富山マネジメント・アカデミー

富山新聞文化センターで開講、教科書、参考書、講師陣の紹介、講座内容の紹介をいたします。

小水力発電→水素を発生→メタンガスで水素保存・輸送→水素発電

2018年04月21日 | Weblog

今日2018.4.21の富山新聞の記事は、極めて有用である。小水力の発電量では、電力会社の送電線に送りこむところにネックがある。他方、水素による発電には、やはりエネルギーがいる。ここに小水力発電のエネルギーを利用すれば、双方が生きる。しかし、この水素は、長距離輸送や、パイプラインの輸送には適していない。それで、小水力発電で生まれた水素を炭素化合物であるメタンガスに転換すると、小さくは、ボンベに蓄えられる。タンク輸送にも、パイプラインにも適している。そして、メタンガスから水素を取り出し、分解すると発電ができる。つまり、メタンガスが電気エネルギーの原料として安全に輸送・貯蔵できるなら、一連の問題は大きく解決に向かう。魚津の北陸精機さんと、富山大学の理学部の水素同位体の研究とのコラボである。小水力発電では、富山には最高の立地があり、北陸精機には、すでに実績がある。この水素は、トヨタの開発した水素で発電しながら自走する自動車にも枝分かれする。

また、中山間部の新産業として、水素の生産とメタンガスへの合成という道筋が拓かれる。北陸社会にとり、決定的に重要な基幹の技術連携となる。また、メタンガスから水素を分解し、それが発電のエネルギーとして活用できるなら、下水道の処理からも電力を取り出せる。これまで、メタンガスは、中国でも農家の家庭用の燃料としての利用が主体であった。メタンガスが水素による発電とリンクするならば、富山県は世界の最先端に一気に進むことができる。完全なリサイクル社会に近づける。ただ、それを北陸電力のシステムとマッチングさせるには、さらなる研究開発の時間が必要である。このような「新しい結合」と、都市デザイン学とが結ばれ、資源のリサイクル、再利用などに寄与することになる。


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北朝鮮社会と世代交代による変化

2018年04月21日 | Weblog

中国共産党では、「世代」の概念は、党の歴史を説明するうえで暗黙知を構成している。習近平の国家主席の任期の制限を取り除いたのは、中国では、少年・青年期に毛沢東の晩年の誤謬である無産階級文化大革命の被害を「体験」した世代の思いから、二度と、観念的な階級闘争論による党内闘争を起こさないという「世代の共同認識」があり、それが任期の制限で次世代へ機械的に権力移行する仕組みを中断した最大理由である。北朝鮮労働党では、朝鮮戦争の現場を体験した世代は、軍隊の中でも少数派となった。ミサイル部隊は、朝鮮戦争の実体験がない。この世代に最高指導者が属しているので、前2代とは異なる「世代」価値観が底流にある。金正恩世代は、すでに政権の裏面での頭脳集団として機能しているので、過去の負の遺産を払拭することにためらいはない。すでに、金正日からの遺言と伝承の制約は、3年以上を経過している。また、中国と朝鮮の関係も、相互が新世代に属することで、軍事よりも、民生の重視が政権の持続性と正統性の原動力となることが理解されている。また、その他、関係国の全てが朝鮮戦争の実体験が乏しくなっている。最も影響ある韓国においても、中国との関係は、朝鮮戦争の終結として理解され、新たな体験が積み上げられている。東アジア社会も、ゆるやかに世代交代し、底流では相互理解と、他方での民族差別との双方向の対応が生まれている。和解と、非和解、そして反和解の3つのベクトルの均衡点からみて、反和解が少数となり、非和解の心情をもつ流れが、和解を受け入れる流れとなっている。このような東アジアの緩やかな世代交代により、非和解を心情とする人々が反和解と提携しないなら、少数の和解派が局面を新たにするリスク行動にでれる。孔子は、道あれば、行いを危うくする、と述べている。いよいよ、仮の緊張緩和の時期に来ている。


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