久しぶりに中国の経済を離れ、中国の映画界を覗いてみた。日本では、これといった国民的な映画女優は、伝統がとだえたようであるが、中国では、厳しい批評の嵐にさらされながら、5年間、女優としての道を学校で学びなおし、再び、撮影の現場にもどってきた「90后」世代の女優が注目されている。周冬雨さんというらしい。5分程度のスピーチを見たが、明らかにファッションは、日本の女子からみると、3年ほど前のオシャレ感覚であるが、話の内容は、巻き舌音が極端に北京風ではないが、南方系のそれとは違う北方系の標準的なトーンで、十分にインテリジェンスを感じさせるものだ。基本、ナチュラルで、知性的で清楚系である。脚線は細い。すでに名声ある女優であるが、再デビューというわけだ。ただ、彼女のイメージに合わせた脚本が用意されたわけではない。それで、プロモーション・ビデオが作成され、メディアに流されたようだ。この5.1から5.5の休暇期間には、作品が全国で上演される。もともと声優ではないから、声質も特に魅力的だとは思えない。ただ役者の臭みがなく、気品のある女子である。女優の数と、台本の数では、後者のほうがはるかに少ない。女優は、オーディションで選べる市場商品である。台本は、中国でも、日本でも枯渇している。それも、集客力で評価されている時代だ。
中国映画の黄金時代に中国留学していた僕たちには、今の中国映画には、特別な思い入れはない。しかし、もうそろそろアジア系の映画がいつでも見られるような施設があって欲しい。ともかく、周冬雨さんは、ネット検索する価値はありそうだ。はやりの人だ。