富山マネジメント・アカデミー

富山新聞文化センターで開講、教科書、参考書、講師陣の紹介、講座内容の紹介をいたします。

厳しい選別のあるアメリカ人の高等教育

2018年04月04日 | Weblog

46 percent of community college students and 36 percent of university students struggle to pay for housing and utilities. 短大生の46%、大学生の36%が、生活費を稼ぎ出すのに苦心惨たんしている、という。これは、どこの国の話だろうか。ワシントン、モーニング・ポストの記事から拾ったテキストである。なぜ、アメリカの学生が厳しい条件におかれるのか?第一は、両親や親族の援助により進学するというケースは稀である。成人である限りは、自己責任社会のルールに拘束されるからだ。第二は、奨学金がもらえないない学力層の学生を迎え入れることで、アメリカの高等教育の底辺が存立していることだ。低い学力層の学生を30%から50%程度抱えている。アルバイトに追われ、なかなかに卒業単位が取れない、卒業しても、しっかりとインターンシップで評価されないと正社員にはなれない。逆に言えば、経済的に恵まれない家庭の子供でも、非常に数の多い奨学金の選考に合格すれば、食費や宿舎費用の心配なく、弁護士などの資格職の道が拓かれる。このような自己責任社会に対し、北東アジアでは、子供の教育費を祖父母・父母が負担することで、教育基盤を整えてきた。特に、日本は「甘えの構造」を助長してきた。だから、アメリカのトップ・クラスの学生と、日本のトップ・クラスの学生を比較しても、あまり意味が無いことが分かる。問題は、アメリカでは偏差値が60以下の学生には厳しい経済制約がかされ、日本では、大多数の偏差値55から45のミドル学力層に手厚いことが分かる。産業でいえば、トップ・エリートよりも、中堅のオペレーションに適した定型労働のリーダーを堅実に確保していることが分かる。近畿大学が日本で受験生10万以上を集め、産業の中核を支えている。こうした静態構造においては、より高い学力層は、アメリカのトップ・エリートには勝てないが、その産業化された知識の吸収と改良においては、日本には、卒業生に対する母校からの、ライバル校からの厳しい相互批判の仕組みがある。エリート層には、無言の十字架が背負わされる。ノーベル賞の受賞者だって、日本では、学理・学説の厳しい相互批判がある。つまり、年齢が低いときは、東大に入れたというだけで賞賛されるが、70歳ともなると、東大出身のくせにという極めて厳しい社会的な「老人査定」が下される。つまり、日本の社会では、年齢が上がるほど社会の厳しい評価に晒される。大学教員で、大学院博士後期の研究指導が許されるのは、決して全員ではない。アメリカは、職種ごとの能力別のソサエティの論理が青年層にまで及んでいる。日本社会は、母性が働くので、25歳くらいまでは平等主義が優位になる。しかし、年齢が30歳を超えると厳しい査定原理が機能する。70歳で最後の査定がある。これは、孔子の「論語」ルールが生きている証拠である。15歳で学に志し、30歳で道に立つ。日本では、30歳からの自己責任社会となる。これは中国でも同じ。


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富山市の婦中ファボーレで「論語講座」を新設します

2018年04月04日 | Weblog

富山新聞文化センターの要請があり、婦中のファボーレで大規模な文化教室を展開したいということで、教室の空き間をふさぐために、老骨を捧げることに致しました。毎月、第2と第4の月曜日です。夜の7時から8時30分までの90分間です。4月9日は、オープンのお試しの講座。「論語」ってどんな本かを紹介します。富山藩の藩校の広徳館校正の「論語」は、すでに富山教室で開催しています。これは、既に文庫本で「論語」を読み終えた方の大学院レベルの講座です。ファボーレ教室は、入門のためにクラスです。いろいろ批判はありますが、金谷治「論語」岩波文庫をテキストとして使用します。もちろん、広徳館のオリジナルな読み方も紹介することになります。なぜ、やる気が高まったのか。それが、私の「論語」研究が、思いがけなく新しい次元に進んだためです。孔子が前の時代の文化の継承者であることに徹しながら、オリジナルな思想を生み出します。受け継いだ部分と、新たに開拓した部分と、この境界線を割り出す方法を発見したのです。例えば、音楽が人格形成に役立つというのは、孔子の独創ではありません。理論としては、すでに唱えられていたものがありました。孔子は、たくさんの詩歌の中から、詩集である「詩」を300編あまりを編集しました。この編纂の過程で、弟子と共同であれこれ議論しています。こうしたことを「詩」経を川上に、「論語」を川下において読むと、金谷治先生たちが難解・難読とした「論語の壁」を超えることができます。これは、一例です。学者として、人生最後のご奉公です。なんとか、講義録が著書の原稿になるように、分かりやすく説明したいと思います。富山新聞文化センターさんには、自動車が運転できないので、地鉄バスで往復できるかどうか、これが条件でした。昼間なら楽なのですが、社会人で将来、リーダーとしてご活躍されるかたの受講を期待していますが、どうなることやら。なにせ、富山湾岸社会主義者は、「論語」は封建思想だと嘘を宣伝します。親の介護にどうとりくむのか、そうした問題も孔子は論じています。葬式も倹約が大事だと、見栄を張る活き方を諌めています。「論議」を深く読み込みますと、自然体に行きながらピタリと的中する正解を呼び込む知覚のアンテナ、つまり、「中庸」の活き方が見えてきます。


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中国は日本側に安心して欲しいと呼びかける

2018年04月04日 | Weblog

このブログでは、すでに習近平ー金正恩の北京会談の公式発表から、両国が新時代の社会主義、つまり民意と民生を重んじる立場で、朝鮮半島の軍事的な緊張緩和に取り組むことを確認している。その際には、北朝鮮はアメリカとの事前交渉でアメリカ側が提示した条件につき、中国に報告し、アメリカに確約事項を守らせることができるか否か、中国側の担保を求めた。その後、このような各方面での「対話と協商の正確な軌道に新たに入った」過程で、日本側が脇におかれているが、中国としては、日本側に安心して欲しい、と呼びかけている。シグナルとしては、東京上野公園の桜の満開の写真と女性記者の紀行文を「人民日報」に掲載し、対日の配慮をにじませている。

中国の外交部は、問題を2つのカテゴリーに分けている。「半島無核化」は、国連の安保理の議決を厳格に履行する。そして、「半島局勢の緩和」は、軍事緊張から対話と協商への軌道修正という表現をしている。「半島無核化」には、中国政府は国連常任理事国としての権能を行使し、国連の合意事項をゴールとするという。「半島」の情勢につき、「南北」という表現は、全く用いていない。これは、南北対話ではなく、関係国の協商という表現を用いている。つまり、朝鮮半島の38度線を引くことに歴史的に関係したロシア、アメリカとの協議がからむからである。ということは、朝鮮戦争の根源を再検証し、関係国の協議による最終解決への軌道を探っているという事情を反映している。南北「対話」に任せるだけでなく、関係国の協議を意味する「協商」が欠かせないことを意味している。

中国側は、北朝鮮の内情を正確に把握しており、民意と民生を重んじるという習近平からの新時代社会主義と受け入れることで、中国は金正恩の体制を上から丸ごと包み、同時に、国境地帯からの民生の支援の準備を整え、「秋」には「半島」問題は終結できると見ている。すでに、中国政府から日本への正式外交ルートを通じた情報の共有がなされている。日本と中国との和解の象徴であるパンダがいる上野公園、その桜の写真と紀行文の「人民日報」への掲載は、中国からの安心メッセージと見てよい。

 

 


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4月3日(火)のつぶやき

2018年04月04日 | Weblog

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