65歳で都会を脱出したい希望者は、そんなに少なくは無い。ただ、安住の住宅を都市圏で所有している階層には、地方は永遠に地方である。大都会で、賃貸の住宅で生計を立ててきた方には、地方都市がお勧めである。また、もともとの地方出身者でも実家が消滅しているか、廃村になったかたも多い。こうした方は、東京の丸の内や日本橋界隈に出入りする階層は少ない。千葉に賃貸でいるが、いまいち千葉になじめない。埼玉から首都圏通勤してきた方など、賃貸で首都圏に暮らす人は、東京の中心街には出入りしない。東京の国電や私鉄の郊外のサブ都心には、青春18歳の逆に、65歳で青春を迎える中華層の定年退職者がいる。平行在来線が連携し、第二の故郷探しを促すような「スマホ」利用に対応できるSNSの発信を工夫し、そこから購入できる特別切符を販売促進する。なぜなら、SNSが利用できない人材が、大事な地方都市に「準難民」として流れ込んだら大変である。退職金に課せられる住民税をいかに地方都市に落としてもらうのか、それが地方都市の新たな収入源となる。空き家を改修し、市営住宅として提供する情報など、富裕層ではなく、「浮遊層」を呼び込む情報パンフを平行在来線に満載し呼んでもらう。人口移動は、富裕層では起きない。「浮遊層」という中流下層が、平行在来線を利用する時間の余裕がある客筋である。車も無い、運転免許もない。レンタル自転車なら借りられる。議員さんや、自治体職員は、自分の所得階層で判断するが、もう一段下げて発想しないと、平行在来線に客を呼び込めない。見栄を張らすよりも、それなりの寄り添う観光にも量的な需要がある。こういう議論は、落ちぶれ感がありさびしいが、そもそも平行在来線の落ちぶれ感、つなぎの悪さ、対応の三流性、その惨め感と上手くマッチングするのが、大都会での賃貸住宅を利用して、高齢期を迎ええる人たちである。
ここまで読んでいただいて、お分かりいただきたいのは、氷見や魚津などへの人口の呼び込み、働き手の呼び込みには、丸の内、日本橋のアンテナ・ショップは非効率であり、ターゲットのミスになっていることだ。大宮、八王子、川崎など、賃貸層という流動人口に着眼し、地元商店街に富山県の在来の在郷町を売り込むことである。係長どまりの、気のよい、ニコニコした人が来れば、富山には新らしい風が吹く。