筑波大学硬式野球部のブログ

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#02 歴史はくり返す (市村悠大 / 人文3・水戸第一)

2021年01月17日 17時09分06秒 | 2021年 俺の話を聞いてくれブログ

カール・マルクスのこの言葉は、例えばテスト期間に締め切り間近のレポートに追われている時など、私たちの日常生活の中でもよく使われるだろう。

 

実際の歴史に目を向けてみても、明治維新期に古代律令国家の太政官制に戻ったことや、

原因不明の感染症が発生すると差別や迫害が起きる、といったように具体例を挙げれば枚挙にいとまがない。

 

私が思うに、えてしてこの言葉は、悪い意味で使われることが多い。同じ失敗を重ねたとき、我々は

「また同じ過ち(=歴史)を犯してしまった。次こそは改善しなければ」

と意気込むも、結局同じことを繰り返して歴史から何も学んでいないのである。




話は変わり、近年の筑波大野球部を振り返る。

直近5年間、計9シーズンうち、2位が5度。

あと一歩、あと一勝というところで優勝を逃し続けてきた。

 

「いい試合まではいくものの勝ちきれない筑波」が繰り返されてしまっている。

代が変わるたびに、「今年こそは優勝、日本一」と

目標を掲げ、武器を磨き、弱点を克服することを目指してやってきた。

しかしそれでも「何か」が足りなかった。



だが、2020年のシーズンは、その「何か」を見つけた年であったのではないか。



コロナ禍で春リーグが中止となり、秋リーグも5試合の総当たりになるなど

激動の1年であったが、逆にそれを利用して新しいことにも取り組むことができた。

 

特にその象徴と言えるのが、秋リーグのライブ配信である。

私は1秋・2春・2秋と首都大学野球連盟が企画した、有明放送局と連携したカメラ撮影に関わっており、その経験を昨秋のライブ配信でも活かせたと感じている。

 

約1か月前に必要な機材を考えるところから始まり、

何度も配置を確認し、試行錯誤を繰り返しながら準備を進めた。

 

そして当日、

カメラ班が一瞬のプレーを逃さずに撮影し、

スイッチャー班が機転を利かせて画面を選び、

ボキャブラリーとウィットに富んだ実況・解説者がユーモアあふれる掛け合いをみせる

三位一体となった放送を実現させた。

 

学生によるライブ配信は、今後の大学野球のスタンダードになっていくと予想されるが、筑波大のライブ配信がその新しい歴史を作ったと言っても過言ではないだろう。



学生スポーツの主役は、いわずもがな学生である。

このライブ配信は、学生が自分の長所を遺憾なく発揮したり、今まで気づかなかった可能性を発見したりする機会を増やし、新しい主役の誕生につながるはずである。




そしてもう一つ、新チーム発足時のミーティングでも、「何か」が見つかったと感じている。これまでのチームは「リーグ優勝・日本一」という結果にこだわった目標を掲げ、チーム作りを進めてきたが、それだけでなくAチームやBチーム、先輩後輩、体専や他学といった垣根を越えて全員が心の底から目指すものが必要ではないかという問いがあった。

 

何日もミーティングを重ね、3年生全員が頭を悩ませながら辿り着いた答えが、

「心を奮わせる存在」になるということだった。自分だけでなく、他者の心を奮わせるためには、野球のプレーはもちろん、グラウンド外での活動も問われてくる。

 

そして、結果に関する目標は最終ゴールがあるものの、「心を奮わせる」というビジョンは終わりが見えず、常に前に進まなければならない。

 

部員全員が目指す普遍的で、未来永劫残り続ける不変的なビジョンが決まった瞬間は、筑波大硬式野球部の新しい歴史の誕生である。その当事者として立ち会うことができて、自分自身「心の奮え」が止まらなかった。

 

チームとして、結果の先にある、ともすれば野球の結果とは必ずしも関係してこない理想像というのがこれまで足りなかった「何か」であり、新たに見つけることができたのではないかと感じている。




最後に私は今、投手コーチとして活動している。

現在の投手陣を一言で表すと「個性爆発」である。

 

大学野球界を引っ張る大エースを筆頭に、

甲子園でホームランを打ったこともあるのになぜかピッチャーをやっている3年生、

上級生顔負けの大型冷蔵庫のような体格で貫禄も出てきた2年生、

真冬でも半袖で豪速球を投げ込む新進気鋭な1年生など、個性あふれる面々がそろっている。

 

投手コーチの私にできることは、本気で自分の武器を磨き、試合で活躍することを目指している選手一人一人の個性を理解し、全身全霊で応えることである。そして、個性をまとめ、強力な投手陣になった時、どの他大学に負けない投手王国が完成すると確信している。見ている人の心を奮わせるような投手王国を作ることを目指して選手たちと切磋琢磨していきたい。




間違いなく、

2021年は筑波大硬式野球部にとって、筑波大投手陣にとって、

新たな歴史を作る1年になるに違いない。そして、その取り組みが10年後、20年後の未来でも繰り返されるよう、チームと個人のビジョンを掲げながら毎日の活動に取り組んでいきたい。




人文・文化学群人文学類3年 市村悠大

茨城県立水戸第一高等学校出身

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#01 漢(林大樹 / 体育3・北須磨)

2021年01月17日 16時54分43秒 | 2021年 俺の話を聞いてくれブログ

こんにちは。

筑波大学硬式野球部ヘッドコーチの林大樹です。

新企画「俺の話をきいてくれ」のトップバッターを務めさせていただけることを大変光栄に思います。




さて、俺の話をきいてくれということで、どんな話をしようかなと考えているのですが、この新企画の大切なトップバッターということで、この企画が素晴らしいものになるよう、漢臭い話をしたいと思います。



特に私の学年の仲間は、主将の片岡を筆頭に、この手のまじめな話になると「おれこういうの苦手やから」と、お笑い系統に逃げる傾向があります。そういうすかしたスタイルがカッコいいと思い込んでいる若僧たちに引導を渡してあげようと思います。

 

副主将の伊藤蓮君はよく臭いことをSNSでもつぶやいているので好きです。彼とは気が合います。この企画のラストバッターには彼を推薦します。

さあそんな若僧たちの話はさておき、本題に入ろうかなと思います。



題名は「仲間」 (もう漢臭い)

私は現在、選手としてではなく、学生コーチとして活動しています。学生コーチの中でもリーダーである、ヘッドコーチを務めています。学生主体で運営される我が部にとって、自分で言うのもおこがましいですが、この役職が一人のキーマンだったりします。

そんなヘッドコーチになぜ自分がなろうと思ったのかを語っていきたいと思います。

 

私たちの部には2年生の秋に学年で集まり、1,2週間ほどひたすらミーティングをする期間があります。そこで自分たちはこれからどういう体制で目標に向け活動していくのかということを話し合います。そこで学生コーチだったり、スタッフと呼ばれる役職なども決定し、目標に向け、最善の形を皆で考えます。

 

当時、私はチームのために自分がヘッドコーチとして、部に関わっていくべきだと感じていました。しかし、そこには大きな迷いがありました。コーチになるということは、選手としてプレーをできなくなるからです。

 

当時の私は、Aチームにちょいちょい呼ばれるような選手でした。1年生は知らないかもしれませんが、僕はけっこうバッティングが良いです。Bチームの打撃タイトルは総なめしていました。1日で7打数9安打くらいしていたと勘違いされるほど打っていました。

大学で無安打の試合はほぼ記憶にないです。

 

ただ、打撃フォームにクセがあります。1クセいや、3クセくらいあります。みんな真似をしてきます。あと、守備が下手です。軽くイプってます。走塁は上手いですが、足が遅いです。

 

そんな私ですが、あともう少し、あと一歩でAチームのところまでは来ていたかもしれません。そんな自分がリーグ戦で活躍する姿をどうしても諦めることができませんでした。

 

しかし、ミーティングを進める中で、私は仲間の熱い想いを感じました。漢と漢の話を真正面からしました。普段はおちゃらけたあんな彼や、普段笑い合っている仲間たちが、こんなにも野球というスポーツに、そして、このチームに情熱を込めていたのかと感じました。

 

選手かコーチか

本気で悩んでいた私に、「お前の好きな方を選べ、お前がやらんなら俺がやったる」と私のことを第一に考えてくれる仲間もいました。



そんな時、なぜ自分は筑波大学に浪人をしてまで入学したのかを考え直しました。



「大好きな野球で一番になりたい。」



この想いを胸に、筑波大学の門を叩いたことを思い出しました。

私のこれまでの人生の中で好きなものは本当に野球だけです。趣味といわれても特にありません。しいて言うなら、乃木坂くらいです。

最近は野球場にいすぎて、大竹哲司君に、グランドに住んでいると思われています。私がグランドに行くとおかえりと言ってきます。

それくらい野球が好きです。

 

大海君は教習所でも練習のことを考えてしまうと悩んでいましたが、まだまだ甘いです。

僕はあんなこと、こんなこと、どんなことをしていても野球のことを思い出してしまいます。ここまで来たらほんまもんです。

それくらい野球が好きです。

 

そんな、人生の中で唯一本気で取り組んできたもので結果を残せていないことが悔しい。

野球でだけは1番でありたい。

この想いだけを胸に、浪人の一年間を耐え抜きました。

 

友達が楽しそうなインスタを投稿していようが、

大好きだった彼女に振られようが、

コロンビア学院という実態不明の予備校に入学しようが(素晴らしい予備校でした。センター260点上がりました)、その想いがあったからここまで這い上がってきました。



考えた結果、自分にとって1番大切なことはそれだと気付きました。

また、この仲間となら、たとえ自分がプレーしていなくても、リーグ優勝したい、日本一になりたいと心から思いました。

そして、チームに最も貢献できる形は自分がヘッドコーチになることだと思いました。






結局、何をこの文章で伝えたかったのか自分でもよくわからなくなってきましたが、

1つこの文章の結論を言うと、それくらい私は熱い想いを持ったこの仲間が好きです。

野球と乃木坂よりも好きなものができました。

 

後輩の皆にはどう映っているかわかりませんが、私たちの学年は、皆、見た目によらず、熱い想いを持っています。きっと後輩たちもそうだと思います。そうでなければ、こんなところで、大学生になってまで野球を続けようとは思わんもんな。(あぁ帰省したい)(中澤に怒られる)



そんな熱いみんなと日本一になりたいです。心を奮わせる存在になりたいです。

いや、私の恩師の前田先生風に言わせると、

「なりたいじゃなれんのや。日本一になるんや。心を奮わせる存在になるんや。」です。





みんなで力を合わせて日本一になろう。

 

そして、心を奮わせる存在になろう。





以上いかがでしたでしょうか。私の熱く、漢臭い想いは届いたでしょうか。

心を奮わせるような文章でしたでしょうか。

盛大な前振りにしては期待外れの文章でしたらすみません。

 

自分でも驚くほどの長文を書かせていただきましたが、まだ少し書き足らないことがあります。大変お長くなっておりますので、ここからは私の文章を気に入ってくれた方のみ、お楽しみいただければ幸いです。

拙い文章に最後までお付き合いくださりありがとうございました。




ここからは林大樹としてではなく、ヘッドコーチとして文章を綴ります。(まだ続きます笑)



「心を奮わせる存在」について

 

これは、私たちが目指す姿として、新チーム結成当初に掲げたものです。

この意味は自分たちの姿を見て、

 

「なんだこのすごいチームは、こんなチームを目指したい、そりゃこのチームは強いわ、優勝日本一にふさわしいチームだ、」

 

というように、自分たちの活動、活躍によって、人々の心を奮わせるような存在になろうという意味が一つ。

 

もう一つは、自分たちの心も奮わせるような取り組みをしよう。あえて言うならば

「fullわせる」

自分たちの心も満たされるような取り組みをしよう、勝利を収めたとき、我々自身が心を奮わすような日ごろの取り組みをしようという意味もあります。

 

このように、筑波大学硬式野球部はただ、単に勝利を目指す集団ではないです。その過程を大切にしています。日本一になるだけでなく、日本一のチームになることを目指しています。




少し話は変わります。

私たちの部には、強豪私学でバリバリに甲子園で活躍していたような者から、文武両道でこれまで取り組んできた者や理系学部の者まで、様々な経験をしてきたものが所属しています。

 

私は、そんなバラエティに富んだ約150人という大人数の仲間全員が真摯に野球に取り組み、全員で戦っていくことができるという点が我々、筑波大学の強みだと思っています。

 

しかし、それは我々の強みでもありますが、我々の1番の課題点だとも感じています。

普通に考えて、150人全員がチームに積極的に関わったり、チームのためを考えたり、全力で野球に取り組んだりすることは難しいことです。これだけの人数がいると、誰かしら冷めてしまったり、人任せになってしまったり、そっぽを向いてしまう者が出てきます。

 

実際これまでの3年間、それをやり遂げられたと自信を持って言うことはできません。

しかし、私はこれを貫けなければ、我々の活躍はないと思っています。

 

どんな形でもこの部に関わっていく。それぞれ、たしかな自分の想いを持って。

 

そんな組織を本当の意味で作りたいです。




話は戻ります。

だからこそ、リーグ優勝、日本一ではなく、「心を奮わせる存在」があります。

そしてそのような組織こそリーグ優勝、日本一を成し遂げられると信じています。





私は、部員全員が筑波大学硬式野球部は素晴らしいチームだと、自信を持って言えるような組織を作りたいです。

まだまだ未熟な私ですが、ここに述べさせていただいたことを、行動で示していきたいと思います。

最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。




体育専門学群3年 林大樹

兵庫県立北須磨高等学校出身











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#00 俺の話を聞いてくれブログ始動(掛布大樹3・体育/中京大中京)

2021年01月17日 16時50分11秒 | 2021年 俺の話を聞いてくれブログ

平素より筑波大学硬式野球部に格別のご支援、ご声援ありがとうございます。

 

この度、筑波大学硬式野球部のブログにて、

「俺の話を聞いてくれ」を始めることとなりました。

テーマ曲は、皆さんご存じのクレイジーケンバンド/タイガー&ドラゴンです。



この企画は、

「心を奮わせる存在」という今シーズンより掲げたビジョンをテーマに、

部員が己の内に秘める熱い想いを語ってもらうというものです。




我々は母親のお腹から生まれ、おギャーの声をあげてから今日に至るまでの、

約20年という歳月の中で、様々な経験を重ねてきました。

 

世界には1人として同じ人間はいません。

双子ですら全く違う人間に成長します。

 

それは一重に”経験の違い”が引き起こしていることだと言えます。

誰もが同じ道を歩んでいないということなのです。

 

100人いれば、100通りの人間がいる。

そしてそこには当然、100通りの経験があります。


となれば、それぞれの人物を構成する経験がみな違うのですから、

考え方や価値観はもちろん、チームに対する想いも異なるはずです。

 

しかし、我々は筑波大学硬式野球部という同じ組織に属しているにもかかわらず

グランドで隣をすれちがう部員のことをあまりにも知らなさすぎる。

 

チームメイトの事を知らないで、果たして”いいチーム”は作れるでしょうか。

そんな想いからこの企画を草案しました。

 

 


人は誰かの心を奮わせることができます。

 

「1人のブログが誰かを奮わせる」

 

チームメイト同士が心を奮わせることはもちろんですが、

我々筑波大学硬式野球部に関心をもってくださる人の心をも奮わせる。

そんな企画になることを願って、ここに「俺の話を聞いてくれ」ブログを始めます。

 

拙い文章が散見されることと思いますが、

どうぞ温かい目で御閲覧いただければと存じます。




2021年1月17日

体育専門学群3年 掛布大樹

中京大学付属中京高等学校出身

 

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