻く環境(家庭・地域・職場・学校・社会)をより人間らしく生きていくために作り変えることも大切なテーマです。今、言った通り「つながりあそび・うた」はまず、“生命”を大前提に据えて今が、教育研究者の大田尭(たかし)氏の「生命の特徴」という角度から「つながりあそび・うた」の真骨頂をより深めてみたいと思います。

一つ目の特徴は、生命はみんな違うという点です。これは、種の保存という天性的な営みの保障であるとともに、画一的で完全パーフェクトな人間はいない、それぞれ不完全な状態だからこそ、みんなで支え合い、補い合い生きていくのが人間だよ、ということを意味します。

二つ目の特徴は、生命は変わるという点です。あらゆる生命は、自らを変えていく成長力を持っています。自分自身の成長能力が自分を創る、このことが第一義的に生命力の中に存在し、それをまわりの人が助けるというシステムがあるのです。
この観点は、財界の人間遺伝子決定論とは、対極的な見方です。しかも人間は失いながら獲得するという新陳代謝という機能があるため、人間の成長は画一的・直線的に進みません。さらに人間は「その気」によって劇的成長を遂げることができるという特別な能力も兼ね備えています。

三つ目の特徴は、生命はかかわり合う中にあるという点です。関わり合いを失っては、生命というものの存在は不可能です。しかも人間は動物とは違って、自らの意思を表現する文化というものを持ち、今では科学によってさまざまな文明の利器を創り出し社会を形成し、人と人を結びつけ合っています。そればかりか、いろんな環境への適応技術を生み出し、次の世代に伝えられ、文化伝達いわゆる広い意味の教育の社会的機能が、人類の存続を保障してきました。生物学的遺伝に加えて、「社会的遺伝」とでもいうべき機能を発達させてきたといえるでしょう。

以上述べてきたように、生命の三つの特徴から導きされる「つながりあそび・うた」の思想(哲学)とは、一人ひとりを大切にし、その主体性(人格)を認め合い、すべての人が主権者として成長しあい、仲間づくりを意識的に行うことにより、すべての人が幸せになることを願っている。

生命が地球上に生まれて45億年、この歴史は人間がより人間らしく成長する歴史でした。原始共産・奴隷・封建・資本主義・社会(共産)主義という社会制度の変遷は、人間(生命)を大切にする勢力とそうでない勢力とのたたかいの歴史でもあります。

「つながりあそび・うた」は、まさしく人間を大切にする勢力の一員であり、そのたたかい(階級闘争)の一翼を担っていることになります。すべての生命が有する幸せになる権利を阻むものに対しては、楽しさをもって立ち向かう、つまり人間を育て、仲間を増やし、社会を変える活動に参加する態度が「つながりあそび・うた」の立場です。(「つながり九条の会」の設立も今観点から出発しています)。

ぼくらは、こうした生命の継続の闘いの真っ只中にいるという人類史的なスパンで「今」をとらえることが大切です
。だからこそ、社会(政治)にしっかり目を向けて、状況(情勢)をみきわめる力量をつけることが求められています。

このことは、決して「政治的」ではなく、人間の当然の“生きる権利”の執行なのです。

中根康則
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