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日米を問わず名選手を紹介。

榎本喜八と張本勲(5)

2012-04-16 21:59:53 | Weblog
張本勲の打撃フォームに触れます。バットを高く構え、捕手寄りに倒して始動していきます。全くと言っていい程無駄な動きがない榎本喜八と比較して、投球に対して遥かに遠回りしている様に感じますが、彼はこの一見欠点かと思える動きをプラスに変え得る技術を持っていました。この動きをする事により、投手のあらゆる投球に巧く対応し、全方向に打ち分けていました。つまりスイングスピードを自在に変える事が出来る事により、あの扇打法が可能になったかと思います。榎本喜八程のジャストミートはせずとも、安打を放てたのが張本勲と言えるかと思います。しかしこの打法には、物凄く速い球には対応出来ないと言う大きな欠点があるかと思います。張本勲の現役時代の投手の平均球速は、間違いなく現在の投手より遅かったと思います。現在の投手と比較しても速いと思われる投手も何人か存在しましたが、総体的には球の遅い投手が多かったものです。従って当時の遅い球が主流の投手達と対戦するには、ある意味最も適したフォームと言えるかも知れません。もし全盛時代の二人がMLBの速球投手と対戦したとしたら、パワーこそ劣れど榎本喜八の方が間違いなく対応出来た様な気がします。