イタリアワインかぶれの料理人

イタリアワインとコーヒーが大好きな料理人が、呆れるほど愉快に溢れるイタリアワインの魅力を伝えていきます。

“アンブルコ”パッラグネッロ ネロ 2008

2011-11-01 08:39:29 | ブログ

Photo 以前より気になっていた、パッラグレッロ ネロ種のワインを、暫く行き来の途絶えていたインポーターが取り扱っていることが判明し、試飲用を早急に取り寄せました。このカンパーニア州の“アンブルコ”パッラグレッロ ネロ テッレ デェル ヴォルトゥルノ(Ambruco Pallagrello Nero Terre del Volturno)は、なかなか不思議なワインです。
リリースされたばかりで飲み頃を迎えていないような気もしますが。しかし、香りや味わいに違和感はありません。とにかく、猫の目のように香りや味わいがくるくると変化します。
チョコレートかなと思えば、バルサミックに、そうかと思えば、タバコやスモーキーな香りに変わり、焦点を絞らせてくれません。それに、スターアニスなのかコリアンダーなのかも、大雑把なくくりでオリエンタルなスパイスと表現し、ブラックベリーとブルーベリーの香りも両方あるようでないようで、混沌とした渦巻の中に入り込んで、目を回しているような状態に陥らされます。 しかしながら、香りの印象はとにかく広さの演出が整然としています。味わいも宇宙のような広がり感があります。
チャーミングな酸と華奢なタンニンが好印象で、ごついだけの果実味と表現が出来ない、“宝石箱”や“メリーゴーランド”などの単純な語句も使えない、広さの空間演出の上手さがあります。
この文章を書くにも実は1週間ほどかかっています。単語は出て来るのですが、それが文章にまとめられずに頭の中を空回りしていたからです。味わいに質感があまり感じられず、空間の広さが感じられるワインを記憶していないので、飲んでいる最中にも表現の仕方に悩んでいましたが。とにかく不思議と新感覚を楽しむことが出来ました。しかし、3年くらいのエイジングでどのように変化すか、楽しみが増えたのも、事実です。


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