3388 野球ブログ

日米を問わず名選手を紹介。

投球フォーム(3)

2011-06-11 21:15:39 | Weblog
不滅の金字塔400勝、その他投手の通算記録の殆どを占める金田正一投手の投球フォームに触れたく思います。本人は、昭和30年代に刊行された著書≪やったるで≫の内で、背は高いながらも胴長短足のスタイルを巧く利して,上体の低いフォームを作る事が出来たと書いており、又最近出演したサンデーモーニングでも、自身のフォームを自画自賛していました。歳月は経てども相変らずの金田節、妙に微笑ましくもなりました。しかし素人の私が言うのもおこがましくはあるのですが、どんなに本人が自画自賛しようとも、金田正一の投球フォームが素晴らしいとは、あまり思えないものです。物凄く気になるのが脚の上げ方が、非常に小さい事です。現在の投手だと斉藤佑樹投手に似ているかと思います。多くの投手に見られる様に、胸元へ抱え込む様に上げるというよりは、キャッチボールをする際に、脚を上げずに投げる訳にはいかない為、ある意味仕方なく上げている様にも思える程でした。この非常に小さい脚の上げ方の為、どうしても腰の捩りが浅く、球速は滅法あるのですが、どうしても球の重み、凄味にはもう一つ欠ける様な気がしてなりませんでした。つまり物凄く速いながらも、軽い球質でした。しかしその他、左腕の後方への引き方、肘の撓り等素晴らしく、この欠点と言っていいのでしょうか、小さな脚の上げ方を充分カバーしていたと思います。彼は特に梅雨時、左肘の痛みに悩まされており、マウンド上でも肘を気にする仕草を度々見せていましたが、どうしても小さい脚の上げ方による、腰の捩りの不足が、肘の負担増に結び付いた様に思えてなりません。