東京では、国立では、東京大学を除く、東京工業大学、一橋大学、東京外大、電気通信大学、私立では、慶応、早稲田、上智の3校。地方では、名古屋の豊田工業大学、大阪の大阪大学、そして、日本海側では、秋田の国際教養大学の10校である。名古屋はトヨタの企業内の大学とカウントしてよい。従って、東京大学、京都大学という旧制7帝大では、大阪大学が総合大学として、専門性と国際性の高い即戦力型の教育を行い、採用側の企業の経験値として評価が安定しているといえる。特に、大阪大学は、大阪外国語大学を吸収合併した効果は大きい。なぜ、このような情報を拾い上げたかというと、富山県の県立高校の進学の戦略のためである。ターゲットとされる大学で求められる入試の英語の水準と、その他の大学で求められる英語の競争力の水準が違うからである。国家公務員や学術研究に最適の東京大学、東北大学、京都大学などの求める学生像と、中核400社へ多数の卒業生を送り込んでいる10大学とでは、新入生に対する教育付加価値が高く、それが可能となる基礎学力の評価軸が異なることを意識しなくてはならない。最上位を東京大学、次ランクを金沢大学におくような戦略は古いということになる。最上位は、東京工業大学、一橋大学、東京外大、電気通信大学であると意識すると、入学定員が少ないので厳しいが、ある程度は門戸の広い慶応、早稲田、上智との併願という対応ができる。これには、高校1年次からの対応がいる。それと、秋田県の県立大学が、非常に高い評価を受けているのは、教授陣がアメリカ系で、求める学習量と知識水準が、東大・京大を超えているからである。
富山の高校教育は、1学年の人口総数からみて、上位1000人が、どのように日本の産業社会に寄与し、人材循環をデザインするのか、という問題で分析しなければならない。なお、富山の地元企業は、日本中核400社にはカウントされない。つまり、経営でいえば、ダイヤモンド社の取材対象となるような経営陣はゼロということになる。人材の質からみた富山、石川の現況は、中核への集中ではなく、外縁への拡散・分散への学習戦力の動員となっている。もう一度言います。なれたら、英語で科学思考するほうが楽だという意味を掘り下げてほしい。富山湾岸社会主義者が英語教育という中枢を握っていることが、富山人の落伍を象徴している。